いい雰囲気の作り方

UnsplashCherrydeckが撮影した写真

いい雰囲気が作られるような状態を呼び込む

冒頭から訂正を。

「作り方」とタイトルに書いたけれど、いい雰囲気というのは作るものではなく、作られるものである。

だから、意図的に「作ろう」とするのではなく、結果として「作られてしまう」というのが正しい表現ではあると思う。

でも、それだと分かりづらいので、今回は敢えて「作り方」という書き方をしているのだ。

ここをまずご理解頂きたい。

そして、これが今回言いたいことでもある。

いい雰囲気というのは、自然と作られるものである。

作為的にどうこうできる訳ではない。

ただ、だからと言って、何もしなければ(当然のことであるが)何も起こらない。

では、表現を少し変えて、「いい雰囲気が作られるような状態を『呼び込む』為にはどうしたらいいのだろうか?」ということを考えてみたらどうか?

今日はそんな話である。

僕のチームは雰囲気がいいようだ

僕のチームは雰囲気がいいと言われることがある。

それも様々なチームにおいて。

そして、何か方法があるのかと問われることもある。

その度に、「別に何か特別なことをやっている訳じゃないんだけどなあ…」と思う。

ただ、それだけだと折角読んで頂いても何にもならないので、今回はそれを言語化してみようという試みである。

環境を整え過ぎない

僕が最近考えているイメージは、「環境を整え過ぎない」ということである。

これは公園のようなものを考えて頂くとご理解して頂きやすいような気がする。

何というか、「このように遊びなさい」というような方針を明確にせず、子供たちがその場から遊びを見つけるような場所にしておく(好きなように遊ばせる)、そんな感じなのである。

そういう意味では、遊具はいらないのかもしれない。

また、コンクリートで地面を固めたり、綺麗な芝生を用意したり、しなくてもいいのかもしれない。

ある程度自然のままの状態を残しておくようなイメージ。

虫がいたり、花が咲いていたり、雑草があったり、そこで提示された遊びではなく、遊び自体を見つけていくような状態。

それが僕が考えるチームビルディングである。

先回りすることの弊害

これは自発性ということにも関係してくる。

よく「部下が受け身で困る」というような相談を受けるけれど、そこにはそのような受け身の部下を誘引するような状態が関係している場合もそれなりにあるように僕は思う。

部下を自発的にするには、「このような仕事の仕方が正しい」というような明確な提示を先回りして教えない方がいい。

上記した公園の例えで言うなら、遊び方(仕事の仕方)は部下それぞれでいいのである。

でも、多くのマネージャーはそれを許容していないように僕には見える。

綺麗な公園が望ましい、ケガをしたり、虫に刺されたりしないような状態が望ましい、その中で提示された遊び方をなぞることが良いことである、そんな風に僕には思える時がある。

それは決して間違いではない。

そしてその方が統制しやすいというのも事実だろう。

でも、両取りはできないぜ?

部下に自発性を求めるなら、そこにある不確定要素を受け入れる必要がある。

リスクを取らなければ、リターンは得られない。

余計なヘッジはいらない。

僕はそのように思うのである。

自発性がないところに、いい雰囲気は生まれない

そして、マネージャーがそのような思考を持っていると、部下は徐々に自我を出すようになる。

もちろん、会社という環境なので、その自我の出し方というのは、そこまで強烈なものではない。

でも、確実にあるのだ。

それは時に軋轢となったり、不和に繋がったりもする。

面倒事が増えることもよくある。

ただ、それを受け入れられなければ、自発性なんてものは生じない。

そして自発性のないところに、いい雰囲気は生まれないのである。

自発性が生じるような状態を放置しておくこと

そういう意味では、冒頭に書いたいい雰囲気が作られるような状態を「呼び込む」為には、部下の自発性を尊重することが大事、と言えるのかもしれない。

いや、「尊重する」というのは大仰だ。

「放置する」という方が正確な表現かもしれない。

ある種の悪ふざけみたいなものを放置しておくこと。

自由に、好きなように、遊ばせておくこと。

それが僕が考えるいい雰囲気を呼び込む秘訣である。

ボケとツッコミ

そしてそこではマネージャー自身もそのように遊ばなければならない。

もちろん、監督者(保護者)であるので、我を忘れて(忘我状態で)遊び惚ける、なんてことは流石にできないけれど、時に羽目を外すというか、リミットを解除するというか、そういうことも大事なのだと僕は思う。

泥んこ遊びは汚れるからダメだと言いながら、自分が一番楽しんでしまっていたりするような感じ。

それを部下から咎められる(窘められる)ようなイメージ。

このような連環。

ボケとツッコミの入れ替わり。

そう。

マネージャーだって、時にボケていいのだと僕は思う。

ツッコミばかりでは息が詰まるから。

ボケていきましょう

ツッコミというのは、正しいことを言う役割だ。

常識に基づいて話をするのがツッコミの役目であり、マネージャーの仕事である。

でもそれだけではいい雰囲気は作られない。

意図的なボケや天然のボケ。

そのような人間味の開示。

それが部下の心理的安全性を生み、自由で闊達なチーム作りに繋がるのだ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

ツッコむのがマネージャーの仕事。

そのように捉えている人が多いように僕は思っています。

もちろん、その人たちは自分の仕事がツッコミだとは思ってはいないと思うのですが、大事なのは、あまり自分の役割を規定しないことなのかなと最近は思っています。

本文にもあるように、ボケとツッコミの入れ替わりがチーム内で活発に行われるようになると、チームは自発的となり、いい雰囲気が生まれるようになります。

そして、その為には、マネージャーも積極的にボケていく必要があります。

時に的外れなことをやっていきましょう。