焦れずに待つ
凪の時間を待てるかどうか
表面的な仕事から本質的な仕事へ至る道中においては、難所がいくつも存在する。
そしてその難所を潜り抜けるには、かなりの困難が生じる。
だから、多くの人は待てない。
ただ、それを待たないと、大きな成果は得られない。
それが今日の話の概要である。
チームの雰囲気が良くなっても、それがすぐに成果に直結する訳ではない。
その間には、「凪の時間」がある(それも結構な長さで)。
それを焦れずに待てるかどうかがその後の成果を左右する。
今日はそんなことを書いていく。
成果が出ない長い日々
経験の浅いマネージャーが、チームの変革をしようとして、躓きやすいのがこの部分である、と僕は思っている。
志を持って、現状を変えようと意気込んで、様々な改革に取り組む。
その過程には、様々な困難が生じる。
困難の中には、本当に心が折れそうなくらい深刻なものがある。
でも、成果は出ていない。
出てきそうな気配はあるのだけれど、成果が出ない期間がもう結構な長さで続いている。
周囲からの(特に上司からの)プレッシャーは日に日に強くなってくる。
「さて、どうするか?」というのが今日の話である。
自己懐疑に耐えられなくなる
結論から言えば、「待て」ということになる。
でも、これが待てないのだ。
特に、自分に経験がなく、実績もない新米のマネージャーであればあるほど、この期間を待つのが難しくなる。
それは何よりもまず、自分が自分を信じられないからである。
周囲からの圧力も関係がないとまでは言わないけれど、自分自身の「本当にこれでいいのだろうか?」という自己懐疑に耐えられなくなってくるのである。
成果が出ないと心に堪える
例えて言うなら、前年最下位だったチームの改革を任された監督が、様々な改革を行うも、連敗が止まらない、そんな感じである。
改革自体は間違っていない。
それは自分だけなく、周囲の人もそう思ってくれている。
ただ、如何せん、成果が出ない。
これがとても「来る」のである。
心に本当に堪える事態となるのだ。
中途半端が一番ヤバい
そんな時、漫画みたいに天使と悪魔が出てきて、「もうそんな改革やめちまえよ!」「理想なんて、絵空事に過ぎないんだよ!」と言ってくるのだ。
そして「マイルドな改革」「中庸な落としどころ」を探りたくなってしまう。
ただ、これはNGだ。
僕の経験で言えば、これをやるくらいなら、全て取り下げてしまった方がいい。
「現実路線」に切り替えてしまった方がいい。
中途半端な改革は、チームが疲弊するだけで何にもならないのである。
かつて改革に燃えていた人の成れの果て
僕はある程度実績もできて、それなりの経験も積んだので、「このトンネルを潜れば、そろそろ光が射しこんでくるだろう」という感覚が分かるのだけれど、多くの(特に初任の)人にはこれが分からないのだろうと思う。
だから、「かつて改革に燃えていた人」によく出会うのだ。
彼(彼女)らは訳知り顔で、「そんなの理想論だよ」と言ってくる。
曰く「現実を見ろ」と。
ただ、僕からすれば、その「現実的なチーム」というのは、しょうもない仕事しかしておらず、しょうもない成果しか出せていないのである。
そんな仕事なんてやめちまえよ、と僕は思う。
でも、最初の高い理想を保ち続けられる人は少ないし、多くが道の途中で力尽きるという気持ちも理解できるのだ。
だから、成果が出なくても、出ていなくても、焦れないで待ってくれ、ということを今回僕は書いている訳だ。
もう少しだけ
孤立無援。
よくわかる。
先達はいない。
そりゃそうだ。
でも、もう少しだけ待ってくれ。
無責任なことは言えないけれど、必ず成果は出る。
その時まで、あと少しだけ待つ覚悟を持って欲しいのだ。
過去の自分が欲しかった情報を
僕は仲間を増やしたい。
まっとうな仕事をして、高い成果を上げられる、そんな寝言みたいな仕事をしている人が増えたらいい、そんなことを結構本気で思っている。
だからこんなブログを書いている訳だ。
別に誰かに言われてやっている訳ではない。
時間と、ささやかなサーバ代とドメイン料を支払って、駄文を書き散らかしている。
でも、過去の自分がそうだったように、まともな仕事をして高い成果を上げている人という人を見つけることは難しい。
少なくとも僕は社内には見つけられなかった。
「自称すごい人」は僕からすれば、クソみたいな俗物でしかなかった。
だから、僕はこんな青臭い文章を書いている。
同志がいることを信じて、日本のマネジメントが少しでも変わることを願って、でもそれにはそれなりの痛みが伴うこともわかっていて、僕はこんなことを書いているのである。
あなたは間違っていない
あなたが今やっている改革は間違っていない。
ただ、成果が出るまでには、一定の時間がかかる。
必ず光は射す。
それを信じて欲しい。
自分を信じて欲しい。
それが僕からのメッセージである。
出口はもうすぐ
辛いことは多いと思う。
罵詈雑言。
誹謗中傷。
何よりも自分の不甲斐なさに、心が折れるような日もあると思う。
でも、もう少しだけ待ってくれないか。
そこで旗を降ろしたら、同じような「訳知り顔のマネージャー」が増えるだけだから。
チームの雰囲気が良いなら、それが感じられるなら、出口はもうすぐだ。
その先でまたお会いしましょう。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
マネジメントにおいて、「待つ」という行為はとても重要です。
何らかの施策が、効果を発揮するまでには、一定のタイムラグが生じます。
でも、それを待てる人はあまり多くない。
そして、そう助言してくれる人も多くない。
そう思ったので、今回はこんな文章を書いてみました。
孤立無援だと思うかもしれませんが、少なくとも僕は味方です。
こんな変なヤツの戯言なんて聞いてもしょうがないかもしれませんが、何らかの力になったら幸いです。