無言の圧力出してない?

UnsplashChristian Erfurtが撮影した写真

忖度がデフォルト

人の振り見て我が振り直せ、ではないけれど、仕事をしていると無言の圧力を出している人に出会うことがあり、そういう人に限って「何でも忌憚なく話してね♡」と言いがちだな、と思い、自分の行動を見直す機会にしている。

外国の職場ではどうなのかわからないけれど、日本の職場においては「空気の読み合い」というのは日常的に行われていて、特に上位者に対しての忖度がない(上司に忌憚なく話せる)ということはまあ起こり得ないと僕は思っている(もちろん僕も例外ではない)。

ただ、その程度というか、度合いについては、改善の余地はあるとは思うのだ。

言いたいことを言うことは個人にとって大きなリスクであり、またそれを言ったところで会社が良くなる(改善の方向に向かう)ことは殆どないので、多くの人は口をつぐみ、愛想笑いを浮かべる。

結果、何となくモヤっとした雰囲気が職場には充満することになる。

当然のことであるが、このようなモヤっとした空気感で働いていても充実感は得られないし、成果だって上がらない。

では、それを打開する為には、もしくは少しでも軽減する為には、どうしたらいいのだろうか?

僕は「口に出すことが大事」だと考えている。

それでは始めていこう。

「察する」文化

「いちいちそんなことまで言わせるなよ」

そのようなイメージというか態度。

上司が言わなくとも、その意思を察し、事前に行動することが良しとされる文化(その反対が悪とされる文化)。

そのような人が優秀であるという暗黙の了解。

それをやめてみたら? というのが僕からの提案である。

そして、このブログはマネージャー層向けに書いているものでもあるので、あなた自身がそのような無言の圧力を出していないかもし出しているとするなら、出さない為にはどうしたらいいのか、というような観点から以下書いていこうと思う。

無言の圧力は出るもの

前提として、「上司である以上、無言の圧力はどうやったって出てしまうもの」と考えておいた方がいい。

あなたがどんなに気さくな人でも、人徳があっても、部下と良好な関係を築いていても、無言の圧力は生じるものである。

それをまず押さえておいて欲しい。

その上で、その圧力の度合いを減らすにはどうしたらいいのかということを考えていくことが大事である。

無言の圧力が出ているものとして考える

「いや、オレは出してないし。部下が勝手にそう感じているだけだし」

まあ言いたいことはわかる。

でも、そのような弁明(?)はあまり意味がない。

大事なのは、あなたが出しているかどうかではなく、実際にそれがチームの雰囲気に影響を与えているという事実そのものだからである。

そして、それは防ぎようのないことでもある。

だったら、まずは無言の圧力があることを前提として、物事を考えていく方が建設的であると僕は思うのだ(もし圧力がなければないで、悪いことにはならないのだし)。

言ってしまえ

では、無言の圧力を軽減する為にはどうしたらいいのだろうか?

「無言の圧力」を「有言の圧力」に変えてしまえばいいのだ。

もちろん、そこに圧力が生じないのであればそれに越したことはない。

でも、あなたが何らかのコトに対して不満や考えを持っているとするなら、それを言語化して、部下にわかりやすく伝えてしまった方が、その悪影響(圧力)を減らすことができる。

僕はそのように考えている。

嫌われるリスクを負う

これは「リスクを負う」ということでもある。

不満を表明することは、リスクを負うことである。

反対に、不満を表明せず、部下に察してもらうということは、リスクを負わないことである。

これをきちんと理解しておくこと。

まずあなたが(私が)すべきことは、リスクを負って発言をすることなのだ。

それを言うことによって、誰かから嫌われたり、反感を買ったりすることをきちんと理解した(リスクを負った)上で発言すること。

それが「有言の圧力」という意味である。

部下にリスクを肩代わりさせない

これを部下に肩代わりさせてはいけない。

多くのマネージャーがこのことを理解していない。

というか、それが問題だとすら思っていない。

「上司の意向を察して行動する」「皆まで言わせるな」ということが当たり前だと思っている。

そんな特権なんてないのだ。

というか、あなたのそのような態度が、チームの雰囲気を悪くし、余計な仕事を増やし、生産性を低下させているのである。

これを心の底から理解すること。

そうすれば、チームに充満しているモヤっとした空気はだいぶ軽減することができる。

きちんと言語化し、わかりやすく説明しよう

これは「上司が何を考えているかわからない」という、日本の職場に溢れる「あるある」を根底から変える要素になると僕は考えている。

簡単なことなのだ。

上司が考えていることがわからないなら、それを言語化し、わかりやすく伝えればいい。

というか、それ以外に何か方法があるだろうか?

リスクを負わずに、そのリターンだけを得ようとするのは、少なくとも大人の振る舞いとは言えない。

ただ、子供が駄々をこねているだけ、泣きながらその主張を通そうとしているだけ、僕にはそのように思えてしまうのだ。

子どもばかりでウンザリするぜ

上司(自分)の子ども返りを許してはいけない。

それを肝に銘じて、自分に厳しく行動していきましょう。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

「ストレートに言ってくれればいいのに」

パワハラ型上司が地下に潜った結果、陰湿な上司というか、表と裏の差が激し過ぎる上司が増えたように僕は感じています。

リスクは部下に押し付け、自分はリターンだけを享受する行為。

それを会社としても黙認している環境。

なんだかなあという感じです。

言い方には気を付ける必要があると思いますが、何も言わず、裏ではバッサリやる、というのもどうなのかなと僕は思っています。

ネガティブなことを含め、言語化し説明できる能力を磨いていきましょう。