ChatGPTにマネジメントの極意について聞いてみた!
重要なことを言っているようで、何も言っていない言葉
何だかYouTubeのタイトルみたいになってしまったけれど、ネタも尽きてきたことだし、面白くなるかもしれないと思って、ChatGPTにマネジメントの極意について聞いてみた。
以下、その回答である。
「マネジメントの極意とは、組織内での目標達成や業務の効率化など、組織を管理するための高度なスキル・知識・経験のことを指します。
具体的には、リーダーシップや戦略的思考、目的の明確化やタスクの設定、チームビルディングやコミュニケーションスキル、時間・予算管理などが含まれます。
マネジメントの極意を身につけることは、ビジネスの成果を最大化するために必要不可欠な能力であり、組織の成長や業績向上に大きく貢献することが期待されています」
さて、どうだろうか?
これは回答になっていると言えるのだろうか?
このような「何か重要なことを言っているようで、実は何も言っていないこと」というのは、実際にマネジメントの現場でもよく起こっていることである。
今日はそのことについて書いていこう。
地に足の着いた言葉を
マネジメントは言葉を使う仕事である。
そしてその言葉は地に足の着いたものである必要がある。
なぜなら、そうでないと部下が腹落ちしないからだ。
部下が腹落ちしなければ、チームに推進力は生まれない。
推進力が生まれなければ、成果は凡庸なものに留まる。
これが僕が考えるマネジメントの極意(みたいなもの)だ。
具体的にどういうこと?
もちろん、ChatGPT先生が言うように、リーダーシップや戦略的思考、目的の明確化やタスクの設定、チームビルディングやコミュニケーションスキル、時間・予算管理は重要である。
でも、「じゃあそれって具体的にどういうことなの?」ということまで踏み込んではいない。
リーダーシップが必要と言うのは簡単で、「そりゃマネージャーはリーダーシップを身につけなければならないというのはよくわかるけれど、具体的にどうしたらいいの?」ということが難しいのである。
キツネにつままれたみたいな感覚
なので、懲りもせずChatGPTに聞いてみた。
以下、その回答の抜粋である。
- 自己啓発書の読書や成功したリーダーの経験談を学ぶ
- リーダーシップに関するセミナーや講義に参加する
- 自分自身を見つめ直す
- リーダーとしての役割を果たす
- リスクを恐れず挑戦する
どうだろうか?
「納得できるようで、できない」というのが僕の感想である。
何となく釈然としないというか、狐につままれたみたいというか。
今日のテーマに即して言うなら、ChatGPTのようにならない(差別化する)ということがマネージャーとして大成する近道であるような気がしている。
表現が難しいが、「それっぽいこと」と「それ」は違う。
「本物」と「本物っぽいもの」は異なる。
ただ、わからない人はわからないし、わからない人が多いのも事実である。
そして、その違いに拘っているのはマネージャー本人だけで、自己満足に過ぎないと言われてしまえば、その程度のものであるのも否めない。
でもさ、というのが僕の感覚である。
何かを言っているようで何も言っていない言葉を排除する
多くのマネージャーは、僕からすればChatGPTみたいなものだ。
部下からの相談や上司からの指示を受けても、当たり障りのないことしか答えられないAIみたいなものだ。
そこに「違い」は生まれない。
「違い」を生み出せなければ、成果は線形に留まってしまう。
それを非線形にする為には、「何かを言っているようで何も言っていない言葉を排除する」しかないのだ。
そしてそれをする為には、「リスクを取る」しかないのである。
主語を明確にした言葉を
僕たちはもう少し言葉に責任を持つべきだ。
主語(I)を明確にし、誰がそう思うのかを英語みたいに話すべきなのである。
空気や雰囲気が「そう思う」わけではないのである。
何か得体のしれない「組織」が発言するわけではないのである。
でも、放っておくと、言葉というのは勝手に質量を失くす。
どんどんと宙に浮いていってしまう。
だから、僕たちは地に足のついた言葉を使うべきなのだ。
ChatGPTにマネジメントしてもらいたくはない
ChatGPTは人間の仕事を奪う、と言われている。
「そうか?」と僕は思う。
いや、正確に言うなら、言葉に感度のない仕事や、感度が必要とされない仕事においてはAIに代替される可能性が高いだろう、とは思う。
報告物のような、定型的な雑務から解放される可能性は高まるだろう。
でも、少なくとも僕は、ChatGPTにマネジメントをしてもらいたいとは思わない。
それで毎日の仕事が楽になったり、明日からも頑張ろうと思えるようには(たぶん)ならない。
僕たちは動物なのだ。
「淀み」はネガティブなものとは限らない
AIが「強いAI」となる可能性が低いのは、そこに身体がなく、欲望が発生しえないからである、と僕は思っている。
そして欲望を持たない対象に対して、僕は本気にはならないだろうと思うのだ。
若手のマネージャーに対しても、そのように感じる時がある。
レスポンスを求めた時に出てくる回答が、ChatGPTみたいというか。
正し過ぎて、反吐が出る、というか。
淀んだもの、矛盾、葛藤、躊躇い、その種の「はっきりとしない」もの。
それはマネジメントにおいてネガティブなものではない。
その感性を持ったものだけが、部下を動かせるのである。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
言葉への感度。
それがこれからの時代には問われるような気がしています。
ちょっとした言い回し、語順、そのような違いによって、同じ言語であっても与えるインパクトは大きく異なる。
それもテクニックに囚われずに。
僕はそうやって(ゲリラ的に)AIに対抗していこうと思っています。
引き続きご愛顧頂けたら幸いです。