令和な部下の育て方

UnsplashEduardo Barriosが撮影した写真

新人の雰囲気の変化

年々新人との歳の差が開いていく。

まあ当たり前の話だ。

僕は1歳歳を取るが、彼(彼女)らは新人の歳で入ってくるから。

そして、その度に思う。

新人の雰囲気ってだいぶ変わってきたなあ、と。

世間的な言い方をすると、彼(彼女)らはZ世代に属する。

また、そこで言われている特徴というのもご存知の通りである。

さて。

そんな「令和な部下」を育てる為にはどうしたらいいのだろうか?

今日はそんなことを書いていこうと思っている。

それでは始めていこう。

「令和な部下」の特徴

「平成な部下」と比べると、「令和な部下」はより保守的である。

そんなことを感じる。

保守的というのは言葉通りの意味で、「無理をしたくない」とか「失敗したくない」とかそのような傾向を感じる。

出世や昇進にもそこまで興味はなさそうだ。

そして、コミュニティ内での評価をとても気にする傾向にあるように思う。

これは良いように言えば、「輪を乱さない」ということになるし、悪く言えば「気にし過ぎ」ということになる。

争いごとや衝突を避け、自分の価値観を大切にしている。

タイパ思考が強く(これは「平成な部下」も一緒かもしれない)、承認欲求も強め(これも同様だ)である。

また、「正しさ」への感度が高いようにも思う。

不正義や不公平、そういったものへの嫌悪感・忌避感もこれまでの世代と比べると強めであるように感じる。

これらが僕が考える「令和な部下」の特徴である。

対話しようぜ

では、そんな部下を育てる為にはどうしたらいいのだろうか?

僕は「対話」だと思っている。

それも丁寧な対話が必要であると考えている。

「これくらい言わなくてもわかるだろう」という考えは捨てて、「自分としては丁寧過ぎると感じるレベル」から話をしていく。

そうやってまずはこちら側のことを理解して貰うことが重要であるように感じている。

一歩踏み込むために

これは「令和な部下」に限った話ではないけれど、自分よりも年上の人達と接した経験がある人が年々少なくなってきているように思うからだ。

彼(彼女)らと話をしていると、年上(それもおじさん)とのコミュニケーションにおいて、どこまで自分を開示していいのかわかっていないように感じる。

もちろん、表面的な印象は良い。

彼(彼女)らはそつなく振舞うことができる。

ただ、そこから「育てる」というフェーズに入った時、踏み込みが必要な時、そのメッキみたいなものが剥がれ落ちそうになる。

拒絶という程ではないが、戸惑いのようなものは垣間見える。

それを乗り越えるためには、相互理解というか、まずはこちらのことを知ってもらうことが必要であるような気がするのだ。

そして、それまでの世代と比べ、一旦こちらが悪い人間ではないことがわかると、その後の展開はスムーズであるようにも感じている。

自己開示を

先程も書いたように、彼(彼女)らは「正しさ」への感度が高く、ある程度距離を詰めていくと、こちらの人間性みたいなものも的確に捉えてくる。

だから、こちら側も小手先のスキルを使うのではなく、その人そのままの状態で向き合う必要がある。

「会社がこう言っているから」とか「今まではこうなっているから」とか、そういう口ぶりで話をするのではなく、「自分はどう考えているのか」ということを織り交ぜて話をすること。

それも型通りの話し方ではなく、淀みながらでも構わないから、自分の言葉で伝えること。

それが大事だと思うのだ。

人間性で勝負する

そういう意味で捉えるなら、世間慣れしていないことは長所であるとも言える。

「素直に吸収できる」と、僕は彼(彼女)らと接していて思うから。

ただ、そこに至るには、最初にある壁(それなりに高い壁)を超えなければならない。

そして、その為には従前のような権威に頼ったコミュニケーションをするのではなく、個として向き合うこと自分の人間性で勝負すること、それが大事だと僕は思うのである。

また、それを実現する為の方法として「対話」を僕はお勧めする。

いつも言う「1on1」を継続的にやればいい。

これで大体のことは解決できるはずである。

アプローチ方法の違い

表現が難しいけれど、「言葉で言わなくてもわかるだろ」であるとか「察しろよ」というような昭和時代のコミュニケーション・スタイルというのは、令和の時代にはもう通用しない。

それはどちらが良いとか悪いとかそういう次元の話ではなく、もう「そうなってしまった」のである。

だから、マネジメントを機能させたいなら、させたいと思うなら、それに合わせた育成方法を取るしかない。

そして、それは別に妥協ではないし、阿りでもない。

単純にアプローチ方法の違いだけである。

それをきちんと理解すること。

そうすれば彼(彼女)らが考えていることがよくわかるようになるし、こちらの意図もストレートに伝わるようになる。

部下を育てるのはいつの時代も大変だ

確かに時間はかかる。

体力もかかる。

でも、部下を育てるって、「令和」に限らずそういうことなのではないか?

僕はそのように思うのである。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

ちょっと本文とは脱線しますが、「部下育成」が以前よりも軽んじられているように僕は感じています。

というか、人材が簡単に流動化するので、会社もそこにいる人たちも、あまり重きを置いていないというか。

まあ気持ちはわかります。

(ハラスメント等の)リスクもそれなりにありますし。

でも、日本全体がもしそうなっているとするなら、それはそれでやっぱりマズいのでは? とも思っています。

「部下は育たないもの」ではあります。

「でも諦めてはいけないのでは?」

普段言っていることと矛盾もありますが、僕はそのように考えています。

大変ですが、部下と向き合っていきましょう。