単純接触効果を利用する

UnsplashClaudio Schwarzが撮影した写真

ただその場に居合わせるだけ

単純接触効果という心理現象がある。

これは特定の人物や物事に接する回数が増えるほど、好印象を持つようになるというものだ。

ここに会話や深い交流は不要で、単に見かけるとか接触するだけでも効果があると言われている。

これをマネジメントにも活用してみよう、というのが今日の話である。

と言っても、そこまで難しい話ではなくて、その場に居合わせることを意識的に行うというただそれだけのことである。

それでは始めていこう。

部下との距離を維持する為に

マネージャーとしての経験が増え、部下の人数も増えてきた。

そうすると、1人1人の部下と接する機会が物理的に減ってくる。

1on1を推奨している僕も、それを行うのは週1回だけなので、何となく部下との距離が以前よりも離れてしまっているように感じている。

さてどうしたものか?

頭打ちで構わない

そこで意識し始めたのが単純接触効果である。

これは10回程度でその効果は頭打ちになると言われているけれど、頭打ちで構わないと僕は考えている。

要は、好印象が持続していればいいのである。

その為に、それぞれの部下がいる場所に顔を出し続ける

それだけでマネジメントという仕事はだいぶし易くなる。

物理的な距離は結局重要

人間というのはやっぱり動物であるようで、このようにちょっとした心掛けで印象が大きく変わるからとても不思議である。

同じ建物内で仕事をしているとか、同じフロア内で仕事をしているとか、そのような物理的な距離で相手への印象は大きく変わる。

下手をすれば、フロアが違うだけで謎の敵意を持っていたりするくらいだ。

同じ釜の飯を食う、ではないけれど、そのような一体感や連帯感というのは、本人達はそこまで意識してはいないのかもしれないけれど、確実にそこにあるものであり、それをマイナスに作用させるのではなく、プラスに作用させようというのが今日の話である。

同じ空気を吸う

よく上司が職場内をウロウロしているという絵面があると思うけれど、僕が今回話しているのはアレのことである。

もちろん、ウロウロするだけでなく、そこにデスクがあり、一定時間そこで仕事ができる環境があれば最善である。

仕事する場所を変えるだけで、同じ空気を吸うだけで、好印象というのは強まるものである(というか、自然と会話も生まれ、その部下達の状況が手に取るようにわかるようになるはずだ)。

そこで何か特別すべきことはない。

ただ、そこにいればいいのである。

まあ無言だと違和感があるかもしれないので、挨拶くらいすればいいのではないかと僕は考えている。

その1回でどうこうしようとするのではなく、回数を増やすことによって印象が悪くなることを避けること。

それが単純接触効果の大きな利点だと思う。

無関心というリスクを避ける

そして、これをもう少し深く考えるなら、「関心がある」ことを示すことが人間にとってとても大切なことなのだろうなと思うのだ。

人間が一番恐れるのは、嫌われることではなく無視(無関心)である。

これはよく言われることであると思う。

なので、それを逆手に取るのだ。

「そこに顔を出さない=関心がない」と受け取られるリスクを避けるために、「そこに顔を出す=関心がある」ということを示し続ける。

と言っても、僕自身にはそんな考えはない。

ない、というか、そこまで強く考えている訳ではない。

ただ、そこにいるだけである。

でも、それだけで言外に「関心がある」というメッセージが伝わる。

僕からすればとてもお得な行為である。

だったら利用するしかないんじゃね?

そのように思うのである。

執務室に閉じこもって仕事をする上司

そして、このことを書いていて思い出したのが、執務室に閉じこもったまま仕事をしていたある上司のことである。

その上司は1日中自分の部屋に閉じこもって仕事をしていた。

もちろん、口では「いつでも相談していいよ」ということを言っていたけれど、誰もそのドアを開けて相談しに行こうとする部下はいなかった(僕もその1人だ)。

確かにその上司は我々部下を避けていた訳ではない。

単純に集中して仕事がしたかっただけなのだろう。

でも、そのような行動はあらぬメッセージを部下達に伝えることになる。

「あの上司は我々のことなど関心がないのだ」

そのような印象を与えてしまうことになる。

結果、誰もその上司に相談することはなくなり、成果も大きく低下することになった。

それを反面教師として仕事をすべきではないかと今になって僕は思うのである。

ウロウロするおじさん

先程「職場をウロウロする上司」のことを書いたけれど、おじさんになってそのような行動は結構意味があるのではないかと気づくことになった。

昔は「暇そうにしやがって」「そんなことしてる暇があったら働けよ」と思っていたけれど、それはそれでとても大事なコミュニケーションの1種なのである。

それをやるかやらないかによって、本当に大事な局面における馬力が変わってくる。

部下が自分の為に働いてくれるか否かは、そんな日々の積み重ねによって変わってくるのだ、きっと。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

人間は動物である。

そんなことをマネジメントという仕事をしていると思います。

論理よりも感情。

それを満たしておけば大抵のことは上手くいきます。

難しいことは考えずに、その場に居合わせることを続けていきましょう。