良い時と悪い時の違いはそこまで大きくない

UnsplashSusan Q Yinが撮影した写真

微細な差異が大事

マネジメントという仕事をしていると、チームの状態が良い時と悪い時があることに気づく。

そしてそのような好不調の波は避けられない、ということも。

では、その原因とは何なのか?

どうすれば、良い時をできるだけ長く、悪い時をできるだけ短くすることができるのだろうか?

この問題を僕はかなりの時間考えてきた。

そして現在時点における結論は、「そもそもの話として、良い時と悪い時の間にそこまで大差はない」ということである。

でも、「ただし」という言葉がそこには続く。

「ただし、そのような微細な差異が重要なのである」

僕はチームの好不調の要因を「体温」という表現を使うことが多い。

それは今まで何の気なしに使っていたものであったけれど、改めて振り返ってみると、結構芯を食った言葉なのではないか、と思ったので、今回はそれを文章にしてみようと思う。

もしかしたらチームビルディングの参考になるかもしれないので、是非読んで頂けたら幸いである。

それでは始めていこう。

好不調は自然現象のようなもの?

チームの良い時と悪い時。

この違いを考えたことはあるだろうか?

僕はある。

でも、よくわからない、というのが本当のところである。

スポーツの世界でもそうだと思うけれど、好不調というのは、風向きや波という言葉に例えられるように、自然現象に近いものと捉えられているような気がしている。

では、それに従うしかないのか、というとそうでもないのではないか、と僕は考えている。

それが僕が考える「体温」というものである。

チームのベースの体温を上げること。

それが好調を長くし、不調を短くする。

僕はそのように考えている。

1℃違うとだいぶ違う

これは同時に、36.2℃と36.7℃ではそこまで体調に違いがない、ということも示している。

でも、35.7℃や37.2℃だとちょっと違和感があるかもしれない。

もっと言えば、35.2℃や37.7℃だと調子が崩れていると感じるかもしれない。

そのような差異。

それがチームの運営には大事だと思うのだ。

ちょっと高めくらいの体温が丁度いい

僕はこれを高めに維持することが良いと思っている。

もちろん、体温と同じように、高すぎるのも問題だ。

ハイテンポ、ハイペースの状態は長く維持できない。

でも、だからと言って、低過ぎては活動が鈍ってしまう。

その匙加減。

ただ、同時に、体温というのは意識して上げるのが困難であるとも言える。

高めに保とうと思って、簡単に保てるものでもないのも事実である。

では、それをどうやって実現するのか?

冷やさないことが重要

逆説的な表現になってしまうけれど、「冷やさない」ということが重要だと僕は考えている。

体温を上げることは難しくても、下げないようにすることは出来なくはない。

そして、体温を下げるような事象というのは会社で働いているとたくさん起こる。

これをいかに減らすか?

それがチームの好調を維持する秘訣であるように僕は考えている。

意味不明な事態にどう向き合うか?

仕事をしていると、たくさんの意味がわからないことが起こる。

論理的にも、数理的にも、どう考えても納得しがたい事象が起こる。

でも、「仕事だから」と言い聞かせて、僕たちはそれを(不承不承ながらも)続ける。

1度や2度であれば、そこまでダメージはない。

しかし、それが続くと、それも恒常的に続くと、仕事に対する熱量が落ちてくる。

言葉の文頭に「どうせ」という文字が付いてきてしまう。

これがチームに蔓延すると、確実に体温が下がってしまうのだ。

だから、これをできるだけ減らしたい。

でも、そうは言っても、会社で仕事をしている以上、やむを得ないことだってある。

どうやっても、意味がわからない仕事はなくならない。

そのような攻防の中で、僕たちマネージャーにできることは、「理解を示す」ということなのだと思う。

一緒にダメージを受けることが大事

もちろん、物理的にというか、絶対量自体を減らせればそれに越したことはない。

そもそもの体温を下げる要因を減らすことができれば、それは最高だ。

ただ、現実問題として、そんなに簡単ではないことも事実である。

それなら、それが体温を下げる事象であることを、マネージャーも理解し、共に喰らう(共感する)ということが重要なのではないかと僕は考えている。

体感温度を変えることはできるはず

これは「排除しない」ということでもある。

「それはそれ」として外部化し、でも体温は上げてね、というのは卑怯なやり口だし、そのような態度をマネージャー自身が取ると、体温は2倍下がることになる(事象自体で体温が下がり、マネージャーの行動によって更に体温が下がるから)。

それを防ぐ。

もちろん、だからと言って、現実は変わらない。

体温を下げる事象は事象として、そこに存在し続ける。

でも、共にそれを味わっている人がいれば、いると思えれば、体感温度はだいぶ変わるのではないか?

もっと言えば、体を寄せ合うことで、体温低下を多少は防げるのではないか?

僕はそのように考えている。

おしくらまんじゅう

そして、それを続けることで、チーム自体の代謝機構自体が変わり、ちょっとしたことでは体温が下がりにくくなる。

チームが一つの塊のようになり、ある程度の理不尽には耐えられるようになる。

このような状態がチームの好調を維持する為には必要である。

チームの熱を冷やさないような運営を。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

会社では本当にたくさんの理不尽なことが起こります。

ただ、我々はマネージャーなので、そのような事態を飲み込んで仕事をしなければならないこともたくさんあります。

でも、それを続けると、チームの体温は確実に下がります。

チームの調子が良くないのは、何か分かり易い要因があるのではなく、このような体温低下が原因であると僕は考えています(西洋医学と東洋医学のようなイメージ)。

本文中にも書いたことですが、少なくともマネージャーの行動によって、更にチームの体温を下げることがないようにしていきたいものです。

気温が低くても、風が収まれば、耐えられることも増えます。

体を寄せ合って、戦っていきましょう。