第一印象を大事にする

まず全員との1on1を行う

新しいチームに着任したら、すぐにやった方が良いのがメンバー全員との1on1だ。

自分自身も新しい仕事に慣れない中で、その時間を捻出するのが難しいのは事実であるけれど、できるだけ早期にやった方が良い。

具体的には、無理やりにでも先にスケジュールを設定してしまうといい。

タイミングとしても、「ちょっと早いかも…」くらいで構わない(というかむしろその方がいい)。

忙しさ具合にもよるけれど、できれば着任した翌週くらいからは着手したい。

そしてその週中か、遅くとも翌週中には終えたい(これでだいたい着任から3週間くらいだ)。

それは余計な先入観を持つ前にやりたいからだ。

何の事前知識もない状態での第一印象を大事にしたいからだ。

まっさらな状態で面談する

自分自身が営業畑の出身だからかもしれないけれど、僕は人と10分も話せば、相手の大体の人となりがわかる。

もちろんパーフェクトに何から何までわかる、ということはなくても、大体の思考系統や行動様式みたいなものはわかる。

その人がどのようなタイプなのかということを類型化できる。

(自画自賛するわけではないが)そしてそれが合っている(ことが多い)。

なので、できるだけ「さら」の状態で、メンバーと面談するようにしている。

過去の経歴などをできるだけ知らない状態(フラットな状態)で接しながら、その人がどういう人なのかを自分の中で構築していく。

地雷ポイントを把握する

重要なのは、「地雷」を嗅ぎ取ることだ。

大抵のメンバーは、マネージャーとの初回面談においては「猫をかぶる」ものだ。

3割増し、5割増し、くらいの「良い人」を演じることが多い。

ただ、こちらも営業のプロであるので、そのくらいの演技では騙されることはない。

むしろ、その奥に潜む地雷を探知することすらできる。

相手のどの部分が「ヤバい」のか、どこにポイントがあるのか、それを自分の五感(第六感も)を通して把握していく。

そしてその地雷が対処すべき種類のものなのか、ある程度許容せざるを得ないものなのか、絶対に避けて通らなければならないものなのか、を吟味する。

そこからチーム構築を始めていく。

第一印象(直感)を大事にする

入手した「一次情報」を用いて、その後のチームの方針を策定していくのだ。

これは自分だけなのかはわからないけれど、僕の場合は、「第一印象」→「第一印象を修正すべきでは? という懐疑」→「やっぱり第一印象通り」という経路を辿ることが多い。

「人は見かけによらない」であるとか、「人は見た目が9割」であるとか、色々な言説があるけれど、僕の場合は最初の印象(直感)を大事にすることが多い。

刑事の勘、というか、営業の勘、みたいなものが最終的には役に立つことが多いような気がする。

前述した「懐疑」の段階においては、「いやいや、第一印象だけで決めつけるのはよくないよな。普段の行動にはそういう懸念は見られないじゃないか」と自分に対してツッコミを入れたりするのだけれど、そこで拙速に動かずにもう少し見守ることをお勧めする(というか、自分に諫めている)。

いずれまた第一印象通りに回帰してくるからだ。

その辺の嗅覚を磨いていくことがチームマネジメントには重要である。

第一印象はチームの雰囲気を判断する時の拠り所になる

何年もマネジメント業務をやっていて思うのは、やっぱり何だかんだ言っても、チームマネジメントの要諦は人間関係である、ということだ。

そして、完璧な状態というのは不可能ではあるけれど、高いレベルに維持することは可能であるので、それを如何にして保つかということに腐心することになる。

メンバーが多くなればなるほど、それぞれの人間関係図は増えていくし、そのバランスを保つのが難しくなっていく(もちろん少なければ少ないで、人間関係が「濃く」なるので、それはそれで面倒だ)。

僕は日常の業務において大したことはやっていないけれど、それでも日々のチームの雰囲気みたいなものについては観察を続けている。

本当に些細なことであっても、チームバランスというのは狂ってしまうからだ。

この辺のテクニカルなことについては、他のブログ記事を参照して頂きたいのだけれど、その調整を続けていくことが高い成果を続けていく為には絶対に必要である。

そしてその時の判断の拠り所となるのが、最初の面談時における印象(第一印象)だ。

表面に囚われずに相手を見抜けるかどうか

当たり前の話だが、人間はどんどんと変わっていく。

1日の中での感情の変化もそうだし、もう少し中期的な思考の変化もある。

そんな様子を見た時に、メンバーの「本質」はどこにあるのか、それをわかっているか否かでは判断の方向性が大きく変わってしまう。

現在見えているものが、メンバーの真の姿ではない場合がある。

それを心に留めておいて欲しい。

もう少し深い話をすると、相手がどのような人間であるかを見抜けるかどうか、というのは職位が上がれば上がるほど重要な資質であるような気が最近はしている。

それは裏返しの話でもあって、短時間で自分がどのような人間であるか(悪い人間ではない)ということを印象付けられるかも同時に重要な要素となる。

その辺の話はまたどこかで。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

人を見かけで判断するのは良くない、とはよく言われることですが、僕の経験では最初の印象が覆る(それも良い方に)ことは殆どありません。

大体が「その通りの人」です。

もちろん人間には様々なバイアスがかかっていて、過信は禁物ではあるのですが、最終的な判断の拠り所になるのは自分の感性しかないので、それを磨くに越したことはない、というように僕は考えています。

本文の最終部にも書きましたが、人を見抜けるかどうか、はある種の職位以上には必ず求められる資質のような気がしています。

まずはメンバーから練習してきましょう。