目標は不要

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目標があると行動が歪む

ここ数年「目標なんていらないのでは?」と考えている。

でも、その考えを人に話すと怪訝な顔をされる。

「この人は何を言っているんだ?」というように。

まあ気持ちはわかる。

目標がなければ人は頑張らないのではないか、と考えるのは至極自然な流れだ。

ただ、一方で、目標というのは行動を歪める可能性を高めるのも事実であると思う。

人は目標があると、そちらの方向に向かおうとする(だから目標なのだけれど)。

意識がそちらに向かいがちになる。

結果、それ以外の情報に対する感度が落ちてしまう

それってどうなのだろうか、と僕は考えている。

そうではなく、目標などなくても、そこにあるもの(たとえば顧客が持っているニーズなど)に素直に応えていくだけで、勝手に成果は上がっていくのではないか?

今日はそんな話である。

それでは始めていこう。

目標策定=どのように部下に割り振るか

マネージャーの仕事の1つに目標策定がある。

と言っても、これは会社が示達してきたものをどのように部下に割り振るかが実際のところで、自分たちが目標を「策定」する訳ではないことが殆どだろう(「自己策定目標」も内実はそうでないことが多いと僕は感じている)。

だから、凄く大雑把に言ってしまえば、会社が示達してきた目標を最終的に達成さえすればいいということになる。

そして、その為には目標なんていらないのではないかと僕は考えている。

個人の目標と会社の目標

そういう意味においては、ここで言う目標というのは「個人目標」であって、会社としての目標がいらないというニュアンスとは違うのかもしれない。

ただ、突き詰めて言うなら、会社の目標だっていらないよな、と僕は考えている。

でも、それだと話がわかりづらそう(また混乱を招きそう)なので、今日は「個人目標はいらない」という文脈に沿って、以下話を進めていこうと考えている。

皆が納得する目標はない

上記の話の続きをすると、個人目標を策定するにあたり、殆どの場合揉めることになる。

「こんな目標高すぎる」とか「あの人より私の方がなぜこんなにも高いのか」とか、そういった話である。

もちろん、そこには一定のロジックがあって、それはある程度妥当なものであると僕は考えているのだけれど、どのように説明を尽くしても「皆が納得する」ということは起こり得ず誰もがもやもやした状態の中で仕事を進めることになる。

それが(ここ数年は特に)馬鹿らしいのである。

成果は顧客から生まれる(目標から生まれる訳ではない)

僕は「目標なんてなくたって仕事なのだからやればいいのでは?」と考えている。

少なくとも僕自身は目標があろうがなかろうが仕事振りは変わらないだろう。

というのは、大事なのは成果だと考えているからである。

そして、その成果というのは顧客から生まれるものだからである。

ニーズ・ファースト

どんなに目標に沿った成果を得ようとしたところで、顧客にそのニーズがなければ成果は得られない。

こんなのは当たり前の話だ。

それを無理やり目標に沿った成果にしようとするから、行動に歪みが生じるのである。

そんなことをせずに、自然体で顧客と話をすればいい。

必ずそこには何らかのニーズがあるはずなのだ。

それに対して素直に解決策を提示していけばいい。

さすれば自ずと成果は上がる。

僕はそのように考えている。

でも、誰もそんな風には考えないようなのだ。

僕にはそれがわからないでいる。

セールス? マーケティング?

ニーズというのは無理やり作り上げるものではない(セールス? ナンセンスだ)。

また、そこに当てはまるような顧客を探すことではない(マーケティング? ナンセンスだ)。

話をしていて、そこに生じたもの(ニーズ)にただ淡々と応えていけばいいだけなのだ。

それが一定数溜まれば、自ずと色々な種類とそれなりの量の成果になる、それだけのことなのである。

結局のところゴール地点は同じなのだから、わざわざ「こちらの道に進みなさい」と事前に示す必要はないのではないか?

僕はそのように思うのだ。

目標の達成率が評価の基準?

「いやいや、目標がなければ成果評価だってしようがないのでは?」

そういう声も嫌という程聞いてきた。

でも、よく考えてみて欲しい。

目標に対しての達成率(達否)が「成果」なのだろうか?

もっと言えば、目標にそぐう成果を上げた者が優秀なのだろうか?

一定程度はそうだろう。

でも、それだけではないのではないかと僕は考えている。

もっと言えば、たとえ達成率が評価基準だとしても、それ以外に素晴らしい業績を残した場合に、評価を行わないということは流石にないだろう?

「これは目標の中になかった項目だから評価しない」ということは、まずないと僕は考えている。

となると、結局のところ目標を策定していなかった項目についても評価は行う訳で、だとしたら始めから目標など置かず、成果だけで測定すればいいのでは?

評価されるからやるの?(評価されないならやらないの?)

「でもそうすると何をやれば評価されるかわからなくないですか?」

この質問も僕にはよくわからない。

評価される為に仕事をするのだろうか?

評価とはいい仕事をした結果として付いてくるものなのでは?

だとするなら、自分がいい仕事だと思う仕事を全力で行えばいいのでは?

青臭く聞こえるかもしれないけれど、本心から僕はそう考えている。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

「成果の判定というのはそんなに難しいものなのだろうか?」と僕は考えています。

僕からすれば、成果というのは誰が見てもわかり易いもので、そこに難癖をつけようとする人はそもそもマネージャーには向いていない、そのように思います。

それを突き詰めて行くと、目標なんてなくても、公平な成果査定というのは行えるのではないか、というのが僕が考えていることです。

また、先行き不透明な現代社会において、目標を先に置くこと自体がちょっと前時代的なのではないかとも感じています。

理解は難しいと思いますが、引き続き読んで頂けたら幸いです。