信頼される顔を作る
言行一致の結果が顔となる
信頼される人とそうでない人の違いとは何なのか?
それを最近考えている。
このブログ内ではその結論の1つとして「言行一致」を上げているけれど、それは中長期的な射程の中における話であって、短い時間軸において人を見分ける重要な要素に「顔」があると思っている。
これは「男の顔は履歴書、女の顔は請求書」という言葉に繋がるのかもしれないし、レヴィナス的な議論に繋がるのかもしれない。
でも僕が現時点で考えているのはもっと単純なことで、「言行一致の結果が顔となる」ということだ。
もう少し詳しく説明する。
短期間に信頼感を醸成するためには?
マネージャーには信頼感が不可欠だ。
中長期的に安定して高い成果を挙げる為には、マネージャーに対する心理的安全感が必要となる。
その人が率いるチーム内においては「何をやっても大抵のことは許される」という安心感が部下にリスクを取らせ、結果としてそれが大きな成果に繋がっていく。
マネジメントにおける要諦は、この信頼感をいかに醸成するか、に尽きると思う。
信頼感だけあれば、大抵のことは上手くいくと言っても過言ではない。
少々の失敗であれば、それはポジティブに受け止められるからだ。
すべてのことが順回転に進んでいく(というか、信頼感がなければ、どんな善意であっても逆に捉えられてしまう)。
では、この信頼感を醸成するプロセスをできるだけ短期間に行うためにはどうしたらいいのか?
それが今回のテーマとなる。
人は顔によってその人の信頼性を判断している
もちろんある程度の期間を共にするチームであれば、マネージャーのパーソナリティはチームメンバーに理解されていくだろう。
でもそれにはある程度の時間がかかる。
1年とか、2年とか、そのくらいの「年単位」の時間がかかる。
当たり前の話だけれど、それまでの期間においてもマネージャーは成果を挙げ続けなければならない。
それを為すために重要なのが「顔」だと僕は思っている。
時間軸を最小限に縮めると、「初対面」ということになる。
この初対面の場面において、僕たちは相手のどの部分をもって、「信頼できるか否か」を判断しているのだろうか?
もちろん人によって違いはあると思うが、顔を見て判断しているのではないだろうか?
そしてそれは無意識的ではないだろうか?
僕らの脳内にある過去の経験というデータベースを探って、信頼できた人とそうでなかった人と照合していく。
そこで信頼性を「%単位」で計測していく。
結果として出力されるものが部下のマネージャーに対する行動となっていく。
通常のプロセスにおいては、この「デフォルトの信頼感指数」を上げていくべく行動していくのであるが、この出発の数字が高いことに越したことはない。
発射台が高ければ、短期的に信頼という領域まで持っていくことは容易となるからだ。
能動的に顔を作っていく
僕は営業の経験が長いので、お客さんの顔によって、その信頼感指数を瞬時に判断している。
これは感覚的なものなのでなかなか文章に落とすことは難しいし、営業の本にもあまり書いていないことなので普遍的なものではないのかもしれないが、僕はそれで大体のことを判断している(もう1つ付け加えると、「歩き方」というのがあるのだけれど、またそれはどこかで機会があったら書こうと思う)。
占い師が相手をどのように判断しているのかはわからないが、僕の感覚はきっとこの占い師の感覚に近いものなのではないか、とは想像できる。
直感、というか、第1印象というか、それは顔によって判断される。
そしてその顔を作るのはその人の価値観や生き方によるところが大きい。
当たり前のことを言っているのかもしれないが、これを能動的に行うか、結果論として受け止めるか、ではそのスタンスが大きく異なると思っている。
志向性が顔を作る
マネージャーとして成功するためには、人間性が優れていることが絶対に必要だ。
その器の大きさがマネージャーとしての成功度合いに比例する。
だがその器というのは残念ながら天性のものであることが多い。
ではマネージャーは無力なのか、努力のしがいのないものなのか?
そうでもない、と僕は考えている。
もちろん第1級のマネージャー(リーダー)になるためにはそれが必要だろう。
でもそこそこのマネージャー(レギュラーとして戦えるくらい)であれば、その差は努力で埋め合わせることができる。
抽象的な話になってしまったけれど、向上しようとして本を読んだり、資格試験を受験したり、学校に通ったり、セミナーに行ったり、そういう自助努力をしていると自然とそういう顔ができてくる。
同じ時間にきちんと起きて、同じ時間にきちんと出社していると、自然とそういう顔ができてくる。
逆も然りだ。
だから全て品行方正でいなさい、ということではなくて、そういう意識を1つ持つだけで、日々の行動は少しずつ変わっていくものだと思う。
その総体が言行一致となる。
何だか宗教がかってきてしまったのでこの辺で終わりにする。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
営業課長として初対面のお客さんとどれだけ短時間で打ち解けられるかは死活問題です。
担当者と違って、時間をかけて信頼関係を築いていくというのは時間的になかなか難しいですし、それこそ会うのは1回だけというシチュエーションもよくあるからです。
もちろん話の内容(コンテンツ)によっても信頼度は変わってくるだろうとは思うのですが、「初見」の状態において、どうやったら自分の言葉を信じてもらえるのか、というのが今回のテーマの出発点となったものです。
これは「対お客さん」だけでなく、「対部下」においても重要だと思います。
この信頼を勝ち得るという工程をできるだけ早く完了させること、それがマネジメントにおける成功のカギです。
いい顔があれば、いい仕事をできる確率が上がります。
コツコツと積み上げていきましょう。