オンラインとオフライン

リモートワークの限界
コロナウイルスによって、世界(日本)は急速にオンライン化(非対面化)が進んだ。
それは僕の仕事環境においても同様である。
多くの人は、それによって「リモートワークって最高!」と感じているのかもしれないが、僕にとっては、ある種の幻想が剥げて、「リモートワークって限界があるな」というのが実際のところである。
もちろん、従来から無駄だと思っていたものについては、オンラインで十分であることに異論はないし、満員電車での通勤がないという絶大なメリットについてとやかく言うつもりはない。
僕の言う「限界」という意味は、「どうやら僕たちはアナログな動物であって、同じ環境にいて、同じ空気を吸って仕事をしないと分かり合えない部分は残るのだな」ということである。
賛同頂ける人は少ないかもしれないけれど、今日はそんなことを書いていく。
オンライン万能説の幻想
コロナウイルスが拡がる前の世界において、(今から考えると)僕はリモートワークに幻想を抱いていたような気がする。
こんなに無駄な移動や会議なんて、すぐさまオンライン化してしまえばいい。
そうすれば生産性が飛躍的に向上する。
そんな風に考えていた。
でも、実際にそのような環境が現出した時、「どうやらオフラインの無駄とも思える作業も結構大事なのでは?」と思うことになった、というのが今回の話である。
関係性の濃淡によってオンライン化の効果は変わる
元々オフライン環境にあって、ある程度その人となりがわかっている人同士であれば、オンラインというのはとても有効である。
それは(以前にも書いたことであるが)その人の反応というものが、(オンライン環境に比べて得られる情報量が少ない)オフライン環境においても補正されて、的確に伝わるからである。
でも、元々の関係性が「そうでもない」人同士がリモートワークをすると、この辺の補正が働かず、何となくモヤモヤした気持ちになることが多い。
アナログな話をすると、とりあえず対面で話をすれば一発で分かり合えるはずなのに、オンライン上では時間もかかるし、話もうまく通じないし、みたいなことを感じることがとても多いのだ。
連絡と報告はオンラインで十分
もう少し整理をして言うのであれば、「連絡」「報告」めいたものについてはオンライン上で十分であるが、突っ込んだ内容についてはオフラインの方が効果的である、と僕は(現時点では)考えている。
「連絡」「報告」はぶっちゃけメールで十分であるし、それを敢えてビデオ通話(会議)みたいなものにしているのに過ぎない、ちょっと暴論ではあるけれど、そんな風に捉えると僕にはわかりやすいのだ。
これは従来のテクノロジーを持ち出して例えるなら、「電話で済ませる」という感じに近いのかもしれない。
何らかの謝罪、重要な商談、などを電話で済ます、というのは(少なくとも僕にとっては)あり得ない話である。
それを「今はリモートワークの時代なのでオンライン上でやりましょう!」というような感じを受けるのだ。
感覚が古いのだろうか?
そうかもしれない。
そう言えばオンライン飲み会ってありましたね
でもオンライン飲み会が一時的なブームであっという間に消え去ったことを考えると、僕の言っていることもあながち間違いではないのではないだろうか。
僕たちはやっぱり動物で、大事な人と大事な話をする時には同じ空間にいたいと思うものなのだ。
それはオンライン上の会話のタイムラグであるとか、間のズレみたいなものもきっと関係しているのだろう。
もっと通信回線が向上して、現実と空想の境目がなくなったように僕らが感じられるのであれば(MR化?)、そんなことを考える必要はないのかもしれない。
でも今の時点ではそうなのだ。
オンラインはオフラインの上位概念ではない
これは同僚や上司・部下との仕事においても同様だ。
オンラインがオフラインの上位概念であるように以前の僕なら思っていたけれど、現在はそうではない。
ただのツールに過ぎない(当たり前の話ではあるが)。
そこには(当然ながら)限界がある。
何でもかんでも「オンライン万歳!」みたいなことはもう完全に思わなくなってしまった。
同じ環境にいることでしか、同じ空気を吸っていることでしか、わからない部分は残る。
そしてチームで働いている以上、そこが決定的に重要だったりする。
それを考えもなしに、「すべてオンライン化だ!」とやってしまうと、失われるものがあるし、それは存外大きなものである。
部下のメンタル不調の契機がわからないのは結構キツい
もう少し「それっぽい」言葉で言うなら、オンラインでは「プロセスの共有化」に若干の困難性がある、ということなのかもしれない。
そしてここで言う「オンライン」という意味は、どちらかというと「リモート」という概念と近いもので、対義的には同じフロアの中で働くことでしか得られないものがある、ということになるのだろう。
マネージャーの立場から言うと、「メンタル面」でのフォローはオンライン環境になってから劇的に難しくなったと感じている。
それはそのメンタル不調の契機が何なのか、というプロセス部分(予兆・きっかけ・推移)が殆ど見えなくなってしまったからである。
大方の意見とは異なるのかもしれないが、現在の僕はオンラインへの幻想が打ち砕かれて、「まあこんなもんか」というのが実感である。
今後もアナログな部分を織り交ぜながら仕事をしていこうと思う。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
オンライン上級者からすれば、今回の話なんてものは当たり前の話なのかもしれません。
でも僕にとっては結構大事な気付きだったので、敢えて書いてみることにしました。
リモートワークの生産性が高い、という風潮は、従来の職場環境が如何に低生産性であったか、ということを物語っているようにしか、現在の僕には思えません。
きっと従来の職場内において、様々な阻害要因があったのだろうな、と。
それなら、そのオフライン環境をバージョンアップして(そこにはオンラインを上手に混ぜ込むことも必要でしょう)、成果を出せる環境を構築するほうが、現在の通信環境においては手っ取り早いような気がしています。
そしてそれは「成果」を第一義にすれば、ある程度は解決できそうな気もします。
異論は認めます。
高い成果を目指していきましょう。