モンスター部下のやり過ごし方

UnsplashDonovan Reevesが撮影した写真

クセのある部下とどのように向き合うか?

僕は猛獣使いとして広く知られているマネージャーであるようだ。

といっても、自覚はないし、好き好んでそうなっている訳ではない。

できれば真っ当な人と真っ当な仕事をしていたい側の人間である。

でも、気づけばそうなってしまっていた。

きっと僕の人事調書には、「クセのある部下であっても対応可」のようなことが書かれているに違いない。

それくらい僕の元には一癖も二癖もある部下が集まってくる。

そんな僕は、時々困った部下について相談をされることがある。

今日はそんな困った部下でも、モンスター級に手を焼く部下についての話をしていこうと考えている。

もしかしたら参考になる部分があるかもしれない。

それでは始めていこう。

仕事でなければ関わり合いたくない人たち

面倒な部下の対処。

これほどマネジメント業務で嫌なことはないと僕は思う。

もし僕がマネージャーでなければ、できるだけ関わらないようにしていきたいのに、マネージャーであるが故、どうしても接しなければならないタイプの人達。

そのような人たちとどのように仕事をしていけばいいのか?

正面から組み合わない

僕が考える対処法は、「やり過ごす」ことである。

この時点で「対処法」となっていないことに是非ご注目頂きたい。

そうなのである。

モンスター部下に接する上で大事なことは、正面から向かい合うのではなく、それを「いなす」ことである。

武道の達人のように、正面から向かってくる力を斜め方向に受け流す、そのようなイメージがとても大事である。

ちょっと困る部下とは違う対応を

これはその部下が更生するなんてことが起こらないからこそ取るべき手段である。

普通の部下(ちょっと困る程度の部下)であれば、もちろんそんなことはしない。

正面から受け止めて、その部下が少しでも良くなるように働きかけを行う、それがマネージャーの仕事である。

でも、今日の話はそうではない。

あくまでも「モンスター部下」と呼ばれる種類の部下についてである。

となると、普通の部下と同じように接してはいけない。

直接的な被害を受けずに、でも周囲への悪影響も防ぐ為にはどうしたらいいのか、というのが実際的な問題となるのである。

致命傷を避ける

「でも、モンスター部下はモンスターであるが故に、こちらがいなすような対応をしたとしても被害を撒き散らすから意味がないのでは?」

とても実感のある意見である。

そして、その意見に基本的に僕も賛成である。

ただ、ここで気を付けなければならないのは、被害を受けるというのは想定済みであり、その被害の程度を押さえることに精力を注いだ方がいい、ということである。

無傷で生還できるなんて甘いことを考えてはいけない。

怪我を負う覚悟は必要である。

でも、それを致命傷にしてはいけない。

そのような意識がとても大切なのである。

被害は(どうしたって)出るもの

例えば、そのモンスター部下が周囲に悪影響を及ぼすタイプの部下だったとする。

その際にその悪影響を失くすよう努力するのは、正しい行動ではあるとは思うものの、あまり良い手だとは言えないと僕は思っている。

そうではなく、悪影響は出るものだと割り切ってしまって、その被害の程度を抑えるように行動することが大事なのである。

暴発させないようコミュニケーションを取り続ける

では、それはどのようにすればいいのか?

これは「暴発させない」ということなのかなと僕は考えている。

被害の程度がある程度コントロール可能な範囲に収まっていることが大事であり、それを超えるような、それもコントロール不可能であるような状態にしないことに意識を注ぐのである。

そして、その為には、モンスター部下とある程度の距離を保ちながらも、コミュニケーションを続けるということが必要となる。

これは簡単なようでとても難しい。

僕もそうであるが、苦手なタイプの人間と一定の距離感を保ちながらコミュニケーションを取りたい人間などいないから。

でも、それをやらなければ「暴発する」リスクは高まっていく。

だから、ガス抜きというか、コミュニケーションを取る対象としての自分を、ある種生贄として捧げ続けることで、大きな問題になることを未然に防ぐことがとても大事なのである。

リスクの範囲を抑える

そういう意味において、僕は今回のタイトルを「やり過ごし方」というように付けたのだ。

モンスター部下をどうにかすることはできない。

少なくとも、僕程度の力量ではどうすることもできない。

でも、そんな僕が(冒頭にも書いたように)「クセのある社員の適性◎」という評価になっている。

その訳は、一定程度にそのリスクの範囲を抑えているということに尽きるような気がしている。

問題を封じ込める

これが他の多くのマネージャーとの違いだと自分では思っている。

多くのマネージャーは被害を0にしようとする。

僕から言わせれば、そんなものは不可能だ。

僕のアプローチ方法は被害を極小化することであって、0にすることではない。

そして、そのようなスタンスは上司にも周囲にも理解をされているように思うのである。

大事なことは一定の範囲の中にその問題を封じ込めることである。

何だか悲しい結論になった。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

世の中にはモンスターがいます(たくさん?)。

本来的にはそのような人たちにはご退場願いたいのですが、なかなかそうもいかないのが世の常でもあります。

そんな中でマネージャーとして仕事をしていくことは正に罰ゲームですが、そのような罰ゲーム的環境においても出来ることはあります。

その1つが今日のテーマである「やり過ごし方」です。

怪我をしても、致命傷にならなければOKです。

何とかやり過ごしていきましょう。