ネガから入る人たち

UnsplashNikが撮影した写真

新しい物事に拒否感を示す人ばかり

当に中年と呼ばれる歳になったのだけれど、それでも違和感を抱えたまま仕事をしている。

それは「ネガティブな反応から物事に入る人たちばかり」であるという事象に対してである。

確かにこれでは若者たちは嫌になるよな。

そのような事態に、僕だって未だによく出くわすから。

旧態依然。

前例踏襲。

そのような言葉を挙げなくても、新しい物事に対して拒否感を示す人は多い。

これは安定を求める人間の本能的傾向であるから、やむを得ない部分はあると思う。

本能に従ってニュートラルに反応するなら、それが正しい反応なのだ、きっと。

でも、そのような反応ばかりだと、新しい物事をやろうという機運は薄れてくる。

僕はよく「自発的な意見が出てこなくて困っている」という相談をマネージャー陣から受けるけれど、「そりゃそうだろうな」というのが正直な感想である。

自発的な意見を言うと、露骨に嫌な顔をされるなら、誰だって意見を言わなくなる。

それが蓄積しているから、そういう職場の雰囲気になってしまうのだ。

それを変えるには、まずはあなた自身がネガティブな反応から物事に入ることをやめる必要がある。

何だか書きたいことは書いてしまったような気もするけれど、取り敢えず始めていこう。

新しいことは面倒くさい

物事への受け止め方。

ポジティブに受け止めるか、ネガティブに受け止めるか。

僕の体感では、これはポジ10%:ネガ90%くらいの感覚である。

もちろん、若い世代であれば、この割合はもう少しポジティブ寄りにはなる。

でも、往々にして、みな拒否から物事に入るような気がしている。

それは冒頭にも書いたように、新しいことというのは面倒くさいからである。

どんよりとした職場は皆のせい

折角滞りなく日常を送っているのに、それをかき乱されたくない。

それは人間として当たり前の反応であるように思う。

ただ、そのような当たり前の反応が職場に溢れると、多くの物事が前例踏襲的となり、職場がどんよりとしてくる。

「誰かのせい」ではなく、「皆のせい」なのだ。

それなのに、「何だか皆暗い顔をして仕事をしているな」と管理職たちは思っていたりする。

そして、それを部下の自発性のなさに求めたりしている。

「いやいや、その片棒をあなたも担いでいるんだけどな」

僕が思うのはそういうことである。

マウンティングの一種?

物事をネガティブに捉えると、何だか「頭が良さそう」に見える。

多くの管理職が否定的なニュアンスから物事に入るのは、その方が自分のプレゼンスを出せると思っているからなのではないか、と思う時がある。

もっと嫌な言い方をすれば、そのような姿勢によって、上下関係を改めて認識させているというか、知らしめているというか、そんなことすら思ってしまう。

要は、マウンティングの一環なのだ。

それも、マウンティングだとバレづらい仕方でのマウンティングだと僕は思う。

リスクから逃げてるだけでは?

このような姿勢はリスクをきちんと推し量っているように見える。

物事の危うい面を見極めている、そんなイメージを醸し出すことができる。

「ただ単純にリスクを取りたくないだけだろ?」

そのような場面に出くわすたびに、僕はそのように思ってしまう。

ニュートラルに捉える

では、このような状況を打開する為にはどうしたらいいのだろうか?

冒頭に、あなた自身がネガティブな反応から物事に入るのをやめる必要がある、ということを書いた。

でも、いきなりポジティブに物事を捉えるのは難しいだろう。

だから、まずニュートラルに入るのである。

ネガでもポジでもなく、ニュートラルに物事を捉える。

良い点と悪い点をじっくりと聞き、結論を出すように心掛ける。

これだけでだいぶ状況は変わる。

少なくとも、部下はあなたに意見を聞きに来るようになる。

また、自発性がないと思っていた部下が、単純に聞きづらかっただけということが痛いほどわかるようになるはずだ。

ニュートラルであることが対話に繋がる

もちろん、部下からの提案というものは、甘い部分が散見されるはずだ。

煮詰まっていない部分、そもそも考えられていない死角、そのようなものが目に付くとは思う。

でも、スタンスとしてあなたがニュートラルであれば、そこを指摘したとしても、彼(彼女)らが委縮することはない。

単に率直な意見として受け取られるはずだ。

それこそが対話なのだと僕は思う。

ネガから入ることで、職場の活力を奪っている

先述した通り、多くの管理職は、議論を通じて自分の立場が上であることを暗に示そうとしているように僕には思える。

そして、彼(彼女)ら自身は、それを意識すらしていないように感じられる。

でも、そのような無意識なマウンティングが、職場の活力を奪っている可能性があることには、もう少し意識的である必要があると僕は思う。

物事にネガから入るというのは、その1つの現れなのだ、きっと。

面白いものを面白がればいいのでは?

若い人の意見は僕にとってはとても新鮮である。

もちろん、荒削りの部分はたくさんある。

でも、その観点というか、視点は、時にハッとさせられるようなものを含んでいる。

それに対して、ニュートラルに面白がればいいのだ。

そして、そのような態度は、職場を活性化させることにも繋がっていく。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

フラットな状態で話を聞くことが出来ない人が多すぎる。

そんなことを思います。

これは受け手側に問題があって、違う意見を言われると「人格を否定された!」と思ってしまう人ばかりであるなら、誰も意見を言ってくることはなくなります。

ネガティブから入るのは、それに対する一種の防衛本能とも言えるのかもしれません。

話をニュートラルに聞いて、フラットに対話していきましょう。