マネジメントはタダじゃない

Unsplash戸山 神奈が撮影した写真

プレイヤーの仕事をブーストしたり、アップデートしたりする機能

今日は、以前書いた「適正化主義」という概念をもう少し進めてみようと考えている。

適正化主義というのは、僕が考えた造語で、それも固まった概念でもなくて、成果主義という言葉が手垢に塗れてしまっていることに対して、何らかの別の言葉があった方が説明がしやすいよなと思って咄嗟に出したワードである。

意味としては、正直者が馬鹿を見ないというか、成果を出している人に適正に給与を与える方向に進んでいったらいいのにな、そういう方向に進むべきだよな、というものである(当然ながら、ここには現状が適正ではないという考えが含まれている)。

もちろん、成果とは何かであるとか、それを誰がどのように判定するのかという細部に拘ればキリがないのだけれど、そこまで煮詰めた議論ではなくて、ザックリそういう方向に進んだ方が今よりはいいよね、くらいの感覚である。

だからあまり青筋を立てずに聞いて欲しい。

ただ、そうは言っても、すぐに処遇が是正される訳ではないし、そういう方向に進むべきだとは思っていても現状は何も変わらない中で、何かできることはないのだろうか、というのが今日の話に繋がっていく。

それが「マネジメントはタダじゃない」ということである。

芸能人にマネージャーが付くように、テニスプレーヤーにコーチが付くように、マネジメントという仕事には、プレイヤーの仕事をブーストしたり、アップグレードしたりする機能が含まれている。

それをある種の人には与え、ある種の人には与えない(もしくは減らす)というのはどうだろうか、というのが今日の話の骨子である。

意味が分からないかもしれないけれど、取り敢えず始めていこう。

能力が拡張するイメージ

なぜ芸能人にマネージャーが付くのか?

なぜテニスプレーヤーはコーチを雇うのか?

この辺の疑問が、マネジメントというものの本質を理解するヒントになるのではないか?

僕はそんなことを考えている。

ビジネスにおけるマネジメントは、「管理」という側面に重きが置かれている(ように感じる)けれど、僕はもう少しプロデュース的な側面というか、能力を付加するという側面を最近は意識している。

AIを実装することによって人類の能力が拡張するように、マネージャーが傍にいることによって部下の能力が拡張するようなイメージ。

それは明らかに「管理」とは異なるものだ。

エフェクター内蔵型アンプ

僕たちマネージャーがいることによって、仕事がし易くなったり、その能力が発揮されたりすることの側面を、もう少し意識しても良いのではないか、と僕は考えている。

それは他者に対してもそうだし、僕たち自身に対してもそうだ。

音楽的な概念に置き換えるなら、アンプのようなイメージを僕は今マネジメントに対して持っている。

部下から発せられる様々な電気信号。

その性質や特性を活かしながら増幅させるマネージャー。

そこにはもしかしたらエフェクター的(もしくはイコライザー的)な要素もあるのかもしれない。

エフェクター内蔵型アンプ。

それが僕が最近考えていることである。

マネジメントに偏りを

そして、それが今回のテーマでもある適正化主義にも繋がってくる。

僕はある部下にはマネジメントをし、ある部下にはマネジメントをしない(減らす)ということがもう少し認められてもいいのではないか、と考えている。

ラディカルな考え方だ。

そして、批判も巻き起こりそうだ。

それは公平ではないし、機会均等でもないから。

でも、どの部下に対しても一様に質の高いマネジメントをすることが本当に良いことなのだろうか、と思ってしまっているのも事実である。

今までの僕はそれが良いと思ってきた。

実践もしてきた。

しかしながら、それが働かない人を生み、努力しない人を助長しているという側面もあるのでは?

その片棒を担いでしまっているのでは?

そんなことを考えているのだ。

ゲリラ・適正化主義

僕はバレない範囲で、見つからないように、今この「マネジメント適正化主義」というものを始めている。

それは贔屓であり、もしかしたら差別と言われるものなのかもしれない。

でも、マネジメントはタダではないのだ。

そして、我々のリソースは有限でもある。

それなら、努力を続ける者、高みを目指そうとする者により注力したいと思うのは当然のことなのではないか?

部下に参謀が付くように、秘書が付くように、その仕事を効率的にサポートしていくことは、成果の向上に繋がるはずだ。

結果として、成果を出している人に多くの処遇が向かうような方向に(中長期的にはなるかもしれないが)進んでいくはずだ。

そんなことを今僕は考えている。

ブースターとしてのマネジメント

どうしようもない人をどうにかすることにリソースを割くのに疲れてしまった。

そして、それを言うことすらタブーである状態に嫌気がさしてしまった。

だから、大っぴらにやる訳ではなく、ゲリラ的に僕はそのように仕事をしていこうと思っている。

僕は部下に「売れてもらいたい」と思っているし、「勝ち進んで欲しい」と思っている。

そのように彼(彼女)らの仕事をブーストしていたいと考えている。

変な話になった。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

今回の話は試論的な意味合いが強いですが、個人的には結構良く書けたな(もしくは、そこまで悪くないのではないか)、と思っています。

というのは、マネジメントという仕事には、プロデューサー的な側面ブースター的な側面があるということ、それを進めていくことが我々の仕事においても重要なのではないか、ということを改めて意識することができたからです。

僕たちの仕事は、部下の能力を拡張すること。

チームをアップデートすること。

その為のアンプ。

イコライザーやエフェクター。

そんなイメージが僕の中で整理されたような気がします。

多くの方には意味がわからないかもしれないですが、呆れずに引き続き読んで頂けたら幸いです。