眠れない夜の乗り越え方

管理職は罰ゲーム
「マネージャーになってから眠れなくなった」
そんな相談を受ける時がある。
気持ちはよくわかる。
マネージャーという仕事は罰ゲームであるから。
そして、その罰ゲーム加減を理解してくれる人は殆どいないから。
僕はそんな罰ゲーム的仕事を9年以上続けている。
ずっと罰ゲームを食らい続けている。
そんな僕であるが、マネージャーになり立ての頃と比べると、精神的には安定して仕事ができるようになっている。
夜眠れないということも殆どなくなった。
その違いは何なのか?
今日はそんなことを書いていこうと思っている。
夜眠れないマネージャーたちの参考になれば幸いである。
それでは始めていこう。
マネージャーは無限責任
「マネージャーの責任は無限」
仕事をしていて僕がよく思うことである。
そうなのだ。
マネージャーの責任の範囲は無限で、どんなことが起きても、その責任はマネージャーが取ることになる、それが現代日本社会である。
そういう意味においても、マネージャーは本当に罰ゲーム的仕事であると言える。
何でもかんでもマネージャーのせいにされる、それがデフォルトである。
部下からは突き上げられ、上司からは梯子を外され、全然関係ない仕事を押し付けられ、その責任まで取らされる。
はっきり言ってやっていられない。
でも、真面目にマネジメントという仕事に取り組もうとする人は、そういう様々な事象についても責任感を覚え、真摯に取り組もうとし、その結果眠れない夜を過ごすことになる。
気になると眠れない
かつての僕もそうであった。
その原因は自分にあるのではないか?
何とかして変えることはできないのだろうか?
そんなことを考え続けて、どんどんと夜眠れない時間が過ぎていく、そんな日々が続いていた。
翻って現在。
ぐっすりとまではいかないものの、まあそれなりに僕はよく眠れている(胃痛で早く起きてしまう状況はそこまで変わらないが…)。
その違いはどこにあるのか?
責任の有限化(開き直り)
一言で言うなら、「気にしない」ということである。
もう少し丁寧に言うなら、「責任を有限化する」ということになる。
マネージャーにできることは(当たり前であるが)有限であり、全てのことに対して責任感を感じる必要はない、そう思えるようになってから、僕はよく眠れるようになった。
いい意味での開き直り。
それがマネージャー業を続けていくためには必要なことである。
できないものはできない
「できることはできるし、できないことはできない」
そんな当たり前のことが、若い時の僕にはわからなかった。
「わからなかった」というか、それは投げやりのスタンスであり、そうすべきではないと思い込んでいた。
でも今は違う。
「できることに最善を尽くす」
「それ以外のことはどうしようもない」
そんな感じなのである。
人事尽くして天命を待つ
それは「人事を尽くして天命を待つ」という言葉に近い。
最大限努力はする。
でも、それ以降のことはそれ以降のことである。
そのような割り切り。
それができるようになれば、夜だって眠れるようになる。
意味のない心配はいらない
マネージャーは色々なことを言われる。
上からも下からも、様々なご批判を受ける。
もちろん、その中には傾聴に値するような内容も含まれている。
真摯に受け止めて、改善に向け努力すべきことだってそれなりに多くある。
ただ、それは一部に過ぎない。
大抵のことは「まあオレにも責任がないとは言えないけれど、どうしようもできないことなのではないか」と思えるようなことばかりである。
だから、あまり気にしない方がいい。
というか、気にしたところで改善できる訳でもない。
だったら、意味なくない?
それが今の僕が思うことである。
ここまで仕事のことを考えているのはたぶん僕だけ
僕からすると、僕のように仕事に対してこんなにまで真摯に向き合っている人は殆どいない、そんなことを思う。
これは不遜であるけれど、たぶん本当のことだと自分では思っている。
僕はそれくらい真剣に仕事をしている。
でも、大抵の人はそうではない。
だったら、僕だってもう少し肩の力を抜いてもいいのでは?
そんな気分なのである。
正義は勝たない。が…
マネージャーという仕事をしていると、びっくりするくらい無責任な人に出会う。
そして、そういう人が罰を受ける訳でもない(むしろ厚遇されていたりもする)のが世の中の常でもある。
そこに苛立ったり、嘆いたりすり気持ちもよくわかる。
なんでオレばっか、そんなことばかりである。
でも、それがデフォルトなのだ。
変わって欲しいなとは思うものの、変わることはまずない。
その中で僕たちは仕事をしていくしかない。
そのような諦め。
ただ、それは必ずしもネガティブではないのではないか?
僕はそう思うのである。
眠れない夜を越えていこう
結局のところ、仕事というのは自己満足に過ぎない。
残念ながら、それが真実である。
どんなに「いい仕事した!」と思っていても、他者からは全くもって理解されない、それが現実なのだ。
それは悲しいことだとも言えるけれど、見方を変えれば上手くいかないことだってあまり気にする必要はないとも言える。
そうやって日々を繰り返していく。
眠れない夜を越えていく。
そうやって僕は(こんな僕でさえ)現在まで辿り着いた。
あなただってできないはずがないだろう?
僕はそう思うのである。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
開き直りと責任転嫁。
これが上手にできるようになると、マネージャーという仕事はだいぶ楽になります。
もちろん、これは十分に仕事に向き合った後での話です。
最大限の努力をし、いい意味でテキトーに仕事をしていきましょう。