バフとデバフ

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一時的に(勘違いでも)能力を強化する

以前のあとがきで、「マネジメントとは部下にバフをかけることだ(少なくともデバフをかけることではない)」ということを書いた。

バフというのは、RPGなどのゲームに出てくる用語で、「キャラクターの能力を(一時的に)強化すること」を指す(デバフはその逆)。

ここで大事なイメージは、「一時的に」という部分である。

部下の育成はもちろん大事だけれど、残念ながら部下というものはすぐには成長してくれない

でも、優れたマネージャーと一緒に仕事をすることで、能力が強化されたような気になる。

これが大事なのである。

今日はそんなことを書いていく。

気を遣われたらおしまい

不機嫌な人が増えていることはこのブログでも何度も書いている。

あなたの職場にも周りが気を遣うような人がきっといるはずである。

それがマネージャーである場合だってある。

それが冒頭に書いた「デバフ型マネージャー」である。

規律? 冗談だろ?

この種の人は、自分の不機嫌をまき散らし、チームの雰囲気を悪くする。

そしてその自覚はなく、というか、むしろそうすることが「チームの規律を生んでいる」なんて勘違いをしていたりする。

そう。それは勘違いなのだ。

あなたの不機嫌は感染していく

デバフ型マネージャーは、チームにデバフをかけたまま働いていることに早急に気づくべきである。

折角能力が高いメンバーが集まっていたとしても、デバフがかかった状態では高いパフォーマンスを出すことは難しい。

結果、高いパフォーマンスが出ないから、デバフ型マネージャーはより不機嫌になる。

不機嫌が連鎖し、更に能力が低下していく。

下方スパイラルである。

存在そのものがデバフ

「確かに職場にはそういう人がいますけど、私はそうじゃないですよ」と思ったそこのあなた。

本当にそうだろうか?

「デバフ型マネージャー」は、何か動作をすることで能力を下げるのではなく、そこに存在するだけで能力を下げてしまうのである。

もちろん上司なので、部下はそこまで露骨に「あなたはデバフ型マネージャーだ!」なんて指摘をしたりはしないだろう。

でも、もしマネジメントをしていてしっくりこなかったり、自分がチームに戻ると会話が途切れたりするようなら、「もしかしたら私はデバフ型マネージャーなのかもしれない」ということを疑ってみた方がいい。

でないと、ずっと不利なままの戦いを強いられることになる。

できない部下を抱えながら高い成果を上げるのがマネージャーの仕事

では、どうやったら自分がデバフ型マネージャーにならないで済むようになるか?

それは「機嫌を良くする」ということである。

「いやいや、部下が仕事ができないから機嫌が悪くなっているんですよ」

そう仰る人もいると思う。

そしてその気持ちもよくわかる。

でも、「部下が仕事ができない」という状態はすぐには改善しないし、そのような「できない部下」で高い成果を出すのがあなたの仕事なのである。

厳しいことを言っている?

確かに厳しいことを言っている。

ただ、それがマネジメントという仕事なのである。

それがあなたの(そして僕の)仕事

現状を嘆いていても何も変わらない。

「部下ができない」なら「できるようにする」しかない。

もしくは、「部下ができない」状態でも、高いパフォーマンスを出せるような「仕組みを作る」しかない。

それがあなたの(僕の)仕事なのである。

そしてその為にはあなた個人が不機嫌になっている場合ではないのだ。

効果があるならやればいい

もしあなたの機嫌の悪さがチームパフォーマンスに悪影響を与えているとするなら、それを改善すべきだ。

他人を変えることはできないが、自分を変えることは簡単である。

機嫌を悪くしない。

良くできなくても、せめて悪くしない。

それだけでチームの成果は変わってくる。

自分の機嫌くらいコントロールしろよ

そしてここからが今日の本題である。

機嫌が「普通」の状態に慣れたら、「機嫌を良くする」ことを考える。

「自分の機嫌は自分で取る」しかないのである。

自分が機嫌良く働いていれば、それがチームに好影響を与える。

バフをかけることができる。

では、どうやって自分の機嫌を取るのか?

固着しない。執着しない。

端的に言うと、「固着しない」ということになるかと思う。

「執着」と言い換えてもいい。

仕事というのはあくまでも人生の一部であって、身も心も捧げる必要はない、仮に全力投球するとしても、それはあくまでもゲームを目一杯楽しむためである、ということをきちんと認識する。

その為には、その仕事が仮に上手くいかなくても済むようなセーフティネットを構築しておく必要がある。

それが例えばスキルアップであり、副業であり、資産運用である。

主体はこちら側にある

人間関係でもそうだと思うけれど、1つのことにあまりにも執着し過ぎるとロクなことはない。

もちろん「仕事を頑張る」というのは良いことである。

ただ、そこに囚われたらいけないのである。

あくまでも主体はこちら側にあって、その主客が逆転してはいけないのである。

感情をなくすのではなく、相対化する

仕事を相対的に見られるようになったら、自分を俯瞰で見られるようになったら、自然と機嫌は良くなる。

何だか仏教みたいな話だけれど、これはそうだと思う。

いい仕事ができた時は喜べば良いし、そうでない時は悔しがればいい。

感情をなくせ、ということではない。

ただ、相対化すればいいのだ。

そうすれば、自然と機嫌も良くなるはずである。

バフをかけよう

自分の機嫌が良くなれば、それがメンバーにも波及する。

バフがかかる。

好循環になるはずだ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

ビジネスなんてゲームに過ぎません。

そしてどうせゲームをやるなら楽しくやるべきです。

チートはNGですが、バフをかけるくらいなら許されるはずです。

機嫌よく働いていきましょう。

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