感情を認める

共感と認めるは違う
1on1を10年以上やって、身に付いたスキルの1つに「感情を認める」というものがある。
これは相手の感情に共感するかどうかは別として、「そういう気持ちになったんだね」と、その感情を理解することを意味する。
書いてみると大したことないスキルのように思われるかもしれないけれど、これはマネジメントを行う上でとても有用なスキルであると僕は思っている。
というのも、僕のようなHSP的な傾向を持つ人間にとっては、相手の感情に共感し過ぎて疲れてしまう、ということを防ぐことができるからである。
相手の感情に共感することと、その感情を認めることは大きく異なる。
でも、仕事における大抵の場合、相手の感情に共感する必要はない。
それはもしかしたら多くの人にとっては当たり前のことなのかもしれないけれど、僕にとってはとても大きな発見であり、それができるようになってからだいぶ仕事がしやすくなったので、今日はそんなことを書いてみようと思っている。
それでは始めていこう。
部下の話はつまらない
部下の話は要領を得ないし、つまらない。
感情的になることも多く、聞いていて疲れる。
でも、マネージャーという仕事は部下の話を否応なしに聞かなければならない。
これが僕が日々感じていることである。
それが1日とか2日であれば大したことがないのだけれど、ずっとこのような状態が続くと流石に疲れてくるのが実際のところである。
そういう状況に対して、部下に愛想がなくなってしまう、というのは多くのマネージャー達が経験していることだと思う。
話が聞けないと、それはそれで大ピンチ
以前も書いたように、話を聞いているようで聞いていない人や、話は聞いていても顔は死んでいる人がたくさんいる。
その気持ちはよくわかる。
僕たちマネージャーは聖人君子ではないし、どんなにつまらない話でも熱心に聞けるほど人間ができている訳でもないから。
ただ、そうは言っても、そのような状態が続くと部下から相談されることや報告されることが減ってしまい、結局自分が追い込まれることに繋がってしまう。
それを防ぐ為にも、部下の話を気持ちよく聞けるようにする、というのはとても大事なことなのである。
「そういう気持ちになったんだね」と受け止める
そこで身に付けたスキルが今回のテーマである「感情を認める」というものである。
これは男性の読者の方であれば、仕事のみならず、恋人や奥様相手にも使えるスキルであるから身に付けておいて損はないと僕は考えている。
大事なことは、「そういう気持ちになったんだね」というフレーズであり、フラットであるというその状態そのものにある。
そこに共感はなくてもいいし、対応策などもなくていい。
もちろん、自分の意見などいらない。
単純に、相手が感じたことについて、なぞればいいだけである。
下手な共感は逆効果
これは僕からすれば、物足りなさを感じる状態である。
少なくとも僕の場合は、相手には自分の感情に共感して欲しいと思ってしまう。
でも、多くの人はどうもそうではないようなのだ。
もしかしたら言葉が適切ではないかもしれないけれど、その共感が100%合っていないのであれば、下手に共感されるよりも感情を認められる方がマシ、そのように感じているように僕には思われる。
そして、こちら側にとっても、相手の感情に共感するよりも、その感情を認める方が何百倍も簡単なことなのである。
となると、下手に共感したり、意見を言ってハズすのではなく、そこにある感情を事実としてありのまま認めることで、その場の危険性を回避するという行為の方が、数段コスパが良いことがご理解頂けるはずである。
疲労も軽減できる
また、冒頭にも書いたように、僕のような人間にとっては相手の感情に寄り添うことは自分の精神力を削ることに近しく、それによって必要以上に疲弊してしまうこともこれは防ぐことができる。
相手側に傾くことなく、フラットな状態を保つことができるので、精神的な疲労もだいぶ軽減することができるのだ。
感情を認めることから話を始める
具体的には、部下が話をしてきた時に、まず一連の話をじっと聞き、言い終えたところで、その事実や内容について意見する前に、その感情を認めることから話始めるということが大事である。
特にこれは女性の部下の場合にはその効果は倍増する。
怒りや悲しみ、悔しさなど、部下の感情が大きく動いたその事実をありのまま受け止める。
「そっか、大変だったね」と。
「それによって、○○さんはそういう気持ちになったんだね」と。
テンプレでOK!
繰り返すが、ここに共感はいらない。
また、評価もいらない。
「そんなことでイライラすんなよ」であるとか、「そんなに大したことでもなくね?」と思う気持ちをグッと堪えて、機械のようにその感情を認めること。
これをテンプレのようにやってしまえばいいのだ。
感情を先に宥める
そうすると、大抵の場合部下の感情は落ち着き、そこから解決策などを理性的に話すことができるようになる。
でも、先にそれをやってしまうと、感情の行き場がなくなってしまうので、話が進まなくなってしまうのだ。
モテる男性には当たり前のことなのかもしれないけれど、部下の話がつまらないなと感じる人には有用なスキルだと思うので、ぜひやってみて欲しい。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
人は感情の生き物です。
感情が落ち着かないと、話の本題に移ることができません。
そういう意味においては、感情というのはとても動物的な部分であるとも言えます。
大脳新皮質と大脳辺縁系の話ではないですが、人には理性的な部分と感情的な部分があって、感情が満たされないと理性を持つことは難しいと日々マネジメントという仕事をして感じています。
まずは感情を認めていきましょう。
