上司代行業なるものがあるらしいぞ?

管理職が罰ゲームである時代に
ネット記事で「上司代行業」なるものが取り上げられていた。
それによると、「管理職の成り手不足に悩む企業が増えており、上司をサポートする人材を外部からの人材紹介で補うケースもある」とのことであった。
これを読んで、「ここまで来たのか…」と僕は唸ることとなった。
このブログで何度か書いているように、「管理職は罰ゲーム」であることは確かだ。
若手を中心に管理職になりたがらない人が増えているのも頷ける。
そして、実際になったとしても、様々な問題が間断なく押し寄せ、ハイプレッシャーも相まって押しつぶされてしまう、それもよくわかる(メンターとなる人もいないし)。
そこでこの上司代行だ。
外部のプロフェッショナルが一時的に管理職を代行し、社員育成や業務支援を行うサービス。
それによってリーダー育成を支援していくという考え方。
今日はそれに対する僕なりの意見を書いていこうと考えている。
それでは始めていこう。
需要ありそう!
僕が最初に感じたのは「これは確かに需要があるだろうな」ということである。
というのも、実際に僕も10年近くマネジメントという仕事をしているけれど、若手マネージャーから同様の相談を受けることがそれなりにあるからである。
そして、自分のことを振り返っても、そのような人がいてくれたら、駆け出しの時にもう少し上手くやれたのではないか、とも思うからである。
恒常的マネジメント不足というループ
残念ながら、現在「管理職」と呼ばれる人たちの大多数は、マネジメントが出来ておらず、またその自覚もない。
だから、社内でメンターを探すのは不可能と言っても過言ではない。
マネジメントを教えられるマネージャーがいないことによる、マネジメント人材の教育機会不足と、恒常的マネジメント不足という永遠のループ。
そこから抜け出す為には、確かに外部の力を借りるしかないのかもしれない。
プロマネジメント人材の不足が日本の生産性向上を妨げている
これは僕がこのブログを立ち上げた時の問題意識にも通じる。
「日本にはプロマネジメント人材が圧倒的に不足しており、それが日本の生産性向上を妨げている」
やや風呂敷を広げ過ぎなきらいはあるけれど、僕はそのような問題意識を基に、少しでも日本にマネジメント人材が増えることを願って、このブログを立ち上げたのである。
ただ、5年を経た今も、現状は変わっていないように思われる。
というか、むしろ状況は悪化していると言えるのかもしれない。
マネージャーの業務内容は更に複雑化し、そこにコンプライアンスであるとかハラスメント対応であるとかポリコレであるとかLGBTQであるとか、そのような多種多様な概念が乗っかり、最近ではジョブ・ディスクリプションのような話も普遍化してきている。
そんな中で、ある種丸腰状態の若手マネージャーが、全方位に適切に対応するなんてことは夢物語に近い話である。
人事施策の失敗
そこでこの上司代行業だ。
「プロマネジメント人材が社内のマネジメント人材の育成を支援し、それが再生産されるような流れを作っていく」
そして、その起点作りの為には外部からの刺激が必要である(というかそれしか方法がない)、という考え方にも僕は賛成である。
ただ、である。
「それってやっぱりおかしくないか?」とも思うのである。
というか、「人事部は何をやっていたんだ?」と僕は思ってしまう。
でも、彼(彼女)らはその「失政」を認めようとはしないだろう。
個人の努力に頼り過ぎでは?
マネジメント人材の不足は、マネジメント人材を大切にしてこなかったことに起因する。
そこにはマネジメントに対する理解不足が底流にあると僕は考えている。
そこが変わらない限り、マネジメント人材が定着化し、その良い循環が続いていくことは難しいのではないかと思ってしまう。
上司代行が仮に上手くいき、マネージャーが独り立ちできるくらい成長したとしても、その人を適切に保護していかなければ(そしてそれが一定規模の人数とならなければ)、また元の木阿弥になってしまう。
ただ、そのような危機感はあまり感じられない。
マネージャー業が困難であるその要因を取り除く方向に進んでいるようには感じられず、「個々人のマンパワーで頑張れ」という従来からの流れが継続しているという印象も拭えない。
もっと言えば、そのような「マネジメント人材の芽」を潰そうとするような上司もたくさんいる(残存している)のではないか、とすら思ってしまう。
大事なことは、マネジメント人材を育てることもそうだけれど、旧態依然の考えしか持てない「自称マネージャー」達の一掃なのではないか?
ややラディカルな考え方だとは思うけれど、僕はそのように考えている。
閉塞感をぶち破る為のマネジメント改革
「オールド○○」みたいなことが昨今ではよく言われる。
この考え方を鵜呑みにはできないし、するべきではないとは思うものの、そう言いたくもなるよなという気持ちは僕にもよく理解できる。
日本社会の閉塞感。
それを打破するためのマネジメント改革。
僕も微力ながらこのブログを通じてそれをやっていきたいと考えている。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
マネージャー達がクソすぎ。
自分のことを棚に上げてそんなことを思います。
どうやらこの国ではちょっとやそっとのハラスメントでは罰を受けないようです。
そういう奴らを一掃したい。
その為には力を付けるしかない。
圧倒的な成果の差を見せつけるしかない。
僕はそうやって仕事をやってきましたし、これからもやっていくつもりです。
仲間に加わって頂けたら幸いです。