好かれると甘えられるは違うぜ?

UnsplashAdam Nemeroffが撮影した写真

面倒な部下ほど甘えてくる

一定程度の関係性ができると、甘えてくるタイプの部下がいる。

そして、それを好かれていると勘違いするマネージャーもいる。

「それは違うぜ?」というのが今日の話である。

僕は10年以上マネジメントという仕事をやってきて、ちょっと厄介なタイプの部下ほど甘えてくるように感じている。

また、それを突っぱねると、必要以上に面倒になるというか。

でも、だからといってその甘えを許容し続けると、どんどん領域を侵害してくるというか。

それを好かれていると勘違いしてはいけない。

というか、好きと甘えを混同することによって、マネジメントという仕事は混迷を深めていく、そんなことまで思ってしまう。

今日はそんな話である。

それでは始めていこう。

業務自体は大したことがない

職場にいる面倒な部下。

それに対処するのがマネージャーの仕事の大半と言っても過言ではないかもしれない。

僕がもし「管理職罰ゲーム論」の中でトピックに上げるとするなら、この「面倒な部下」への対処法について上げると思う。

正直なところ、10年も課長をやれば、日々の仕事の大変さなんてものはどうにかやり過ごすことができるようになるものであって、そういう意味では僕は「業務」に対して罰ゲーム感を覚えていることはない(麻痺したとも言える)。

ただ、面倒な部下の対処については、いつまで経っても慣れないというか、面倒なままそこにあり、それが管理職の罰ゲーム度合いを強めている、そんな風に思うのだ。

対処を間違えると大炎上

そして、面倒な部下というのは、対処の仕方をちょっと間違えるだけで大事(オオゴト)になる。

大したことのない話に尾ひれはひれが付き、いつの間にか大炎上していたりする。

そういうヤツは辞めさせればいいのではないか、とは思うものの、そんなことは起こらず、どちらかと言えばマネージャーが悪い、そういうヤツをマネジメントできてこそ一人前だという風潮があるのが現実である。

さて。

その中でも今日は甘えてくる部下についての話である。

(良いか悪いかは別として)規律と緊張感があった職場

表現が難しいけれど、この甘えてくる部下というのはハラスメントへの取り締まりが強化され、誰も強い言葉を言えなくなってしまったからこそ出現したのではないかと僕は考えている。

以前の職場には(良いか悪いかは別として)、規律があり緊張感があった。

叱る上司がいたし、怒鳴る同僚がいたし、その中で働くというのが当たり前であった。

そのような状況においては、「ちょっとおかしな動き」というのはすぐに摘発され、放置されるということはまずなかったように思う。

ちょっとおかしな動きへの対処法

翻って現在。

その種の「ちょっとおかしな動き」というのが溢れかえるようになったのが現在である。

これは「確かに違反とは言えないけれど、グレーだよね」というような行動のことを指す。

「もしかしたら厳密にルールを適用すればアウトかもしれないけれど、それを取り締まっていたら仕事が回らなくなるから、まあ片目を瞑って見ないようにしよう(ギリギリセーフとしよう)」というような行動が職場にはたくさんある。

本来はそれを指摘し、規律を維持するのがマネージャーの仕事なのかもしれない。

でも、そこにはハラスメントだと訴えられるリスクが残存する。

そして、その費用対効果(リスク対リターン)を勘案すると、黙っていた方が賢明であると判断する人が大半であると思う(違反しているとまでは言えないし)。

となると、職場にはそのような状況を都合よく解釈し、自分なりのルールを適用しようとする者が増えてくる。

そして、そういう人に限って、マネージャーに媚びを売り、取り入ろうとしてくる。

「それを好かれていると勘違いしてはいけないよ?」というのが(長くなったが)今日の話である。

ちょっと嫌われるくらいの立ち位置

これは程度が難しいのだけれど、僕は甘えてくる部下に対してはちょっと嫌われるくらいの立ち位置を取るようにしている。

というか、本心で言えば、そのような行動は許せないというか、腹が立つのが僕という人間である。

でも、それを全部指摘していると、仕事が回らなくなる。

というか、それってモラルの問題だよな(仕事以前の問題だよな)、と僕は思ってしまう。

だから一定水準までの話であれば、できるだけ許容するようにしている。

ただ、そうは言っても限度はある。

それを越えた際には、きちんと線を引く。

たとえそれが嫌われるようなことであっても。

それを恐れるから、皆好かれようとするから、問題が大きくなるのである。

言いつけて、どうぞ。

それによって、多少の不満や文句が出ることもあるだろう。

それを直接自分の上司に言いつけたり、上司がそれを鵜呑みにして叱責してきたりすることもあるだろう。

それに怯んではいけないと僕は思う。

というか、そのような行動を取る者を許容することで、他の大多数のまともなメンバーが割を食うのであれば、それくらいのデメリットは仕方がないのではないか?

僕はそのように思うのである。

人事の問題では?

職場に溢れかえるたくさんの理不尽。

それを改善できるのはマネージャーというよりも人事の問題なのではないかと僕は思っている。

変な話になった。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

途中からテーマと書いていることが変わってしまったと反省しています。

僕は甘えてくる人も嫌いだし、それを許容している人も嫌いです。

でも、職場はそのような人で溢れかえっています。

いつから日本という国はこんなにもガキ臭い国になってしまったのでしょう?

というか、そのように思う僕の方がきっとおかしいのでしょう。

そんな僕ですが、引き続き読んで頂けたら幸いです。