習慣化できない人達へのマネジメント

ルーティンワークができない人達
皆さんの部下はルーティンワークができるだろうか?
僕の部下はできない。
それはもうびっくりするくらいできない。
仕事の中には同じことを繰り返すものがある。
例えば、勤怠管理システムへの入力、日報の提出、経費精算などなど、同じことを同じようにすればクリアできるものがたくさんある。
でも、これができない。
というか、できない人が多すぎる。
何度言っても改善しない環境の中でマネージャーができることとは何なのだろうか?
今日はそんなことを書いていく。
同じことを同じように行えない。改善もしない。
僕がマネージャーになって驚いたことの1つに、同じことを同じように行うことができない人というのは思った以上に大勢いる、という事実である。
それもその中身は全然難しいものじゃない。
ものの1分もかからないような、単純作業である。
でも、これを同じように繰り返すことができない人がいる。
そして何度言っても改善しない。
これは結構衝撃的なことであった。
他意はない。ただできない。
最初の頃は「わざと」やっていないのかなと思っていた。
マネージャーである僕が気に食わなくて、「反発してやろう」という意思があって、敢えてやっていないのかと思っていた。
でも、どうやらそうではないようなのだ。
単純にできないのである。
できる方が珍しい
もちろん人間なので、「うっかり」ということはある。
時々忘れてしまう、それくらい僕だって理解できる(僕だって漏れる時はある)。
ただ、そういう範疇ではないのだ。
できる方が珍しい、「あれ、今日はできてるんだ(なんで?)」という感じなのである。
それも1人じゃない。
チームに複数人はいる。
さて、マネージャーにできることはあるだろうか?
結論:できることはない
結論から言う。
ない。
もう少し正確に書くと、その度に都度言ってやってもらう、ということになる。
改善を求めるのではなく、ただ「やってください」と言う
これは「ルーティン化するように改善することを求める」こととは違う。
ルーティン化はしない。
改善はない。
ただ、漏れている時に、「漏れているのでやってください」と都度言うのである。
苛立ってはいけない。
「できねえなあ!」と思ってはいけない。
そういうものとして受け入れる。
それが僕たちマネージャーにできることである。
全科目で平均点を取れる部下なんていない
以前にも書いたことだけれど、僕はマネジメントというのは、「メンバーに全科目において平均点をとらせることをまず目指し、それができたらその平均点を上げていく作業である」と就任前思っていた。
でも、これは間違いだ。
全科目で平均点を取れるメンバーというのは、ほぼいない。
それができるだけで超優秀である。
なので、例えばルーティンワークができないくらいのことは所与のものとして受け入れるしかないのである。
それをどうにか頑張って改善させようなんてことは思わない方がいい。
それよりも、得意なことに力を注いでもらう方向に注力した方がいい。
僕はそんな風に考えている。
得意分野で力を発揮してもらえばいい
僕が営業のマネージャーをやっているからより顕著なのかもしれないけれど、そこにいるメンバーというのは、同じことを同じように繰り返すことが苦手である人が殆どである。
これは性質みたいなもので、たぶんそういう人が営業という仕事を選ぶのだろう(事務作業が苦手だという意識が本人にもあるのだろう)し、それに対して嘆く必要はないのだと僕は考えるようにしている。
注意散漫であるということは、新しいものに目が行くのと同義であって、猟犬のように興味がある方向に自由に駆け出して貰えばいいと僕は思っている。
そこが得意分野なのであれば、それで力を発揮してもらえばいいのだ。
それ以外の下らないルーティンワークなんてものは、僕がカバーすればいいのである。
キャプテンシーが強すぎてもいけない
以前にも例えたように、マネージャーというのはサッカーで言うとボランチみたいな性質を持つ仕事なのである。
とにかくチームのバランスを見ながら、球を散らしていく仕事なのだ。
もちろんキャプテンシーも必要だけれど、そのイメージが強すぎるといけないとも思っている。
引っ張っていくというよりは、ケツを拭くという感じなのだ。
チームの為に汗をかく、というイメージなのだ。
素人にはその凄さはたぶんわからないけれど、わかる人だけがわかるようなプレーをし続けること。
ミスが出ても、いちいちイライラせず、さっとそのカバーをすること。
それが大事なのである。
自然現象のようなもの
怒ったって嘆いたって改善はしないのだ。
それは自然現象と同じようなものなのである。
何で台風が来るのかとか、地震が起きるのかとか、そんなことを対して怒ったって仕方がない。
「そういうもの」なのである。
それよりは、彼(彼女)らが気持ちよく働いてもらうような環境を構築することに力を注いだ方がいい。
淡々と指摘するだけ
もちろん社会人として最低限やらなければならないことはあるので、そこは確実にやらせていく。
でも、改善を期待してはいけないのだ。
そして注意する時も、自然現象に対するようにフラットに言えばいいのだ。
イジりを入れられれば尚良い(でもこれは人によっては嫌味っぽくなるので、自分のキャラクターをきちんと把握しておく必要がある)。
そうやってチームを回していくのだ。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
できるマネージャーほど、できないメンバーの気持ちがわからない。
これはマネージャーあるあるだと思っています。
この話を書く時にいつも頭に浮かぶのは、巨人の長嶋監督です。
「スーッと来た球を、ガーンと打つ」というのは凡人には理解できない感覚なのですが、別に変なことを言っている訳ではなくて、天才というのは本当にこの通りなのだと思っています。
そこまでではなくとも、できるマネージャーの感覚は、そのままではできない部下には伝わらない。
なので、これを言語化し、凡人にも伝えられることがマネジメント力だと僕は理解しています。
まずは淡々と指摘することから始めていきましょう。