1つのことだけやらせる

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マネジメントとは削減することだ

チームの業績が芳しくない。

メンバーの質も揃っていない。

でも、上司からは高い成果を求められている。

そんな状況の中でまず何から手を付けたらいいのか?

「マネジメントとは削減することだ」

僕は(もう7、8年)そう言い続けている。

そんな僕がアドバイスをするとしたら、まずは1つのことだけに集中してみたらどうか、ということである。

削減し、削減し、その結果残ったもの。

そのエッセンスとも言えるものを、徹底的にやることから始めたらどうか?

今日はそんな話である。

逆張りで行こう

「多くのマネージャーは、全方位的かつ五月雨式に色々なものをやり過ぎである」

これが僕がマネジメントという仕事をやってわかったことの1つである。

裏を返せば、全方位的かつ五月雨式にやる(やらせる)ことをやめれば、凡百のマネージャーよりも圧倒的に優位な立場に立てる。

そして、それはそんなに難しいことではない。

それが出来れば苦労はしない

世の中にはマネジメントに関する書籍や動画やその他諸々がたくさんある(このブログもその1つだ)。

僕もマネージャーの端くれなので、それらについては全部とは言えないまでも、それなりに目を通しているつもりである。

ただ、その度に思うのは、「確かにそれができれば苦労はないんだけどなあ…」ということである。

言っていること(書いてあること)は間違ってはいない。

でも、それができないから皆悩んでいるのである。

出来なくても落ち込む必要はない

そしてそこから導かれる感情として、自己評価の下落というか、自信喪失というか、ネガティブな方向に向かってしまうことがあるような気がしている。

「他のマネージャーはできているようなことが、なぜ自分にはできないのか?」

そう悩んでしまっている人が本当に多い。

断言する。

そんなことはない。

というか、それらの本に書いてあることができている人は多くないし(殆どいないし)、できないことを嘆く必要もない。

それよりも、まずできること、それも労力やスキルがそこまで求められないものから始めることを僕はお勧めしたい。

一足飛びでスーパーなマネージャーになれる訳ではないし、そもそもスーパーなマネージャーなんて殆どいない。

だからありもしない幻想と自分を比べて、ガッカリする必要はない。

それが僕が言いたいことである。

マネジメントによる成果を認識する為の指標を

さて、本題に戻る。

「マネジメントの成果を測る為に、それも自分自身のマネジメントによる成果を認識する為に、何か1つの指標を自分に設けたらいい」

僕はそう考えている。

というのも、マネジメントというのは評価が非常に曖昧なものであるからだ。

高い成果が仮に出たとしても、それがマネジメントの成果によるものなのか、単なる運によるものなのか、判然としないのがこの仕事である。

それは自分自身もそうだし、他者もそうだ。

そして逆も然りである。

成果が出ない原因が、マネジメント不足によるものなのか、それ以外の要因なのかというのが非常にわかりづらいのがこの仕事であり、どんなにマネジメントを適切に行ったとしても、成果が出ない場合もある。

ただ、それを他者は適切に評価できない。

何でもかんでも「お前が悪い!」と一刀両断されてしまう。

なら、せめて自分だけは自分のマネジメントを評価する指標(目安)みたいなものを設けておいた方が、精神衛生上も良いというのが僕からのアドバイスである。

そしてその指標として分かり易いのが、1つのことだけやらせる(それも自分の中ではエッセンスだと思うもの)ということである。

努力で達成できるものを

もう少し言うなら、それは努力によって達成できるような種類のものが良い。

もちろん成果に直結するものであれば最高であるが、多くの場合、それもチームの状況が芳しくない場合、そこに一足飛びで行けるほどマネジメントの世界は甘くない。

でも、最低限これだけはやらないと、成果が上がらないことが明白であるものはある。

例えば営業という仕事であれば、「顧客と接点を取る」という項目である。

毎日同じことをやらせ続ける為には?

営業において、顧客と接点を取らずに成果が上がることはない(インバウンドであれアウトバウンドであれ)。

何らかの仕掛けを繰り返すことで、営業というのは成果が上がってくる。

どんなに低いハードルのものでさえ、毎日繰り返すことがとても重要なのだ。

でも、この繰り返しの作業ができる営業マンはそう多くない。

だから、成果が上がるかどうかは取り敢えず脇に置いておいて、顧客と接点を取るように努力することを毎日続けさせることがマネジメントの1つの成果となる訳だ。

それもただ「やれ!」と叫んだところで、やってもらえるわけではない。

どうやったら自分が考える最低限の顧客接点件数を達成できるか、それも長く継続できるかをマネージしていくことが大事なのである。

成果が出なくても、自分が納得できることはある

もちろん、毎日顧客と接点を取ったからと言って、営業成績が上がる訳ではない。

会社なり、上司はそこでしか評価をしてくれないのも事実である。

でも、せめて自分だけは、それを評価してあげるべきなのである。

「これだけはやろう」と言って部下がその通りに動いてくれた時、これほどありがたいものはない。

その状態を作るべく、今日もまた仕事をしていくのだ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

マネジメントとは削減することです。

少なくとも追加することではない。

これがわかっているか否かで、成果というのは大幅に変わってきます。

そしてその究極系が、1つのことだけやらせてみる、ということです。

何をやってもダメな場合、どうやっても成果が出なさそうな場合、一切のことを捨てて1つのことに集中してみましょう。

すると不思議なことに、それ以外のことも良くなっていきます。

でもこれができる人は本当に少ない。

恐怖に打ち勝ち、どんどん捨てていきましょう。