ピンチの度に距離が縮まる

UnsplashNathan Trampeが撮影した写真

ピンチの時こそボーナスタイム

仕事をしていると、「これ、ヤバいな…」という局面が時折訪れる。

胃がギュッと痛くなるようなあの感じ。

本能的に「逃げろ!」と体も反応してしまうあのイメージ。

そんな時こそそこに留まり、逃げないことが重要である。

そして、そのような修羅場を潜り抜ける度に、部下との絆は深まっていく。

もしあなたが部下としっくり来ていないのなら(そう感じるなら)、ピンチの時こそ立ち向かうことを意識するといいと思う。

というか、平時の時にいくら頑張っても効果は薄い。

ピンチの時こそボーナスタイム。

今日はそんな話である。

それでは始めていこう。

部下からの信頼度の差

部下から慕われる上司そうでない上司がいる。

その差は何なのか?

僕は「ピンチの時に逃げない」ことが重要であると考えている。

というか、これさえできていれば、極端に部下から嫌われることはない。

少なくとも及第点は獲得することができる。

だから、ピンチの時こそその問題に立ち向かっていくことがとても大事なのである。

ホルモンの意のままにならない

これは本能に背く行為であるとも言える。

体は正直で、怖い事象やヤバい事象に対して、「逃げろ!」というメッセージを送ってくる。

その際に、本能のままに反応しないこと。

ホルモンの意のままにならないこと。

それがピンチの時には重要な心掛けである。

淡々とやればいい

「そうは言っても、怖くて仕方がない」

その言い分もわかる。

確かにピンチの局面は僕だって怖い。

でも、もう10年くらいマネジメントという仕事を経験していると、それも問題に対処し続けていると、「ああまた来たか」という感覚になるから不思議である。

いや、正直に言えば、嫌なものは嫌なのだ。

別に得意になった訳ではない。

ただ慣れていない訳でもない。

淡々とその事象に対して向き合っていくこと。

それができれば、別にスペシャルなことなどいらないのである。

自分がダメでも大丈夫という気持ち

また、心持ちとして大事なことは、「自分で解決できなくても、上司がいるので、あとは上司に任せてしまえばいいや」という感覚である。

ある種の投げやり感無責任感。

それを持ち合わせながら、物事に対して冷静に向き合っていくこと。

それさえできれば、自ずと解決に向かって行くはずだ。

ただ突っ立っているだけでいい

これに対して、ピンチの時に逃げてしまう人がいる。

もちろん、本人は無意識なのかもしれない。

決して逃げようとしている訳ではないのかもしれない。

でも、傍から見れば(特に部下から見れば)、それは逃げている以外ナニモノでもないことがよくある。

その理由は単純に怖いからかもしれないし、自分に責任が降りかかってくることを恐れているのかもしれないし、昇進昇格に響くと考えているのかもしれない。

ただ、理由がどうであれ、その場から逃げてはいけないのだ。

別に「勇敢に立ち向かえ!」とまでは言わない。

「何もできなくても、そこに突っ立っていろ」

それが僕の言いたいことである。

ピンチ以前と以後

そうやってわからないなりに怖がりながら悪戦苦闘していると、物事というのは快方に向かってくる。

その渦中にいることが大事なのだ。

特別な貢献をする必要はない(できるに越したことはないが…)。

ただそこにいればいいのである。

そうすると、不思議なことに、そのピンチ以前と以後では部下からの信頼度が変わっていることに気づくはずだ。

明らかに表情が違うし、受け答えも違う。

そのようなことを繰り返しながら、チームを運営していくのである。

有事の時に役に立つか否か

結局のところ、「有事の時に役に立つか否か」というのは部下にとってとても大きな判断軸なのだろうと僕は考えている。

普段どんなに良いことを言っていたとしても、ヤバい時に人間性が露わになるというのは誰もが知っていることで、その際に大きな失点を食らわないように行動することは、その後のマネジメントの成否を大きく変える。

書いてみると当たり前の話だけれど、思いのほか出来ていないマネージャーがいるので、今日は敢えてそれを文章にしているのである。

演技でOK!

「逃げ腰」というのは部下に伝わる。

自分では「バレていないだろう」と考えていても、必ずそれはバレている。

だからせめて「そこにいる」ことが大事なのである(もちろん「一歩踏み出せれば」最高だ)。

ピンチがあったとしても、嫌な顔をせず、「はいはい。また来ましたね」というような平然とした顔をすること(これは演技だ)。

当たり前のようにその問題を対処すること(心臓はバクバクである)。

そして、何事もなかったかのようにいつもの仕事に戻ること(脇汗ダラダラである)。

それを繰り返していくと、「普段の仕事」が上手く回るようになっていく。

それが僕がいつも言っている「ベースの信頼感」である。

ピンチを活用しよう

マネージャーに対する信頼感が最低限確保されていれば、余計なことを言わなくて済むようになるし、仮に言ったとしても話がスッと通るようになる。

そして、ベースの信頼感を得るために、手っ取り早い方法の1つがピンチを上手く活用することである。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

普段の仕事の中で部下から信頼を得るのは難しいですが、ピンチを経ればそれは容易に行うことができます。

もちろん、ピンチに立ち向かうのは嫌なものですが、その恐怖をグッと堪えて対処していると、部下との関係性に悩むことは少なくなるはずです。

上手にホルモンを押さえつけながら、問題に対処していきましょう。