部下に背伸びをさせるには?

UnsplashAlexander McFeronが撮影した写真

現状維持思考の人たち

厳しいことを言うことが難しい時代である。

でも、相変わらず仕事はそこにあって、それも競争は激化していて、仕事を通じて成長していかなければ他社に取り残されていってしまう。

だからこそ部下に背伸びをさせる必要がある。

しかしながら、上記したように部下に背伸びをさせるのが難しいのも事実である。

さて、どうしたものか?

もっと言えば、成長志向というか、上昇志向みたいなものが以前よりも部下の中になくなってきていて、「このままでいいです」「大変なのは嫌です」と言うのがまあ言ってみれば当たり前になってきた時代において、成長を促す為にはどうしたらいいのだろうか?

今日はそんな話である。

それでは始めていこう。

必要性を自ら感じない限り成長はない

「人の成長は自分で成長が必要だと感じない限り起こらない」

それが現実であるような気がしている。

周りがいくら成長が必要だとけしかけたとしても、本人がその必要性を感じていなければそれが為されることはない。

そういう意味では、部下に背伸びをさせるには、部下自身が背伸びが必要であると感じさせることが大事ということになる。

では、それはどのように実現できるのだろうか?

面白い仕事をさせる

ちょっと迂回的な回答になってしまうかもしれないけれど、僕が思うのは「面白い仕事をさせる」ということである。

往々にして「面白い仕事」というのは難易度が高い。

というか、「その仕事を面白くする為には、一定以上のスキルが必要になる」ということなのかもしれない。

それを体感させる。

それが僕が考える部下に背伸びをさせる条件である。

求められるスキルと持っているスキルの乖離を埋めるべくマネージャーが伴走する

これは言うは易く行うは難しではある。

現状その仕事を面白く思えるほどのスキルがない状態の部下に対して、面白い仕事を付与するのはなかなか難しい。

そこには求められるスキルと実際のスキルの乖離が存在するからである。

でも、逆説的にはなるけれど、実際にその仕事をやらなければスキルが身につかないのも事実であって、そう考えるとするなら、仕事をしない限りいつまでもスキルが身につかない状態に留まってしまう。

では、どうするか?

マネージャーが伴走するのである。

そして、その関与度合いを徐々に減らしていく。

三輪車と自転車

これは「三輪車から自転車への移行」のようなイメージで捉えればわかり易いと思う。

三輪車の乗り方と自転車の乗り方は、似ているようで大きく異なる。

三輪車に乗る為には、(基本的には)バランスを取る必要がない。

三輪で安定しているから。

でも、それを同じように自転車に当てはめるとすぐに転倒することになる。

そこには似て非なるスキルが求められることになる。

また、三輪車よりも自転車の方が圧倒的に速く、遠くまで行くことができるし、何よりも圧倒的に乗っていて楽しい。

しかしながら、本人が三輪車しか知らなければ、そしてそれでもそれなりに遠くに行けるなら、敢えて痛い思いをしてまで自転車に乗りたいなんて思わないだろう。

では、三輪車のままでいいのだろうか?

それが部下に背伸びをさせる為のイメージであるような気がしている。

提示しなければ、わかりようもない

もちろん、本人は自転車に乗ったことがないので、三輪車がそれよりも劣っているものだという意識すらないのが実際のところだろう。

だから、「このままでいいです」「大変なのは嫌です」という現状維持思考になってしまう。

そして、どちらを選択するかは本人の問題であって、上司と言えど他人がとやかく言う種類のものではないような気もしている。

ただ、提示すらしなければ、選択もできないのもまた事実であって、とりあえずは自転車という乗り物があって、それは三輪車よりも楽しいよ、ということを示すことが重要なのかなと考えている。

自転車に乗らなければよかったとは思わないはず

まずは思い切って自転車に乗せてみること。

それは三輪車の延長線上にはないものだと僕は思う(似てはいるけれど)。

そこにはそれなりの「跳躍」が必要となる。

それを多くの人は子供時代に経験したはずだ。

確かにそこには痛みを伴う。

当時の恐怖や、転んだ時の痛みをまだ思い出せるくらいに。

でも、振り返ってみて、大半の人はそんな痛い思いをするなら、自転車に乗らなければよかったとは思わないはずだ。

現在時点においては、皆当然のように自転車に乗っている。

しかしながら、その時点においてはそれはそれなりに大きな背伸びであったはずなのである。

提示はしよう

多くの若手たちを見て僕が思うのは、従来以上に新しいものに対して怖がるし、頭でっかちになってしまっているということである。

それについて、僕なりに思うことがないと言えば嘘になる。

でも、たとえそうであっても、提示するということは僕たちの責務なのではないかとも思うのだ。

その後の選択は彼(彼女)らが行えばいい。

でも、先回りして、その可能性まで奪ってしまうのは、違うのかなと思っている。

だから面倒でも、色々な複雑な想いがそこにあっても、彼(彼女)らを成長させるべく選択肢を提示することが大切なのだ。

もちろん、それが全員に刺さる訳ではない。

1人でも何か感じる部下がいれば上出来なのである。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

現状維持思考の部下が増えたのは、「やってもやらなくても同じ」ということが彼(彼女)らには透けて見えてしまっているからだと思っています。

それは彼(彼女)らなりの合理的な戦略です。

そして、そのことについて一定の妥当性はあるよなと僕は思っています。

でも、同時にそれだけでもないんだよなとも感じています。

彼(彼女)らが考えるコスパ最大化戦略は非常に短期的で、かつ視野狭窄的なものです。

しかしながら、彼(彼女)ら自身はそれが短期的で視野狭窄的であるなんてことは想像すらできない。

だからこそ、せめて提示くらいはしたらどうなのだろうか、というが今日の話です。

その後の選択は自由ですが、可能性まで奪ってしまうのは違うのではないかというのが現時点での僕の考えです。

色々と思うことはありますが、めげずに提示をしていきましょう。