部下に慕われる上司とは?
部下に慕われたかった。でもなれなかった。
あなたは部下に慕われる上司になりたいですか?
今日はそんな質問から文章を始めてみる。
僕はなりたい。
というか、なりたかった。
でも、なれなかった、というのが正確な表現だろう。
それは(全て)僕の人間性の貧しさに起因するものである。
僕は慕われる上司の器ではない。
ただ、それなりに、マネージャーとして仕事を続けられていることも事実である。
そんな僕が言えるのは、慕われようとしたって慕われないよ、というある種当たり前の事実である。
それでは始めていこう。
身の丈に合ったやり方をするしかない
僕は8年以上マネージャーという仕事をやっている。
その中で時期によって部下への感情は揺れていったものである。
特にマネージャーになり立ての頃には、慕われるような上司になりたいという気持ちを持っていたと思うし、そのように振舞っていたようにも思う。
僕ではない、ある種の理想像というか、モデルのようなものを持ってマネージャーという仕事をやっていたような気がする。
でも、その時期を経て、あまりうまくいかないことに気づいて、そこからは自分は自分でしかないのだから、身の丈に合ったやり方をすればいいのではないか(というかそれしかできないし)、と考えてからは、部下に慕われたいとはあまり思わなくなった。
嫌われなければいいか、というような感じ。
これが僕がよく言う「部下との関係は普通でいい」ということである。
そして、その思いは現在もあまり変わらない。
仕事としてやっているだけ
僕は部下の機嫌を取ったり、何らかの配慮をしたり、それこそお世辞を言ったり、そういうことはあまりしない。
もちろん、マネージャーとして、最低限のことはしているという自負はある。
でも、それはあくまでも仕事としてしているだけであって、それ以上の感情は僕にはない。
敬って欲しいとか、慕われたいとか、好かれたいとか、そのような感情はないのだ。
みんな距離感がバグっている
これは別に強がっている訳ではないし、謙遜している訳でもない。
単純に部下(というか他人全般)に興味がないのである。
職場というのは友達を作るところではないし、当然ながら家族といる場でもない。
それならそれなりの距離感でいいのではないか、と僕は思っている。
でも、僕から見える多くの人は、この距離感がバグっていて、必要以上に距離を詰めようとして、無用なイザコザを引き起こしている。
今回のテーマに即して言うなら、部下に慕われようとして部下から嫌われている上司というのはとても多い印象だ。
そして、少なくとも、そのような上司たちに比べ、僕は結果的に部下に慕われているとは思っている。
いや、慕われているというか、嫌われてはいない、という方が正しい表現かもしれない。
ただ、多くのマネージャー達が愚痴る「最近の若手は飲み会に来ない」とか、「冗談も言えない」とか、そのような話は一切僕には関係がないのも事実である。
慕われたいと思っていた時よりも、慕われているという不可思議
僕はよく部下から飲みに誘われるし、冗談ばかり言われている。
不思議なものである。
それは周囲の人たちと比べてもそうだし、過去の自分と比較してもそう思う。
僕は関係性を近づけたいと思っていないのに、結果として近づくことがある。
そして、それでいいのではないか、と最近では思っている。
かつての僕ではできなかったようなことが、今は実現できている(望んではいないのだけれど)。
それはなぜなのだろうか?
白いご飯的人間関係論
もしかしたら部下に慕われたいと思っている方もいるかもしれないので、以下には僕なりの方法論みたいなものを書いていこうと思う。
と言ってもそんなに大層なものではない。
イメージとしては、「薄味」というのが僕が大事だと思っていることだ。
味付けを濃くしない。
どうも多くの人の人間関係(特に職場において)は、味が濃すぎるのだ。
だからすぐに飽きられてしまう。
もちろん、意気込みはよくわかる。
一度に距離を詰めたい、仲良くなりたい、慕われたい、そのような感情がそこにはあるのだろう。
でも、僕が思うのは、時間を味方に付けて、「この人は害悪がない」ということを理解して貰うことの重要性である。
そして、白いご飯のように、毎日食べても飽きないよね(別に好きでも嫌いでもないけど、ないと何となく寂しいよね)というくらいの味付けが望ましい、ということである。
押し付けがましくなく、フラットな状態でいること。
それが職場において良好な関係性を築くコツであるような気がしている。
アットホームな職場(笑)
繰り返すが、これは友人や恋人や家族との関係性を築こう、という話ではない。
あくまでも職場における人間関係の話だ。
それをあまり混ぜてはいけないように僕は思う(混ぜるな危険!)。
でも、多くの人は「アットホームな職場」に無意識的に憧れているように思うのだ(そんなのはダメな職場を表現する典型的なフレーズだと知っているはずなのに)。
だから、適切な距離を置き、適切な敬意を払っておけばいい(あとは相手が慕うかどうか決めることだ)、というのが、今日の結論となる。
つまらない話になった。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
マネージャーの仕事はケツを拭くこと(だけ)である。
何年もマネージャーをやってきた僕はそのように考えています。
それ以外はあまり出番がない方がいい。
それはマネジメントが上手くいっている証拠でもあるから。
「課長は暇そうでいい」
「部下との関係性は普通でいい」
このブログの立ち上げ当初から考えていることは今も全く変わっていません。
淡々と薄味の仕事をしていきましょう。