やる気のない社員をどうマネジメントするか?

「諦めてしまった」社員がいるとチームの生産性は大きく下がる

ある一定年齢以上になると自分がこれ以上出世する可能性は限りなく低いな、と思う瞬間がある。

どれだけ一生懸命仕事をしても、成果を上げても、その後のキャリアは「たかが知れてる」と思い始めると、当然ながら仕事にも身が入らなくなる。

このようなある種「諦めてしまった社員」をどのようにマネジメントするか?

これはなかなか難しい問題だ。

本人にも決して悪気があるわけではない。

というか、むしろそのような状態の中でガムシャラに頑張るというのも感覚的にはちょっとおかしいような気がする。

彼らは彼らなりに合理的な行動を取っているだけだ。

現在の給与と今後の展望を計算して、それに見合うくらいの仕事を行う、それは個人としては間違った選択ではない。

だかしかし。

チームとしてはこういう社員がいると運営がとても難しくなる。

あからさまに外に出さないのであればまだましだが、中には明らかに「やる気ないですよー」という感じで仕事をするものもいる。

それを見ている他のメンバーは当然イライラする。

もしくは同じようにやる気がなくなってくる。

結果としてチームの生産性は低下することになる。

人事権がないのであれば、対処は不可能

ではどのように対処すべきなのか?

本来的には降格とか減給とか解雇とかそういった人事的な処分ができればいいと思うのだけれど、ここではそういった権限がない場合の対処法を考える。

結論から言おう。

対処すべき方法はない。以上。

おいおい、と思われるかもしれない。

でも本当なのだ。

現実的には対処すべき方法はない。

もちろん僕も過去そういった社員をモチベートしようと試みたり、脅したり宥めすかしたり、色々な方法を試みた。

それによって一時的には改善するものの、しばらくするとまた元通りになる。

というか、もう少し厳しいことを言うと、そういう社員だからそういう状態になるのだ。

多少周りが見えていたり、自分の状況とチームの状況を客観視できたりする社員は、一度注意されたりすると、その態度を封じ込めるようになる。

そのように「歯を食いしばれる社員」はこのカテゴリーには属さない。

僕が言っているのはそれすらもできない社員だ。

自分が組織の被害者であり、過去の不幸の犠牲者であり、キャリアが頓挫しているのは他の誰かのせいであり、だからこのような働きぶりでも仕方ないのだ、と思っている社員のことだ。

「諦めてしまった」社員がいても結果を出せるような仕組みを構築するしかない

もちろん同情の余地はある。

自分の努力ではどうにもならないこともあっただろう。

でもそんなこと言ったら誰しもがそうなのだ。

そのような感情を抱えながら誰だって働いている。

被害者面してその感情をまき散らす態度には本当にうんざりする。

本当は異動するなどしてチームから外すべきだと思うのだが、マネージャーにこの権限がない場合、あったとしてもそのような社員はどこにでも1人はいるので抱えて欲しいと言われている場合、できることは1つだ。

悪影響をなるべく少なくする。

これしかない。

そのような状態でも結果を出せるような仕組みを構築するしかない。

これはその社員のパーソナリティによって異なるのだけれど、その人が「まだまし」と言えるような仕事ができる領域は何なのかを探り、その部分を任せる(外注する)というのが現実的な解だと思う。

できれば他の社員が物理的な時間を取られていたり、精神的な負担になっている仕事をアウトソーシングしてしまう。

雑用に近い仕事を任せるようにする。

もちろんこれは最終手段だ。

徹底的に長所を探り、それでも「お手上げ」となった場合には、上司とも相談の上、このように対処するしかない。

実質1人欠員の状態で戦うしかない。

やる気が出ないのは仕事以外が原因である場合もある

個人的な経験からすると、ここまで至る社員は稀だ。

大抵の社員はこの前の段階で何かしらの得意分野があるので、そこを任せることにする。

本人も相対的には得意な分野なので、少しおだててあげると、気持ちよく働くようになる。

本当はこの辺で止めておきたいけれど、現実的にはこれよりも厳しい社員がいることも事実だ。

その際には徹底的に話し合ったり、最善を尽くした上で、「事に当たる」しかない。

でもできればそれは避けたい。

それを避ける為に本当に社員の状況に関心を持って、なぜやる気がでないのか、をひたすら探るしかない。

家族の状況や健康面や思いもかけない悩みが出てくる場合もある。

その際には今までの自分の接し方を反省し、真摯に取り組むようにする。

結果として期待水準までは至らないかもしれないけれど、チームには貢献するくらいの仕事をしてくれるようになったりもする。

一面的に「こいつはやる気がない」と決めつけるのではなく、何とか使える方法はないだろうかと考えることが本当に大事だ。

そういう風に仕事をしていると、ごく稀にその社員が見違えるような動きを見せたりする。

そんな奇跡は滅多に起こらない。

でも、ないこともない。

それを信じて。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

組織の中に長くいると、その矛盾の大きさやあまりの節操のなさに、真面目に働いているのが馬鹿らしくなる瞬間があります。

その時に僕が心掛けているのは「腐らない」ということです。

人の評価なんていうものはとても流動的で、ある種テキトーなものです。

そんなものに拘泥するのではなく、自分が気持ちよく働くためにはどうしたらよいか、ということにベクトルを向けた方が建設的だと思います。

いつかどこかで環境が大きく変わるタイミングが来る。

その時まで周りのやる気を削ぐことのないように愚直に働き続ける。

感情の波に時に溺れそうになりながら、そんなことを僕は考えています。