結論から話をする

UnsplashRob Wingateが撮影した写真

終盤まで相談したいことが出てこない人が多すぎる

ビジネスの世界では「結論から話をしなさい」ということがよく言われる。

でも、これだけ言われていても、結論から話をできる人は殆どいない。

それは自分が報告や相談を受ける側に立ってみると、余計にそう感じる。

「結局のところ、相談したいことは何なんだ?」

話の流れをずっと追いながら、本当の終盤になってようやくその相談事項が出てくるような話し方。

本人的にはもしかしたら全部を話すことができて満足なのかもしれないけれど、聞いている側としては非常に辛く思えるこの状況。

もちろん、その話し方が「丁寧さ」を表現しようとしていることは理解できる。

状況を共有しながら、相手に理解させよう(させたい)という意思は確かに感じる。

でも、あまり有効とは言えない。

かといって、「結論はこうです! なぜなら…」といったどこぞのコンサルかで学んできたかのような話し方もまた違う。

では、相手に焦れずに聞いてもらうためにはどうしたらいいのだろうか?

今日はそんな話である。

それでは始めていこう。

コミュニケーションの主導権は話者にある?

話の巧拙。

マネジメントという仕事をしていると、それを如実に感じる。

そして、それはある程度天性のものであるとも。

これは聞き手のことを想像できているか否かというところに現れると思う。

多くの人は話者が主体である。

もちろん先述したように、そうは言っても聞き手のことを考えながら話をしている(しようとしている)のだとは思う。

でも、結果的にそれが話者主体であることには気づいていない

そして、相手の反応を見ながら話し方を変えるということをこのタイプの人はなかなかできない。

それは「コミュニケーションは話し手に主導権がある」と(無意識的に)考えているからである。

聞き手に主導権があると考える

「何をおかしなことを。コミュニケーションは話し手に主導権があるのが当然ではないか?」

そう思った方はもう少しご辛抱いただきたい。

確かに言いたいことはわかる。

話をする人が先で、話を聞く人が後、そうでなければそもそもコミュニケーション自体が成立しない、それはそうだろう。

でも、コミュニケーションの目的は「聞き手に伝えること」であるのもまた事実であると思う。

そして、その目的を叶えるためには、話し手に主導権があるのではなく、聞き手に主導権があると考えることが有効だと僕は思う。

聞き手に伝えるという目的を叶える為に

これは聞き手のレベルや感性に合わせて言葉やリズムを変えるということを意味する。

というか、聞き手に伝えるという目的を叶えるために有効な手段を選ぶ、という表現の方が適切かもしれない。

その有効な手段の1つに今日のテーマである「結論から話をする」ということがあると僕は考えている。

結論が早すぎるのもまた問題

コミュニケーションの目的が「聞き手に伝えること」であるなら、その伝えたいことは何なのかを先に明示しておく方がいい、その方が聞き手が聞きやすいから、僕はそう思う。

それを想像できるか否かによって、話の巧拙は大きく変わる。

そしてそれは先述した「結論はこうです!」というコンサル的話法とはちょっと違う。

コンサル的話法の問題点は、上記と変わらず、話し手に主導権があると考えている点にあると僕は思う。

ただ、先ほどの例との違いは、話が先に行き過ぎている点にある。

先程の例は結論が遅すぎ、コンサル的話法は結論が早すぎる。

結論だけを言われ、聞き手が置いてけぼりになっている。

それもまた問題だと僕は思う。

聞き手が分かり易い形で結論を明示する

「いやいや、結論を先に言えと言ったのはそちらじゃないか!」

その憤りもよくわかる。

でも、僕が言いたい結論が先というのは、聞き手が分かり易い形で結論を明示しておくということである。

これは上記したコンサル的話法に近いが、もう少し聞き手フレンドリーな話し方である。

コンサル的話法はどうしても話し手中心の形になり易い。

そうではなく、聞き手によってその結論の出し方を変えること。

それがコンサル的話法との大きな違いである。

要点も実はよくわかっていない

また、そこには相手の反応によってこちらの結論の出し方を変えるという動的な要素が含まれている。

表情や反応、受け答えなどから、聞き手が分かり易い形で結論を差し出すこと。

それが僕が考える有効な話し方である。

しかしながら、これをできる人は殆どいない。

それは先述した話し手が主導権を握っているという考え方に加えて、自分自身要点が何なのかわかっていないことが原因であると僕は思う。

その話において何を伝えたいのかが分かっていない状態で話し始めてしまうから、話がうまく伝わらないのである。

要点を理解する

「そんなバカな! 要点がわからないまま話始めるなんてある訳ないじゃないか!」

そう思う方は、ぜひ他の人の話を聞いてみて欲しい。

僕が言っていることの意味がわかるはずだ。

残念ながら、多くの人はこれを理解していないし、気付いてすらいない。

裏を返せば、話を上手く伝える為には、自分で自分の話の要点を掴み、相手が分かり易いようにそれを明示する、それだけできれば十分なのである。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

伝えたいことを自分でもわからないまま話す人が多すぎるように感じています。

でも、マネージャーは「で? 結論はなに?」と問うことはできません。

そんなことをしたら誰も相談しに来なくなってしまうでしょう。

だからといって、ダラダラした話をされ続けるのもなかなか苦痛なものです。

結論から話をする流れを徐々に作っていきましょう。