ウォークとジャンプ

UnsplashCam Adamsが撮影した写真

延長線上の成果

日本企業にはジャンプが足りないのではないか?

そんな大風呂敷を広げたところから話を始めてみる。

そうなのだ。

日々をカイゼンしていくこと、毎日の仕事の延長線上に成果があると考えること、を僕たち日本企業は当たり前のように行っている。

それはとても良いことである反面、大きな成果には繋がりにくいように思う。

また、発想というか、考え方というか、それが前例踏襲的になっているような気がしている。

もちろん、大けがはしないだろう。

でも、実りも少ない。

そんなことを思う。

僕は日々の仕事の中に、適度なジャンプを組み込むべきなのではないかと考えている。

仕事のベースはウォーク(歩くこと)で構わないのだけれど、その中に少しでも跳躍する仕組み(ジャンプ)を組み込まないと、新しい発想は生まれてこないし、仕事は繰り返しの要素を帯びるようになる。

今日はそんな話である。

それでは始めていこう。

日々の稼ぎは大事。もちろん。

現状維持。

組織の中で働いていると、その壁に何度もぶち当たることになる。

もちろん、現状維持は必要なことであると思う。

日々の飯のタネをきっちりと稼いでいくことは、どう考えても大事な仕事であるから。

でも、それだけでいいのだろうかとも思う。

目標値の発散

以前、毎年目標が上がっていくことをこのブログの中にも書いた。

数学的には、このペースで毎年20%や30%目標が上がっていくなら、いずれは値が発散してしまうのではないかと心配になるくらい、年々目標値が大きくなっていっているのが現状である。

それを日々の仕事の延長線上(ウォーク)でクリアしようとするのは無謀であるように僕には思える。

仕事の強度を上げることには限界があるし、生産性の向上にも限界がある。

また、その限界値をもってしても、きっと目標をクリアすることは出来ない。

「では、どうするか?」というのが今日の議論である。

20%(10%)ルール

僕は日々の仕事の中に跳躍的要素を入れる必要があると考えている。

それはグーグルが言っている20%ルールに近いものであるとも言える。

でも、実際問題として、日々の仕事の2割を大きく化けるかもしれないが何にもならないかもしれない仕事に注ぐのはそれなりに勇気がいる決断であるように思う(週5日勤務であれば、1日をその仕事に充てるという計算になるから)。

だから、僕が考えて実行しているのは「リソースの10%をジャンプ的な仕事に充てる」というものである。

これであれば、週5日勤務の内、どこかの午前とか午後だけを充てるくらいの負担感に収めることができるので、そこまで大きな抵抗感なく進めることができるように思う。

始めるまでが大変

実際にやってみての実感は、そこまで漕ぎつけるのがまず大変、ということである。

きっとどの日本企業も似たようなものだと思うけれど、僕が勤めている会社も同様で、新しい試みに対しては、基本的に「No!」というところから議論が始まっていくので、そこを切り崩していくのがとても大変であった。

かといって、これを上司や組織に対して説明せず、黙って行ってしまうと、成功した時はいいけれど、失敗した時に部下を守ることが難しくなってしまう。

そして、そのような事態が予見される時、部下は思い切った行動を取ることを恐れるようになり、結果、動きがとても中途半端なものに留まることになる。

だから、その為のネゴシエーションがとても大事なのだ。

でも、それは思いのほか大変であった。

早めに成果を出すことが大事

ただ、長く勤めて思うのは、組織や上司というものは「成果を出してしまえば、乗っかってくる」ものでもあり、要は結果を出してしまえばこっちのものだ、ということでもある。

勝てば官軍。

なので、まずは小さく始め、出来るだけ早期に成果を出すことが求められる。

幸いなことに、新しい試みというものは、誰の手垢もついていない領域(ブルーオーシャン)であることが殆どであるから、成果の発現にもそこまで時間がかからないように思う。

そういう意味においても、始めるまでの社内交渉の方が圧倒的に大変である。

ただ、これをクリアすると、それも部下と共にクリアすると、彼(彼女)らのモチベーションが非常に高い状態で仕事ができるようになるので、マネジメント上はとても楽というのが正直なところである。

彼(彼女)らが良いと思っていたことを、やりたいと思っていたことをさせるだけなので、そこにはモチベ―ト的要素が一切不要なのだ。

だから、本来的なマネジメント業務に特化することができる。

一緒になって作戦を練ったり、それを実践してみたり、出てきた結果をアップデートしたり、そのようなことに自分の時間を使うことができるようになる。

それは僕自身にとっても楽しいことである。

単調さとの戦い

マネジメントという仕事は、ともすればルーティンワークになりがちだ。

日々そこまで新しいことは起こらないし、というか起こらないことがむしろ推奨される仕事であるから。

ただ、そればかりが続くと、日々は単調になる。

それを打開する為にも、ジャンプが僕らには必要なのだ、きっと。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

今日の話は最近僕がよく考えていることです。

それはある種の大局観とも言えるかもしれません。

日々のカイゼンも大事ですが、時々はより遠くを見る必要があります。

そして、より遠くを見る為には、地平から離れることを恐れないこと(リスクを取ること)が重要です。

時にはジャンプしていきましょう。