非生産的な仕事を自動化したいぜ

UnsplashLuke Chesserが撮影した写真

令和というアナログ時代

ここ最近、決算見込みのようなものを連日に亘って作っている。

そして、その無意味性にウンザリしている。

「これって何の生産性もないよな?」と。

決算に向けた見込み数字をいくら精緻に作ったところで、それが何らかの付加価値を生むわけではない(当たり前だ)。

でも、皆そこに異常な拘りを持っている。

それに加えて、その数字を作る為のデータを取ってくる作業は非常にアナログである。

令和という時代は、もう少しハイテクな世の中ではなかったのか?

どうしてかわからないけれど、こういう非生産的な仕事をAIなどを導入することによって自動化しようという発想に当社はならず、いつまでも職人的な勘に頼ったアナログ作業を続けている。

そしてその数字の出来映えに悦に入っている。

取れるデータで概略がわかればいいんじゃね?

というか、もしそれを精緻にしたいなら、データの速報性と網羅性を向上させればいいんじゃね?

今日はまさにそんな愚痴めいた話である。

それでは始めていこう。

そりゃそう。そりゃあそう。

日本は生産性が低い。

それがずっと叫ばれている。

現場で働いている僕は、その声が的のど真ん中を射ていることを十分すぎるほど理解できる。

「確かに、このような働き方をしていたら生産性なんて上がるはずもないよな」と。

でも、多くの大人達(特におじさん達)はそんなことは当然であり、疑問を持つこともないように僕には見える。

「こういうのでいいんだよ」の真逆

AIなどの先端ツール。

それを喧伝することには熱心でも、日々の仕事で欠けている部分を埋め合わせようという発想はないようだ。

「僕が求めているのはそういうものではない」

そういうことが多過ぎるように感じる。

データを拾い集める作業の絶望感

僕が求めているのは、リアルタイムの(もしくはそれに近い)データである。

まずはそれが欲しい。

そして、それをこちらから見に行かなくても、視認できるようにして欲しい。

それだけで戦略策定の精度が大きく改善するはずなのだ。

翻って、それを今はアナログ的に行っている。

あちこちに散らばっているデータを拾い集め(まさにそんな感じなのだ)、それを纏め、戦略を練り、展開するというこの流れ。

もう少しどうにかなるのではないか?

令和だぜ?

そんなことを思う。

BIツールだけで当面は十分

ChatGPTのような生成AIがある程度広まり、現在は一時ほどの熱狂は薄れ、それによって出来ることと出来ないことが段々とわかってきたように思う。

もちろん、それはとても便利なツールである。

でも、僕が欲しいのはそういうものではないんだよなとも思ってしまう。

いや、確かにそれ「も」欲しいのだ。

ただ、もっと手前のもの、そんなにスペシャルなものではなくてもいいから、集計(BI)ツールをアップデートして欲しいのである。

それによって、今やっている仕事の大半が大幅に削減できるはずだから。

というか、AIというのは本来そういう方向に向かうべきだったのではなかったのか?

技術屋のマスターベーション?

当社においては、なぜかそれが別の方向に進んでいるように僕には感じられる。

表現が難しいが、「技術の高さをアピールしているけれど、全然実用性がない」そんなものばかりが溢れている。

もしかしたら、技術畑の人はそのような仕様によって、興奮を覚えるのかもしれない。

でも、僕のような営業畑の人間には、正直言ってどうでもいいことである。

それよりも「ベタなもの」というか、日常的に使う部分を良化して欲しい。

そんな風に思うのである。

「誰得?」のツール

「煩わしい作業から解放される」

そのような触れ込みが社内でも幾度も喧伝されてきたけれど、それが実現したことは一度たりともない。

それがなぜなのか僕にはよくわからない。

誰も望んでいないものが現場に送られてきて、それを使えと言われ続ける。

でも、どう考えてもユーザーフレンドリーではないし、インターフェースもクソみたいだし、やりたいこともできない。

本当に直截に言うことが許されるなら、それは生産性を下げてすらいる。

それが現実なのだ。

新しいモノへの拒絶反応ではないよ?

と、ここまで書いてきた後で、今更感はあるけれど、僕はどちらかというとそのような先端ツールが好きなクチである。

何も新しいものに拒絶反応を起こしている訳ではない。

アナログなものが良いとも思っていない。

単純に楽をしたいだけなのだ。

そして、それが出来ないはずがないとも思っている。

判断までは求めていないのだ。

単純にデータが集まればいいのである。

それも必要な基本的なデータが。

それができれば、もう少し高い成果が出せるようになるはずなのだ。

エンハンスされた未来は到来しなさそう

「AIが人間の仕事を奪う」という未来は、残念ながら(幸運なことに?)当社では起きそうにない。

というか、きっと日本社会の大半では起こりそうにない。

僕が描く未来は、AIが人間の仕事を奪うのではなく、人間の能力を拡張したり、強化する未来である。

それは分業と言えば分業だし、一体化と言えば一体化のようなものだ。

ただ、現状はそれとは程遠い。

というか、一歩目すら踏み出せていない。

それでは生産性の向上など夢のまた夢だ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

「それじゃない感」

そういうことが多すぎて、くたびれてしまいます。

日本の(特に電器)産業が停滞した要因の1つに、製品の押し付けがあると僕は考えています。

「こんなに良いモノなのに、なんで使われないのか?」

「それを使わないヤツの頭が悪いのでは?」

そのような思考方法。

ここまで直截ではなくとも、そういう思想が見え隠れする時があって、「そりゃ上手くいくもんも行かなくなるよな」と僕は思ってしまいます。

もちろん、これは「ユーザーに迎合しろ」ということを意味しません。

何と言うか、ユーザー目線の欠如というか、自分がその製品のユーザーではないというか。

使ってみれば、それがいかにイケていないかわかるはずなのに。

無駄な仕事を少し失くすだけで、僕たちの社会はだいぶ良くなるはずです。

勇気を持って非生産的な仕事を排除していきましょう。