マネジメント特化=口だけ野郎?
日本社会にはマネジメントに特化した人が少ない
今日の話は僕が初任マネージャーの時に結構悩んだ話である。
マネジメントに特化すると、実際に営業する機会が減って、周囲から「アイツは口だけでなにもしない」という風評を立てられることがある。
ある程度の実績を残し出すと、「そういうやり方もあるのか」と認められるようになるのだけれど、それまでの間は「何もやっていない人」のように見られて、その度に困惑したものである。
これは「日本社会にマネジメントに特化した人が少ないから」だと思っている。
もっと言うと、「マネジメントをきちんとやっている人がほとんどいないから」だと思っている。
「マネジメントに特化したいけれど、周囲からのプレッシャーでなかなかできない」という人には参考になる話かもしれないので、今日はそんなことを書いていく。
暇そうに見せる
マネージャーは暇そうでいい。
これが僕のマネジメント理論である。
「暇そう」というのがミソで、実際に暇であることは殆どないのだけれど、「暇そう」に見せることが大事だと僕は考えている。
そして、暇そうに見せる為には仕事の削減をしなくてはならないし、できるだけ「現場っぽい」仕事を部下に任せるようにしなければならない。
仕組み作りがマネージャーの仕事
仕事の削減をし、現場の仕事を部下に任せると、マネージャーは暇そうになる。
結果として、このように蔑まれることが出てくる。
「アイツは何をやっているのか?」と。
僕はマネージャーの仕事というのは、仕組みづくり、それに尽きると考えている。
もちろん、そうは言っても、日々の細々とした仕事はたくさんある。
でも、本質的な仕事はそれなのだ。
全体の流れを俯瞰的に見ながら、部下が働きやすい環境を構築し、成果を継続的に上げられる仕組みを作ること。
勝率を上げること。
それがマネージャーの仕事である。
陰口と自己懐疑
ただ、それに特化しようすると、様々な陰口を叩かれることになる。
それは部下の場合もあるし、同僚の場合もあるし、上司の場合もある。
特に自分が初任マネージャーで、何の実績もない時には、この批判の声はとても大きくなる。
そして成果が出ないことが続くと、自分ですら「本当に大丈夫なのか?」と思うことになる。
これはなかなかキツい事態である。
実際に何度も僕はこれに直面した。
マネージャーになったのだから、マネジメントをやった方がいい。そうだろう?
マネジメントの難しい所は、ある程度割り切って特化することを続けないと、成果が出ないことである。
中途半端に、「マネジメントごっこ」をやっていても、大した成果はでない。
それこそ僕が普段から言っている「線形の成果」しか出ないのである。
それだったらマネージャーをやっている意味はない。
折角マネージャーになったのだから、マネジメントをやった方がいい。
僕はそのように思うのだけれど、残念ながら日本社会には(僕の会社だけか?)マネジメントにどっぷりと浸かって仕事をしている人は殆どいないのが現状である。
マネジメントを知らない人ほど、偉そうに色んなことを言ってくる
僕からすれば、彼(彼女)らはマネジメントを知らない。
何となく知った顔で色々言ってくるけれど、明らかにマネジメントを知らない。
でも、実績がなければ、それらの戯言を跳ね返すことは難しい。
それが僕の悩みだった。
悔しかったら、マネジメントに特化してみろよ
多くの会社で「マネージャー=プレイングマネージャー」という図式になっていて、そこで働いている人自身も「プレイングマネージャーって無理じゃね?」って思いながらそれを続けざるを得ないのが現状である、僕はそんな風に日本社会を捉えている。
そんな環境の中でマネジメントに特化すると、やっかみも含めて「アイツは何なんだ?」という声が上がる。
自分ではマネジメントに特化する勇気も度胸も実力もないくせに、人が飄々とやっていると、それに対して足を引っ張ろうとする。
イジワル日本社会。
マネジメントに特化する為には、マネジメントに特化すればいい
では、そんな環境の中でマネジメントに特化する為にはどうしたらいいのか?
答えは簡単。
マネジメントに特化すればいい(同語反復)のだ。
「いやいや、そんなことしたら仕事が回らないですよ」
僕はこの反論を何千回も聞いてきた。
それに対する僕の答えはこうだ。
「それで仕事を回る仕組みを作るしかない」
プレイングマネージャーの限界
もっと言うと、やらなくていい仕事を捨てる、ということになると思う。
あれもこれもと考えると、マネージャーが穴を埋めようという思考を持ち続けると、絶対にプレイングマネージャー的な働き方から逃れることはできない。
そしてプレイングマネージャー的な仕事の仕方は、自分の体力という限界値が設定されている。
極論を言えば、あなたは24時間365日以上働くことはできない。
それがプレイングマネージャーの限界である。
でも、マネジメントに特化すれば、それ以上の成果を出すことができる。
綺麗事のように聞こえるかもしれない。
その傾向がないとは言えない。
ただ、本当にマネジメントに特化した経験がない人ばかりの話を聞いていたって、そんなものが参考になるはずがないのだ。
挫折者を踏み越えて、次の世界へ行こう
彼(彼女)らは、僕からすれば挫折者である。
やりたくてもできなかった人達である。
そういう人は放っておいて、次の世界に行こう。
僕らはマネジメントをする。
それで成果を上げる。
もし、成果が上がらなければ、何倍もの批判を受ける覚悟だ。
でもそんな心配はいらない。
成果は出るから。
というか、それが僕らの仕事であるのだから。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
今日の話は僕がマネージャーになって1番悩んだことかもしれません。
先達がいない中で、マネジメントに特化することをやった結果、僕はたくさんの誹謗中傷を浴びてきました。
その中には至極真っ当なものもあり、その度に何度も挫けそうになったものです。
孤軍奮闘・四面楚歌の状況の中で、それでも僕がマネジメントに特化することを続けられたのは、ひとえに部下からの信頼があったからだと思っています。
彼(彼女)らにきちんと向き合うと、彼(彼女)らはきちんと応えてくれます。
部下の為にも、成果を出していきましょう。