振り返りが大事

UnsplashAllef Viniciusが撮影した写真

振り返り=責任追及ではない

日本企業は振り返りをしない。

そんなことを思う。

またその理由として、責任が追及されることを回避したいという考えがあるような気がしている。

振り返ることは責任追及ではない。

でも、そのように考える人ばかりだ。

答えのない不確かな時代には、アジャイル的な動きが不可欠だ。

試して、違ったら修正して、という繰り返し

これを行う為には振り返りが欠かせない。

それなのに、それをやらず、次の新しいことに皆すぐに向かってしまう。

まるでそれがあったこと自体を忘れてしまったかのように。

今日はそんな話だ。

それでは始めていこう。

パンドラの箱

失敗とはただのデータである。

僕はそのように考えて仕事をしている。

だから、あまり深刻にならずに、データから学ぶことを考えればいいのである。

でも、失敗という蓋を開けようとすると、物凄く嫌な顔をされたり、抵抗されたりする。

僕にはこれがよくわからない。

別に誰かのミスをあげつらったり、責任を追及したい訳ではないのだ。

ただ単純にどこが悪かったのか、次に改善するとしたらどうすればいいのか、を知りたいだけである。

でも、これをやろうとすると、「野暮なことするなよ」というような雰囲気になることばかりだ。

それでは物事は改善していかないよな。

僕は心からそう思うのである。

ただのデータ

仮説と検証。

これはワンセットで行われるべきものである。

戦略を進めるにあたって、まず仮説を立てる

このような方向に進めば成果が出るのではないかと考え、それを実行する。

その結果、上手くいったり、上手くいかなかったりする。

それを振り返る。

上手くいったのであれば上手くいった理由を、上手くいかなかったのであれば上手くいかなかった理由を、それぞれ考えていく。

それを次の仮説の材料にする。

これを繰り返すことで、戦略はシャープになり、より高い確率で、より高い成果が出せるようになっていく。

そこに感情は不要だ。

ただのデータとして扱えばいいのである。

でも、成功した場合でも失敗した場合でも、振り返るということをしない人ばかりだ。

僕にはこれがいつもわからない。

カイゼンと振り返りはワンセットだ

日本企業の強みはカイゼンであると僕は考えている。

そして、改善していく為には振り返りが欠かせない。

そんなものは考える必要もないくらい結びついた概念であるように僕には思える。

でも、振り返りは思ったほど重要視されていないように思える。

PとDとCとA

PDCAで言うなら、みなP(計画)とD(実行)に夢中だ。

そして、すぐに次のPとDに向かってしまう。

C(検証)もA(改善)もせずに。

仮説を基に行った事象にはたくさんのデータが詰まっている。

それは実際に行ったからこそ得られる生のデータである。

それを次に活かさない手はないのだ。

振り返りのスケジュールを抑えてしまう

では、責任追及という形に陥らずに、振り返りを行う為にはどうしたらいいのだろうか?

まず思いつくのは、予め振り返りをすることを決めておくことである。

たとえば、何らかのプロジェクトを始める際に、先に振り返りのスケジュールを抑えてしまう。

そこで自動的に振り返りを行うように決めてしまう

上記したように、上手くいこうが上手くいかまいが、何らかのデータが得られるのである。

それを次に活かす、それだけのことなのである。

でも、これを走り出してからやろうとすると、どこかの誰かが「自分が責められるのではないか?」と勘違いをし出す。

だから、そうならないように決めてしまうのだ。

どのような事態になろうと振り返りはおこなうものだ、ということを合意しておくこと。

それが重要である。

浅く振り返る

次に大事なのは、浅めに振り返っていくことである。

物事が進捗していくと、振り返る時に体力や気力が必要となってしまう。

というのも、その「深さ」が増してしまうからである。

なので、特にプロジェクトの初期にあたっては、できるだけ浅い段階で振り返ることが重要となる。

引き返し不能点まで行くことなく、カジュアルに方向転換できるくらいのところで振り返りを行うようにする(これは最初に上げたスケジュール管理で調整できるはずだ)。

まず自分で

また、自分が率先して振り返りを行うことも併せて重要である。

特に、物事があまり上手くいっていない時ほど、マネージャーである自分がまず振り返りの口火を切ると良いと思う。

それはその場の心理的安全を担保することにも繋がる。

繰り返すが、振り返ることは誰かを糾弾することではない。

単純に物事の進捗を確かめるために行うものである。

でも、何度そう言ったとしても、「結局は責められるのではないか?」と思う人は一定数(それ以上?)存在する。

だから、まず自分がそれをやってしまう。

それもそんなに深刻にならないようにやってしまうのだ。

失敗するのは当たり前のことであり、前に進む為にはむしろなくてはならないものであるということをカジュアルに合意すること。

それは新しい物事やチャレンジングなプロジェクトを進める為にはなくてはならないものである。

ライトな振り返りを。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

失敗を踏まえること。

それをやらない人が多過ぎて困惑してしまいます。

折角のデータを活かさない手はありません。

失敗は成功のもと。

使い古された言葉ですが、これができるかできないかでは現代への適応度が大きく変わります。

アジャイルとカイゼンと振り返り。

深刻にならずに、カジュアルにやっていきましょう。