提出物を出された時に反応する
基本的だけれど難しいこと
今日はとても基本的なことを話す。
それは「何か提出物を出された時にはきちんと反応を示しましょう」ということだ。
当たり前だって?
いや、これが正直なかなかできないのだ。
特に忙しい時や気分がすぐれない時には。
イライラしている時には無視してしまいたくなる。
でも、これはNGだ。
愛想良く、とはいかなくても、少なくとも声を出すこと、反応を示すことが必要だ。
それをしないと部下が遠慮するようになるからだ。
マネージャーの顔色を伺うようになるからだ。
手近の人間に甘えてしまう
僕自身は喜怒哀楽を表に出すタイプのマネージャーであると自覚している。
よく部下からは「わかりやすい」と言われる。
そういう意味において、イライラしている時もイライラしているという感情が出てしまいがちだ。
その矛先は自分であったり、本社の人間であったり、上司であったりするのだけれど、少なくともその原因が部下でない場合には、それをぶつけるのはお門違いだ。
でもイライラしている時は、こういう「当たり前」のことができなくなって、手近の人間に当たるようになってしまう。
それが最もよく表れるのが、この提出物が出されるタイミングだ。
直接的にイライラをぶつけることはなくても、何となくブスっとしてしまったり、無視してしまったりしてしまう。
冷静な時にはそのように思えるのだけれど、その時にはそうは思えない。
やり場のない怒りを消極的に発散させようとしてしまう。
今でも完全にできている訳ではないけれど、僕はこれを意識することで多少はマシになってきていると思う。
マネージャーの反応は思いのほかみられている
嫌らしい言い方をすると、マネージャーは1対1の関係性の中で部下から判断をされるわけではない。
ある人への反応を他のメンバーも見ている。
それによってマネージャーの機嫌を把握している。
その人の好き嫌いだけでなく、自分の感情の揺れ動きによっても、反応は変わってしまうということを自覚しているだけで、チームへのマネージャーの意思表示は少しだけ円滑になる。
中には投げるように提出物を出してくる部下がいたり、置き方が気に食わない奴もいるけれど、それもできるだけ流すようにする(もちろん度が過ぎたら注意すべきだ)。
たぶん彼らには悪気はないのだ。
そもそも意識すらしていない。
お互いの間合いを頻度良く測る
これは挨拶と性質の近いものだと思う。
挨拶をすることで直接的にチームの生産性が上がるわけではない。
でも挨拶のないチームは生産性が上がらない(上がりにくい)。
これは何というか礼儀という問題とは別に、小さなコミュニケーションによってお互いの間合いを頻度良く測るということが大事なのだと僕は考えている。
先述したように、相手の気分や状況を労力をかけずに把握していく。
日中においても、それをアップデートしていく。
そんな感じだ。
小さな反応のやり取りが結構重要だったりする
雑談というのもここに含まれる。
もちろん雑談にはコミュニケーション以上の重要性があるので、別項目で書いていて、そちらを参照していただきたいのだけれど、ここで取り上げたいのは、相互のレスポンスというか、小さな反応のやり取りがチームマネジメントには結構重要なんですよ、ということだ。
僕の場合は、半強制的にこの「提出物が出される」「反応する」という行為が何度も繰り返されるので、これを利用しているに過ぎない。
毎日自発的に何か発信しようとすると疲れてしまうし、たぶん僕のキャラクターには合わない。
でも、何らかのコミュニケーションを取らなければチームは円滑に回らない。
「朝一に下らないことを言う」というのもその一種で、何らかの形でマネージャーの考えやその時の感情を発信していった方が、チームはシンプルかつ快活になっていく。
部下の方が大人で、僕の性格もよくわかってくれているけれど…
もちろん人間的に「よくできた」人であれば、全部のレスポンスを素晴らしいものにできるのだろうけれど、僕の場合は正直言って濃淡がある。
忙しい時やイライラしている時は「うっす」くらいの反応になってしまうことも事実だ。
それでも何も反応しないよりはマシだと思っている。
マネージャーのキャラクターの浸透度合いにもよるけれど、僕の場合は部下達の方が大人なので、僕がこんな感じの時には僕の感情を理解し、そっとしておいてくれる。
そして彼らは僕が部下を蔑ろにする人間ではないことも理解してくれている。
そういうコミュニケーションの根幹にかかわる部分に信頼関係があれば、チームというのは回っていくものだ。
日々のコミュニケーションを円滑にするために
よく「ホウレンソウがない!」と怒鳴っているマネージャーを目にするけれど、日々のやり取りが「普通」であれば、そんな風に思うことはないと僕は思っている。
できるだけメンバーとマネージャーの間の垣根を低くしておけば、情報というものは勝手に入ってくるようになる。
そして大抵の場合原因となっているのはマネージャーの側なのだ。
今回は提出物が出されるタイミングについてお話ししたけれど、その他のメンバーと接するタイミングをもう少し心地よいものに変えるだけで、チームマネジメントの難易度は大きく変わる。
自分のキャラクターを自覚して、できるところからやっていこう。
それではまた。
いい仕事をしましょう、
あとがき
カート・ヴォネガットの小説にもあるように、コミュニケーションにおいて大事なのは「応答」それ自体です。
コンテンツよりも、そのやり取りこそが尊い。
僕らの日々のやり取りは結局のところ、「私はここにいる」「あなたがそこにいてよかった」という言葉による毛繕いに過ぎないのかもしれません。
でもその毛繕いこそが重要です。
ギスギスした職場において成果が上がりにくいのはこういう微細な事柄の積み重ねが上手くいっていないからだと僕は思っているのですが、なかなか理解されないのが現実です。
職場環境を良くするというのはあくまでも手段であって、目的は成果を上げることです。
楽しく機嫌よく働いていきましょう。