管理職は罰ゲーム?

UnsplashMarkus Spiskeが撮影した写真

気持ちはわかり過ぎるほどわかるが…

管理職は罰ゲームなのか否か。

タイトルにクエスチョンマークが付いているように、僕は必ずしも罰ゲームとは言い切れないのではないかと思っている。

もちろん、気持ちはよくわかる。

わかり過ぎるほどわかる、と言っても過言ではないかもしれない。

それくらい管理職というのは大変な仕事である。

そして実利(実益)も(ほとんど)ない。

コスパなんてものを考えた日には、もうやっていられない。

それが議論の大前提ではある。

でも、だからと言って、罰ゲームと言うほどのものなのだろうか、とは思うのだ。

もちろん、ここには「僕が現在管理職であるから、それを肯定したい(そうでないと自分を否定することに繋がるから)」という気持ちがないとは言い切れない。

ただ、罰ゲームだと言い切って、スッキリして、それで終わらせる、というのもやや乱暴なのではないのか、とも思うのである。

そんなよくわからない状態ではあるけれど、とりあえず話を始めていこう。

管理職になるにあたっての2つの疑問

「会社の中で処遇を上げるには、管理職になるしかない」

これは現在は変わってきつつあるとはいえ、大方の会社では「まあそうだよね」と思って貰える言説なのではないかと僕は思っている。

ここで難しいのは、「では、果たして処遇を上げることに意味があるのだろうか?」ということと「上がった処遇と、その分増える負荷を足し引きすると、マイナスになるのではないか」と思う人が増えてきている、ということだと思う。

貰えるなら貰っておいた方がいい

まずは1つ目の話から。

「処遇を上げることに意味があるかどうか」という問いにおいては、「意味がある」と僕は思う。

それは多くの訳知り顔のおじさんたちが言うような「偉くなれば、裁量が増え、出来ることが増えるぞ!」という話ではなく、単純に多くのカネが貰えるようになる、という意味においてである。

貰えるものなら、貰っておいた方がいい。

それが単純ではあるが、僕が思うことである。

もちろん、ここには年収と幸福度は必ずしも比例する訳ではないという議論や、年収800万円くらいで幸福度は頭打ちになるというような議論も関係してくるだろう。

ただ、そこまで深く考えなくとも、単純に多く貰えた方がいいよね、と僕は思うのである。

そしてここまでの議論においては、そこまで異論がないとも思うのだ。

難しいのはここからである。

管理職はコスパ悪い

2つ目の話。

「管理職になって上がる処遇と、増える負荷の、収支がマイナス」という話である。

これはその通りだと僕も思う。

管理職は割に合わない。

コスパが悪すぎる。

責任は増えるし、労働時間は増えるし、残業代が出ない会社もあるし、休日だってあってないような感じになるし、まあ酷いものである。

そういう意味では、僕は管理職になることにメリットはない、と思ってはいる。

ただ、同時にこうも思うのである。

それ以外の道って、それはそれでどうなのだろうか、と。

若いうちはいいけれど…

僕は営業畑の人間である。

マネージャーになる直前、それなりに営業成績も良くて、このままプレイヤーとして稼いでいきたいなと思っていた。

そして、それはある程度実現可能だとも思っていた。

ある程度の年齢までは。

そうなのだ。

ここに僕は「それ以外の道」に対する不信感がある。

自分の意欲が高く、体も動き、ある程度の若さを保っていれば、営業のプレイヤーとして生きるのはとても楽しそうだ。

でも、それ以降はどうなのだろう。

少なくとも僕の会社では、「過去の名プレイヤーたち」が閑職に追いやられ、若手営業マンの補助業務みたいなことをやらされている。

もっと言えば、年下の上司(例えば僕のような人間)から、「今月の数字はどうなんだ!」と詰められたりもしている。

それはそれでキツい。

それが僕が思うことである。

中年の危機

もちろん、それすらも凌駕するくらい、スーパーなプレイヤーで居続けられる可能性もなくはないだろう。

でも、どうもその可能性は低そうだ。

どこかのタイミングで、中年の危機を迎え、モチベーションは下降線を辿るようになるだろう。

定時に帰って、副業で稼ぐという話

「いやいや、そうじゃないんですよ。責任のないポジションにいて、定時に帰って、副業で稼ぐのが今の時代のトレンドですよ」

そのような声が聞こえてくる。

そうなのだろうか?

確かに言っていることはわからなくはない。

というか、そのような働き方に憧れすらあるくらいだ。

でも、それって実現可能なのだろうか?

もちろん、ずば抜けた才能(能力)があれば可能だと僕は思う。

ただ、そんなに簡単でもないではないか、僕はそう思うのである。

副業のコスパってどうなの?

副業という言葉は魅力的な言葉ではある。

でも、それだって労働であることに変わりはない。

そして、その労働だってコスパを問われるのではないか?(もしそのロジックなら)

内職的な仕事は別として、個人でビジネスをやるというのは、それなりに責任を伴うものになるはずだ。

会社というものがない分、正面から食らう(食らわざるを得なくなる)というか(付加価値を出せなければ、長く続けることは不可能であるだろうし)。

結論は出ないけれど

僕は管理職は割に合わないとは思っている。

でも、必ずしも罰ゲームとまでは言えないのではないかとも思っている。

そこに肯定的な意味合いはない。

管理職以外の方法で、何らかのルートがあるなら、飛びつきたいという気持ちはずっと保持している。

ただ残念ながら、それ以外のルートもなかなか険しいのではないか?

僕はそう思うのである。

何だかまとまりのない話になった。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

書き出したは良いものの、着地点がよくわからず、微妙な結論になってしまいました。

ただ、読み返してみても、「じゃあどうしたらいいんだい?」「管理職以外のルートって何かあるのかい?」と思ってしまうのも事実です。

確かに、定時に帰り副業で稼ぐ(それも気楽に)という選択肢もアリだとは思います。

でも、何となく違うんだよな、と僕は考えています。

その「何となく」の正体についてもう少し考えて、またどこかでリベンジしたいと思っています。

引き続き(呆れずに)お付き合い頂けたら幸いです。