ほどほどに働く

UnsplashNick Morrisonが撮影した写真

中年の危機

自分が中年になったからか、何となく自分の行く末が見えてきたからか、それはよくわからないけれど、仕事に対する興味が以前よりも薄れてきたように思う。

言ってみれば、中年の危機である。

いや、そんなこともないのかもしれない。

考えてみれば、僕は入社した時だって似たようなことを感じていたような気がしている。

今でこそFIRE論というのは普遍的な考え方になってきたけれど、当時の世の中は全くそんなことはなくて、そのような環境下においても僕は資産運用を始め、「これで生活できるようになったらなあ…」というようなことを夢想するような青年であった。

そういう意味では、僕自身は今も昔も大して変わっていないのかもしれない。

そんな僕が今改めて思うのは、ほどほどに働くことの重要性である。

僕は仕事が好きである。

ただ、出世や昇進にはあまり興味がない。

そして、そのような考え方というのはある意味では現代的(令和的)であると言えなくもないような気がしている。

今日はそんな話だ。

それでは始めていこう。

仕事をしない訳ではないが、ガムシャラになるほどでもない

「静かな退職」という言葉が一時期話題になり、ある程度定着化してきたように思う。

僕はこの言葉の意味を十分には理解していないけれど、言わんとしていることは何となくはわかる。

別に仕事をしない訳ではないのだけれど、ガムシャラにやる訳でもないよね、というようなスタンスとして僕はこの言葉を捉えている。

そういう意味では、巷で使われているこの言葉よりは、僕の方が前向きだと言えるのかもしれない。

少なくとも、僕は仕事自体で楽しもうと努力しているし、努力すべきであるとも思っている。

それはそうでもしないと、仕事という人生における大量の時間を無駄に使ってしまうような気がしているからである。

ただ、だからと言って、そこに全精力を傾けたり、誰かを押しのけたりする必要まではないのではないかとも思っている。

そのような思考の流れから、「静かな退職」ではなく、「ほどほどに働く」というのが今日のタイトルになっているのである。

管理職を経験しなければ、給料は上がらない

働くことに関する悩みは多い。

そして、それは管理職になればより深まるような気がしている。

管理職という仕事に、多くの若者たちがなりたくないと願うのは、マスコミが面白おかしく騒ぎ立てるようなトピックではないと僕は考えている。

たぶん今管理職として働いている人だって好き好んで管理職という仕事をしている訳ではないはずだ。

できるなら管理職ではない働き方をしたいと考えている人だって相当数いるように思う。

不思議なことに(と僕は思うのだけれど)、会社員として働いていく上で高給を得ようとするなら、どうしたって管理職という業務を経なければならない。

それは人類の知恵というか、歴史というか、そういう抗えない種類のもののような気さえする。

管理職を経ないで高給を取る方法があるならそれを目指したいけれど、それはそれでかなりのサバイバルゲームで、多くの凡庸な人たちはそこでは生き残ることは出来ず、だからこそ管理職という仕事に留まっているとも言える(僕もその中の1人だ)。

面倒なことに対する対価

10年ほど僕が管理職という仕事をやってわかったのは、関係者が増えれば増えるほど給料も増えていくという、まあある種当たり前の話である。

これを(悪く)言い換えるなら、「面倒なことをすることへの対価」ということになるのかもしれない。

たくさんの利害関係者がそこにいて、その中で何とか調整をしながら、組織全体を前に進めていく仕事。

それは傍から見ているよりも壮絶な仕事である。

というか、それを壮絶な仕事(かつやりがいのない仕事)だと多くの若手たちが感じているから、誰も管理職になどなりたくないのだろう。

大変だが、致命的ではない

ただ、そんな状況に揉まれまくった僕が思うのは、たとえそうであってもほどほどに働くことは可能である、ということである。

確かにたくさんの人がいて、それぞれの思惑が交錯して、面倒だなと思うことはたくさんある。

それによって、ウンザリしてしまうことは日常茶飯事とも言える。

でも、だからと言って、それが致命傷になるようなダメージかと言われるとそんなこともない。

その中で何とか自分の色を出しながら、それなりに仕事を楽しむことは不可能ではない。

そんなことを思うのだ。

出世や昇進を望むと大変だよ?

ただ同時に、そのように働こうとするなら、出世や昇進というものはある種諦めなければならないとも思う。

そこに到達する為には、理不尽なこと理解を超えることに対して、自分を騙すまでもなく自然に行うことができるようにならなければいけないから。

僕にはどうもそれはできそうにない。

なので、現状のような働き方が僕にとってはもしかしたら最適であると言えるのかもしれない。

1回くらいはやってみたら?

管理職は罰ゲームである。

それは間違いない。

でも、それを1度経験してみてから、色々と自分のキャリアを考えてみるのも悪くないのではないかと僕は思う。

傍から見るのと、自分でやってみるのでは大きく違うから。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

仕事に対する距離感。

それについては昔からあまり変わっていないような気がしています。

ただ、管理職になってからは、そうも言っていられないことが増え、それがストレスというか、「自分には合わないなあ…」と思いながら仕事を続けています。

仕事自体は嫌いではないのですが、もう少し違う働き方ができたらいいなあ、と日本中の誰もが思うことを僕もまた思っています。

大変ですが、ほどほどに頑張っていきましょう。