速い仕事術

速く働ければ暇そうに働ける
「暇そうに働きなさい」ということを言うと、「忙し過ぎて無理です」という返答を貰うことが多い。
もちろん、その気持ちはよくわかる。
確かにマネージャーは忙しい。
やることがたくさんあるし、それに加えて突発的なことにも対処しなければならない。
それはそうだろう。
でも、だからと言って、暇そうに働くことと両立できない訳ではない。
速く働くことができれば。
ただ、速く働ける人はそこまで多くない。
それは(僕が思うに)「物事の要点がわからないこと」が原因である。
今日はそんな仕事術的な話をしてこうと考えている。
それでは始めていこう。
物事の要点を掴む
僕は仕事が速い。
自分で言うのも何であるが、他の人たちの2倍か下手をすれば3倍くらい速いと自負している。
それはなぜか?
「物事の要点を掴むのが上手いから」というのが僕の回答である(偉そうで申し訳ない)。
これによって、やるべきこととやらなくていいことが明白になる。
多くの人は、僕からすればやらなくていいことをやり過ぎなのである。
でも、それがやらなくていいことなのかどうかが判断できずに、ずるずるとやり続けている。
そこに仕事が遅くなる原因があるように思う。
仕事の出来は6割でいい
よく「仕事の出来は6割でいい」ということが言われると思う。
ただ、仕事の遅い人にはその意味があまりよくわからないのではないかとも感じている。
僕の感覚では、「物事の要点を的確に捉え、それをただ相手に打ち返すと、(結果として)出来が6割くらいになる」という感じである。
意図して6割を目指している訳ではない。
スピード感を維持しながら、要点を掴み、相手に返すと6割くらいになるのだ。
そして、大抵の場合、それで事足りてしまうのである。
最初の返しが速い方がありがたい
これはマネジメントをしている人ならよくわかると思う。
部下に何か依頼をして、その報告を待っている状況を想像して欲しい。
どのようなレスポンスが望ましいだろうか?
僕は最初の返しが速い方がありがたい。
仕事の依頼に対して、「こういうイメージですかね?」と要点を捉え、速めに打ち返してくれる部下だと安心する。
でも、そうではなく、そのまま仕事を抱え込み、よくわからない出来のものをだいぶ時間が経ってから返されるととても不安になる。
それは要点がわかっているのかそうでないのかという状態が続くからだと思っている。
依頼主が安心することが重要
大事なことは、仕事の依頼主が安心することである。
「ああ、この人は私の依頼内容がわかっている」
その感触を先に与えておけば、大抵のことは丸く収まる。
というか、そこから先はあまり重要ではない。
詰めの作業はどうでもいい
物事のエッセンスだけを捉えておけば、その後の「詰め」は、正直なところどちらでもいい。
でも、多くの人はこの「詰め」の作業にこそ仕事の本質があると考えているようなのだ。
それではいつまで経っても仕事は速くならない。
初速を上げる
大雑把な言い方を許して頂けるなら、多くの仕事は6割以上やる必要がないとすら僕は考えている。
ただ、それは手を抜いている訳ではない。
ただ、ポイントを掴んでいるだけなのだ。
そういう意味においては、速い仕事術というのは「初速を上げる」ということなのかもしれない。
全ての仕事を速くすることが重要なのではなく、初速を上げること。
それが僕が考える仕事を速くする秘訣である。
手を空けておくこと
これは別の言い方をするなら「ボールを持たない」ということにも繋がる。
よくたくさんの仕事を抱えて、にっちもさっちも行かなくなっている人を見かけるけれど、そうするとどんどんと追い込まれていくことは明白である。
ましてや、マネージャーという仕事は、自分で仕事の量をコントロールしづらい職種でもある。
部下や上司からの突発的な仕事が、日常業務の間に差し込まれてくる。
それに対応する為には、手を空けている必要がある。
ボールを持った状態で、次のボールが来てしまったら、そのボールに対処することなんてできるはずがないのだ。
それはこのように書けば当たり前のことであるが、それを実践できている人は稀である。
そして、ボールを持たない秘訣というのは、(繰り返しにはなるが)要点を捉えることなのである。
意図を見つける
では、物事の要点というのはどうやったらわかるのか?
「感覚だろ?」というのが僕の偽らざる回答なのだけれど、それだと読んでいて意味がないと思うので、もう少し噛み砕いて書くとするなら、「相手の意図はどこにあるのかを見つける」ということだと思う。
「この人はこれによって何をしたいのか?」
それが物事の要点である。
その周りに色々なものがごちゃごちゃとくっついている。
そして、多くの人は、そのごちゃごちゃしたものに目が行きがちで、そちらに注意が向いてしまっているのだ。
そうではなく、意思を読み取ることを心掛ける。
形はどうだっていいはず
「それが叶うなら、形はどうだっていいでしょ?」というくらいの出来栄えものをプロトタイプとして返す。
そこにレスポンスがある(まあ大抵は外れない)。
それを基に、仕事を詰めていけばいいのである。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
相手がやりたいことを叶えること。
仕事というのは煎じず詰めればそういうことなのだと思います。
それを柔らかい段階でもいいのでまず叶えること。
そうすれば仕事というのは結果的に速くなります。
難しいことを考えずに、初速を上げていきましょう。
