面倒な部下にどう対応するか?
面倒な部下がいる状態をデフォルトとしてチームマネジメントを行う
あなたのチームに面倒な部下はいないだろうか?
この質問は愚問かもしれない。
どのチームにも面倒な部下はいるからだ。
体感的には10人の課であれば、1人か2人は本当に面倒なやつであることが多い。
(ここで言う「面倒」というのには色々なタイプがあるが、とりあえず「チームにとって悪影響が大きい」という風に定義しておこうと思う)
そして、他の8人(9人)はこの面倒な人のせいで生産性が落ちている。
更に悪いことに、マネージャーの上司(部長や社長)はこのことに気付いていないことが多い。
「いや彼(彼女)でしょ? よくやっているよね」みたいな反応であることが多い。
おいおい、ちょっと待ってよ、とこちらは思うことになるのだけれど、僕の経験ではそれがデフォルトだ。
そのことを嘆いていても仕方がない。
そういう面倒な人がチームにいて、そして上司はそれを理解していない、という状態の中でチームマネジメントを行う。そして結果を出さなくてはならない。
つくづくマネージャーというものが嫌になる。
チームの中心人物は往々にして「人間的にダメ」
愚痴ばかり言っていても仕方がないので、ではどうするか、という話に移る。
往々にして、こういうタイプは仕事面での実績を上げていることが多い。
僕の場合であれば、営業の数字(売上等)が高いということが多い。
そして他のメンバーは、この面倒な人ほどの実績が上がっていない。
もし、この面倒な人よりも実績が高い人がいるのであれば、その人を中心にチーム作りをすればいいので、多少マネジメントは楽になると思う。
でも今回の事例は、チームの中心(エース?)が「人間的にダメ」という場合だ。
こういう人は平気で他のメンバーの客を奪ったり、それを隠していたり、他の課に迷惑をかけていたり、お客さんを怒らせていたり、そんなことを日常的に起こしている。
マネージャーが感度の低い人であれば、これに気付くことは少ない。というのは、こういう人はそれを上司に見つからないようにやることが多いからだ。
当然ながら、マネージャーのさらに上司が気付くことは滅多にない。
こういう事象は1つ1つは大したことがなくても、チームの士気(もっと言えば課を超えて部の士気)を確実に下げる。
そして他のメンバーは何も対処しようとしないマネージャーに対してその不満の矛先をぶつけてくる。
マネージャーはこの面倒な人と他のメンバーの間に立たされることになる。
実力でわからせる
その時にどのように対処するか?
僕の場合は、「営業の実力差でわからせる」という方法を取ることが多い。
もう少し詳しく説明する。
営業の世界では、他人を評価する物差しとして「営業ができるかできないか」ということが非常に大きな影響を及ぼす。
上司であっても営業ができなければ下に見られる。
これは厳然たる事実だと思う。
もちろん面従腹背ではあると思うものの、最終的に「この人には勝てないな」と思わせておくことが凄く効いてくる、と僕は考えている。
平たい言葉で言うのであれば、「舐められない」ということに置き換えられるかもしれない。
サル山のサルのように、ボスは実力でそういう奴をねじ伏せておかなければならない。
生身の力というか、野生の力というか。
これができなければ、マネージャーが何を言ったところで、歯向かってくることが多い。
こういう前提がある中で、その人に対して厳然と注意を行う。
あくまで冷静に、論理的に。
でも歯向かってきたらただじゃおかないからなというトーンで。
これでまず表面上は黙らせることができる。
面倒な部下が面倒であることを理解してもらう
次の展開は、それを不満に思った面倒な奴が、何も知らないであろうマネージャーの上司に告げ口をして、マネージャーを追い落とそうとする、という形になることが多い。
そういう狡い性質をこういう人は必ず持っている。
それを防ぐことは難しい。
そして別室にマネージャーは呼び出されることになる。
「あんなこと言っていたぞ。もう少しうまくやってくれよ」というような感じで。
マネージャーになりたての僕であれば、ここでかなりのダメージを受けていたけれど、今はこう切り返すことが多い。
「まあ、そう言うのはいつものことなので。あいつは確かに仕事はできるかもしれないですが、人間的にはかなりどうしようもないと思いますよ。それはあくまでも僕側の意見なので、他のメンバーにも聞いてみてくださいよ。それで迷惑を被っている人もたくさんいるはずです。僕はマネージャーとしてチームで実績を上げることを最優先に考えています。それが気に食わないのなら、代えて頂いて構いません」
と、こんなに強い口調ではないものの、ニュアンスとしてはこういうことを申し上げる。
これは偽りざる僕の本心だ。
正直言って出世にそんなに重きを置いていないので、僕の処遇など好きにすれば良いと思っているし、有無を言わせないくらいの実績を出しているので、それで代えられるのであればそれで構わない、見る目がない奴だ、というくらい僕は開き直っている。
実際にはその上司も馬鹿ではないので、他のメンバーに聞き込みを行い、僕が言っていることが正しいということが証明される。
すると、その上司もマネージャー側に立ってくれるようになる。
結果的に、その面倒な奴は余計に孤立することになる。
相手もなかなかなので、この雰囲気(マネージャーがその上司ともツーカーである)が伝わると、今度は途端に迎合してくる。
僕も大人なので、その場合は矛を収める。
これでしばらくは大丈夫だ(こういう面倒な人はまた落ち着いたころに問題を起こすので、これを永遠に繰り返すだけだ)。
書いていて嫌になるけれど、これが大抵のマネージャーの仕事の内容だと思う。
人間関係は本当に面倒くさい。
でもそれを飲み込んで、その中で結果を出さなくてはならない。
時にはマネージャー同士(同志)で愚痴でも言い合いたいものだ。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
パワハラという言葉が世間的に浸透した結果、逆パワハラが罷り通るようになってきているように感じています。
というか、権利ばかりを主張して義務を負わない子供のような大人が増えているように感じています。
そういう人達に対して会社は弱腰なままで、特に対処をすることはありません。
結果的にマネージャーは「社会人としてどうなのか」というような人達と最前線で向かい合わなければなりません。
何ともくたびれる仕事です。
こういう害悪でしかない人達を排除できれば、生産性はもっと上がるはずですが、現状ではそれも難しそうです。
怒りを抑えて、淡々と成果を出していきましょう。