ファック・ユー・マネーの作り方
仕事を辞める自由を確保する為の金
皆さんは「ファック・ユー・マネー(以下FYM)」という言葉をご存じだろうか?
僕がこの言葉を知ったのは、確かタレブの本の中で、その中で彼は「クソどうでもいい仕事を押し付けられ続けて、本当に仕事が嫌になった時に、目の前のクソむかつく上司に対して、ファック・ユー、と言って仕事を辞める権利(自由)を確保するための金(というような意味合い)」と定義していたように思う。
もう少し上品な言葉で言うのであれば、「ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的自立)を確保する為の資金」という形になる(何かにつけて反抗的である僕は「ファック・ユー・マネー」という言葉と、それを実際に言うシチュエーションを想像してわくわくするので、個人的にはこちらの言い方のほうが好みである)。
要は、経済的に自立しておけば、会社に依存しないで生きられるし、実際にその権利を行使するかは別として、準備はしておいた方がいいのではないでしょうか、ということを今回は書いていく。
特に、中間管理職であるマネージャーの皆さんは、仕事をしていけばいくほど、このお金の重要性がわかってくるはずだ。
「クビになってもいいや」と思えたらだいぶ強い
このブログ内でもよく書いてあることであるが、マネジメントとして成果を出していく為に重要なことは、「程よく自分を出していくこと」だと僕は思っている。
上司の言いなりになり過ぎてはいけないし、その逆も良くない。
あくまでも「程よく」自分を主張していく。
しかしながら、上司ガチャは外れることが多いし、時々本当にどうしようもない上司に出くわすこともある。
もちろん、本当にどうしようもない上司であっても、その言い分はきちんと聞くべきだし、その良いところを何とか絞り出して、上手くやっていくスキルというのは社会人(当然マネージャーも)にとって重要である。
ただ、そうは言っても、我慢の限界というものはある。
その時に、実際にそれを言うことはなくとも、「こんな会社辞めてやるよ!」と言える権利を持っているかいないかでは、仕事に対するスタンスが大きく変わってくる。
簡単に言うと、「別にクビになってもいいや」と思っていられれば、上司の言うことを客観的に見ることができるし、自分らしく振舞うことができるので、結果としてマネジメントの質が上がることになる。
あなたは働かなくても食っていけるなら働き続けますか?
上司に気に入られることも大事であるけれど、それだけでは成果を出すことはできない。
部下からの支持というのもとても大事な要素であるし、自分らしくある、というスタンス自体がなければ、長く高い成果を保つことはできない。
働き方改革とか、新しい生活様式とか、ジョブ・ディスクリプションとか、様々な外的な変化というのはこれからも日々進んでいくだろう。
その時に手元にカネがあるか否かというのは、決断を大きく左右する。
働かなければならないのは、それなしでは生きていけないからだ。
飯を食って(食わして)いけないからだ。
では、働かずにそれが実現できたらどうだろうか?
今の仕事を、今の働き方のまま、続けるだろうか?
少なくとも僕はもう少しペースを落としたいとは思っている。
完全に仕事をしない、というのは人生がつまらなくなりそうなので、何らかの形で働くとは思うけれど、その際にお金のことを心配しなくて済むのであればそれに越したことはないだろう。
僕はそんなことを夢想しながら、今日も働いている。
支出を減らす
それでは具体的にFYMの作り方を書いていこう。
FYMは以下のように作る(僕もまだ途上だ)。
- 支出を減らす。
- 収入を増やす。
- 残ったお金を投資に回す。
まずは「1.支出を減らす」から。
これは後で書く投資から得られる利益とも関係してくるのだが、毎月の支出というのは積み重なるとかなり大きなものになる。
ただ、1つ1つはそんなに大きな額ではない(と思っている)ので、簡単に僕たちはサブスク契約を結んでしまう(新聞・携帯・アマプラ・ネットフリックス・保険・家賃などなど)。
ここで言うサブスク契約というのは、「毎月定額でお金が自動的に流出していく」ものを指す(ことにする)。
もう少しきちんとした言い方をすると「固定費」だ。
その中で、不必要なものを解約したり、もう少し安いプランに変更したりする。
たかだか数千円浮くだけ?
いやいや、それが大きいのだ。
ケチ臭いと思わずに、まずは是非支出の点検を行って欲しい。
ただ、大事なことは何でもかんでも無くしてしまう、という極端なスタンスではなく、人生において自分が大事だと考えるものは残しておく、ということだ。
それなくして、生きる楽しみが損なわれる、のであれば、無駄遣いであっても残しておいた方が良い(これについてはまたどこかで触れる)。
収入を増やす
次は「2.収入を増やす」だ。
これは言うは易く行うは難しなのだけれど、まずは勤めている企業での収入を増やすことに注力していく。
ただ、マネージャーくらいになっている人であれば、将来的に大体自分の収入がどのくらいになるか、そのレンジ(範囲)みたいなものはわかるだろう。
そして、勤めている企業が今の状態のまま、自分が退職するまで存続する保証はないことは頭においておくべきだ。
副業や複業、その他の選択肢もあるだろう。
そうやって、少しずつでも月収を上げていく。
出世を目指すこともきっと大事なことだ。
残ったお金を投資に回す
最後は「3.残ったお金を投資に回す」だ。
紙幅がなくなってきたので、これについてはまたどこかで詳しく書いていこうと思うが、サラリーマンかつ投資初心者あれば、つみたてNISAを使うこと、その中で少額からで構わないから外国株式に投資する信託報酬の安いインデックスファンドを毎月買っていくことから始めると良い。
そして半年とか1年とか、ある程度投資というものに慣れてきたら、更に投資金額を増額(できれば限度額一杯まで)していく(この先はまたどこかで詳しく書く)。
大事なのは、投資で得られる利回りは元手が少ないと大きくないということを実感すること、毎月定額で出てしまっている金額を稼ぐことすら大変である、ということを体感することだ。
同時にその複利の効果にも驚愕して欲しい。
いつかその利益だけで生活費を賄えることを夢想しながら、地道に投資を続けていく。
そしたらきっとFYMが出来上がるはずだ。
何だか中途半端な内容になってしまった。
またどこかでもう少し詳細なことを書こうと思う。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
投資は自己責任ですし、失敗することも当然あるので、万人にお勧めできるものではありません。
ただ、食わず嫌いはやめておいた方がいいと僕は思います。
まずやってみて、性格的に合わないならそこでやめる。
そういうスタンスは仕事においても重要です。
投資、というと、ギャンブルみたいなことを想像する人が多いのですが、今はつみたてNISAやidecoというような良い制度があるので、それを使って1,000円からでもいいのでやってみることをお勧めします。
副業もそうだと思いますが、勤めている会社に依存し過ぎないこと、人生の選択肢を増やしておくことは、いい仕事をする為に必要なことです。
地道にコツコツやっていきましょう。