生産性を上げるには?

UnsplashAndreas Klassenが撮影した写真

忙しいマネージャーと暇な僕

「忙しくて手が回らない」

そんな相談を受けることがある。

確かにマネージャーは忙しい

一方、僕は基本的に暇である。

この差はなぜ生じるのか?

その答えのカギは「生産性」にあると僕は考えている。

同じ時間当たりの成果を上げる(仕事にレバレッジを掛ける)こと。

もしくは、やらなくていいことをやらないこと

この2つを同時並行的に進めれば、生産性は否が応でも向上する。

結果として、時間が余ってくる。

今日はそんな話である。

それでは始めていこう。

やってみなはれ

このような話はこのブログ立ち上げの頃から何度も何度も書いてきたことである。

ただ、それでも実践するのはどうも難しいようである。

それが僕にはよくわからない。

というか、多くの人はその試みすらやっていないように僕には見える。

「お試し期間」のようにまずはやってみればいいのだ。

そして、ダメなら元に戻せばいい。

それくらいの軽い気持ちでやればいいのに、どうにも皆さんの腰は重いようである。

プレイヤー業務はレバレッジがかからない

多くのマネージャーから聞く忙しさの原因は「プレイヤー業務」が多いことだと思う。

「マネージャーなのに、プレイヤー的業務も求められる」

それが現代のマネージャーのデフォルトではある(全く良いとは思わないが…)。

確かにそこに抗うのは難しいのかもしれない。

でも、プレイヤー業務は残念ながらレバレッジをかけづらい仕事でもある。

レバレッジが掛からないと、生産性は向上しない。

ならば、プレイヤー業務は出来るだけ少なくするしかないだろう。

部下は仕事ができない。それはそう。

では、どうやったらプレイヤー業務を少なくできるのか?

簡単なことだ。

部下にやらせればいいのだ。

「いや、簡単に言いますけれど、部下にできる訳ないでしょ!(だから私がやっているのに!)」

そういう声が聞こえてくる。

まあ気持ちはわかる。

大抵の部下は(あなたほど)仕事ができないから。

ただ、本当に生産性を上げたいと思うなら、思い切ってやらせてみるというのはアリ(というか、他にたぶん方法はない)だと僕は考えている。

そして、部下にやらせるなら、権限も一緒に渡す。

すると、思いのほかできたりするのだ。

仕事を任せないから仕事ができるようにならないから仕事をまかせないというループ?

騙されたと思って一度やってみるといい。

繰り返しになるが、ダメなら元に戻せばいいのだ。

経験上、部下は仕事を任せると、仕事ができるようになっていく。

これは、「仕事を任せないから、仕事ができるようにならない」ということも意味する。

だから、思い切って(ダメそうでも)仕事を任せることが重要なのである。

空いた時間をレバレッジを掛けられる仕事へ

もちろん、最初はフォローが必要だろう。

補助輪のようなものを付けて走る必要があるだろう。

でも、何回かの経験を経れば、あとは勝手に走れるようになる。

そうやって、プレイヤー業務をどんどんと下に降ろしていく。

すると、その分の時間が浮いてくるはずだ。

そして、その時間は結構な嵩であるはずである。

それを今度はレバレッジを掛けられるような仕事に割り当てる。

レバレッジ=労働時間の延長以上に成果が伸びること

「レバレッジを掛ける」というのは、「労働時間の延長以上に成果が伸びる」ということである。

比例関係、単線上、そのようなものにある成果をレバレッジが掛かったとは言わない。

このイメージを持つことが重要だ。

そして、レバレッジを掛ける為には、作戦を立てる必要がある。

ただ漫然と仕事に向かうだけでは、成果にレバレッジを掛けることは不可能である。

これを僕は戦略と呼んでいる。

どのように仕事に向かうか?

そのゲームの構造すらも変えるような入り込み方はできないか?

そのように物事を捉えていく。

コロンブスの卵のようなもの

もちろん、ルールは守るべきである。

ただ、その解釈の仕方というか、概念自体を変えてみたら、どうなるのかを考えてみることはとても重要なことであると僕は思う。

イメージとしては、「コロンブスの卵」のようなものだ。

そこまで突飛なものでなくて構わない

でも、誰もがそれに気づいていなかったやり方

一旦気付けば、なぜそのように考えられなかったのかと思うような方法。

それが戦略である。

そして、その戦略を考え、実行に移すのがマネジメントという仕事なのである。

頑張ること=マネジメントではない

多くのマネージャーは自分が頑張る(労働時間を延ばす)ことがマネジメントだと考えている。

これは間違いだ。

単位時間当たりの生産性を上げるのがマネジメントなのである。

その為には冒頭に書いたように2つのアプローチ方法がある。

まずはやらなくていいことをやらないこと。

その上で、同じ時間当たりの成果を伸ばす(仕事にレバレッジを掛ける)こと。

まずは「捨てる」ことが楽

この2つの内、簡単なのはやらなくていいことをやらないことである。

でも、それすらもできないマネージャーはとても多い。

自分の業務内容を見直し、自らやる必要がないものはやらないようにする

業務そのものをやめてしまうか、それが無理なら誰かにやらせてしまう。

それだけで単純に生産性(あくまで数字上)は向上していく。

後は如何にレバレッジを掛けるかである。

「質」や「率」で話をしよう

チーム全体として、「質」や「率」を意識することを標準化すること。

労働時間が長いメンバーを単純に称揚しないこと。

それが生産性を上げるカギである。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

「量」からの脱皮。

それが高度経済成長時代の幻想から逃れる術です。

頑張り方を変えること。

「質」を求めること。

「率」で会話すること。

その為にはマネジメントの変革が必要です。

共に日本のマネジメントを変えていきましょう。

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