マネージャーだって褒められたい

UnsplashKevin Butzが撮影した写真

あなたが褒められたいなら、部下だってきっと褒められたい

マネージャーになってから褒められなくなったと感じませんか?

僕はそれを通り越した心境にいるけれど、若手マネージャーからそんなことを言われて、「確かに褒められたいだろうな…」と思ったので、今回はそれを文章化してみようと思っている。

そして、これは翻って「部下だって褒められたい」ということを思い出させることにも繋がる。

褒めることに抵抗を感じるマネージャーは多いが、これがカジュアルにできるようになると、部下の士気は上がり、成果も上がるようになるので、是非身に付けて貰いたいスキルである。

と言っても、「いや、褒めるのは苦手で…」という人は多いと思うので、まずは自分だって褒められたいですよね、というところから話を展開してみようと考えている。

それでは始めていこう。

報酬=金銭?

「報酬とは金銭のことである」

何だか思想的な話し出しになってしまったけれど、そのように考える人が増えているように感じている。

「頑張りの尺度=ボーナスの額」というか。

もちろん、このような考え方を否定したい訳ではない(僕だってボーナスはたくさん欲しい)。

でも、金銭的対価だけを考えて仕事をしていくと、これはこれで貧相になるというか、仕事はつまらなくなるようにも感じている。

コスパ至上主義は何だか貧乏くさい

それは以前書いた「コスパ至上主義」みたいなものにも関係してくる。

コスパを高めることに注力し過ぎると、仕事はどうしても痩せ細っていく。

そして、それが職場全体で行われ出すと、何だかケチ臭い(かつ貧乏くさい)雰囲気が蔓延するようになる。

コストカットは簡単だが、安易だ

成果主義の弊害として、特に導入初期の頃に行われた「コストカットで成果を出す(出したように見せる)」ことがあるように僕は思っている。

成果というものを測る際に、パフォーマンスを上げるよりもコストを下げる方が簡単で、特に無駄が多い会社においては、それをやることで成果が上がったように見せることは、いわば誰だってできることである。

僕の体感も含まれるが、世の著名な経営者の中にも、このようなやり方で名を馳せている人はとても多いし、それ自体を否定したい訳ではない。

でも、安易だよな、とは思う。

そして、それによって、日本社会は元気がなくなったようにも感じている。

コスパと絶対値

無駄を省くことは基本的には良いことではあるけれど、そこにある遊びのようなものが失われることも事実であり、それによってイノベーションの芽は確実に減ってしまう。

将来的に花開くかもしれないもの(花開かないかもしれないもの)よりも、目の前のコストカット。

それによる成果評価。

わかりやすい金銭報酬。

これが日本社会の活力を削いでいる側面もあるのではないか?

そんなことを思う。

そして、そんな大風呂敷を広げたところから、今日のテーマに戻ってくると、人を駆動させる為に、金銭的対価で釣るだけなく、褒めたり、認めたり、称えたりすることで釣る方法もあるよ(あなただってそうでしょ?)ということがある。

足りないものは?

ここで1つ問いを。

「あなたが仕事で足りないと思うものは何ですか?」

また1つ別の問いを。

「あなたが今以上に仕事に熱心に取り組むために必要なものは何ですか?」

金銭的報酬だろうか?

まあそれも欲しいのは事実だ(僕だってカネはたくさん欲しい)。

でも、それだけでは限界があるようにも思う。

というか、充実感という意味においてはあまり効果を及ぼさないようにも思う。

少なくとも、僕は「認め」が欲しい。

上司や会社に「よく頑張っているね」と言って欲しい。

それがあれば、別に給料やボーナスが現状のままでもいいかなとすら思うのだ(もちろん、頂けるものならたくさん頂きたいが…)。

そして、それはきっと部下も同じなのでは?

それをあなたは部下に対してやっていますか?

というところに話が繋がっていくのである。

褒められない上司にはなりたくない

部下を褒められない上司は多い。

僕が仕えたたくさんの上司もそうである。

もちろん、仕事はできるのかもしれない。

でも、そういう上司には僕はなりたくない。

だから、僕は違う行動を取る。

僕は部下を褒める。

というか、面と向かって褒めるのはやや気恥ずかしいので、認めたり、称えたりしている(この辺は以前書いたブログをご参照)。

よく頑張っているね

最近僕がよく使うフレーズは「よく頑張ってるよな」というものである。

これが「褒め」なのかはよくわからないし、部下に刺さっているかは不確かではある。

でも、僕なりの「認め」であると思っている。

そして、僕にとってはこのフレーズは割と自然に話せるのである。

それはきっと僕自身がそのフレーズを欲しているからなのかもしれない。

たとえ部下の水準が低くても見に行けば見つかるはずだ

自分が言って欲しいと思う言葉。

それをあなたも部下に対して言うべきである。

もちろん、そんな水準の部下ばかりじゃないんだよな、という気持ちもよくわかる。

でも、何らかの努力や頑張りのようなものは、部下の行動を見に行けば見つかるはずである。

それを1on1の場面や、何気ない場面で言う。

それだけでチームの成果は大きく変わる。

言うだけタダだ。

是非やってみて欲しい。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

自分の言葉の質を保つこと。

安売りしないこと。

そういうことの積み重ねが、褒めや認めといった今日のような話の時に効果を発揮します。

「この人はテキトーなことは言わないよな」

「その人がこうやって言ってくれているのだから…」

というような構造。

それが僕のやり方です。

どんどん部下の良い行動を見つけ、褒めていきましょう。