初等教育が大事
入社時の教育がとても大事
若手の成長度合いを見ていると、つくづく「初等教育が大事」なのだと思う。
ここで言う「初等教育」というのは、入社1年目~2年目くらいのことを指す(と僕は思っている)。
この期間に、日々の行動原則であるとか、仕事への取り組み姿勢であるとか、キャリアの方向性であるとか、そのようなある種の「高いマインド」を持たせられるか、がその社員の成長速度を左右する。
裏返せば、この期間に「初等教育に失敗」するとリカバリーは難しい、ということになる。
入社3年目くらいの若手の行動を変えるのはとても難しくなっていく。
今日はそんな話だ。
(もちろん、こういったことに関係なく勝手に成長していく「エース社員」はいるので、今回はそれ以外の「普通の社員」のことを対象に書いていく)
話の返し方で営業力がわかる
自分が営業をしているからか、僕は相手と数分話をすれば、大体その人の「営業力」みたいなものがわかる。
言葉のラリーの返し方によって、相手の力量がわかる。
それは新人でも変わらない。
営業というのは、モノを押し込む力の強さの大小だ、というように考えているような人も稀にいるが、基本的には相手の話をきちんと聞けるか、それに対して適切なレスポンスが取れるか、ということに集約される。
これが違和感なく行える人、というのは「営業ができる人」となる。
だから、実戦に出る前でも、その新人がどのくらいの成果を出せるのか、というのは日々のやり取りの中でだいたいわかるものだ(ラッキーパンチは除く)。
自分が相手の話を聞けていない、ということを自覚させること
この相手の話をきちんと聞けるか、適切なレスポンスが取れるか、というのは、もちろん本人の素養によるところが大きい。
もっと言うと、親のしつけみたいなものが大きく影響したりする。
ただ、ある程度は矯正可能だ。
いや、矯正、というと言葉としては適切ではないかもしれない。
実際の根本のところは変わらないけれど、あくまでも営業という舞台上においてはそのように振舞うことができるようになる、という感じである。
本質は変わらないけれど、スキルは身に付けることができる(もちろん一流になる為にはスキルだけでは追いつけないのは当然のことだ)。
そして、このスキルを身に付ける為には、自分が相手の話をきちんと聞けていない、適切なレスポンスが取れていない、という自覚が必要となる。
これを入社のできるだけ早い時期に指摘しておくことが重要だ。
最初の上司が重要
そしてそれができるのは、1番最初の上司しかいないのだ。
というのは、新人というのは1番最初の上司の振る舞いを行動原則の基礎にするからだ。
その上司の応答がその新人の行動となる。
良いと言われれば、「これは良いことなのだ」と思うようになるし、悪いと言われれば、「これは悪いことなのだ」と思うようになる。
それくらい最初の上司の判断は重要である。
「いいよいいよ」は優しさではない
最近思うのは、ハラスメントを過剰に心配するあまり、何でも「いいよいいよ」というマネージャーが増えている、それが若手の成長を阻害している、ということだ。
鉄は熱いうちに打て、ではないが、入社の時にきちんと教えておかないと、困るのは本人なのだ。
営業は楽な仕事ではない。
そして自分の力だけが頼りとなる。
その時に、元々のOS自体が間違っていれば、アプリケーションでいくら誤魔化そうとしてもしきれるものではないのだ。
できるだけ早くに新入社員とコミュニケーションを取って、信頼関係を構築し、厳しいことを言っても受け入れられるような関係性を構築すること。
これが本人にとっても、チームにとっても重要なこととなる。
若手の成長と突き上げは、チームの緊張感の維持に必要なことであるからだ。
基礎体力(筋力)がなければ大きく成長はできない
僕はよく新人に対して「筋トレをしておけ」とか「基礎体力が足りない」というような表現をするけれど、それは基本的なことができていないと成長の速度が遅くなり、成長の射程が短くなるからだ。
特に自己意識が肥大している傾向が強い新人が増えてきている昨今においては、「山の高み」みたいなものを見せることと、自分の「相対的な位置」をわかってもらうことが重要となる。
それに気付けるか、気付けないかはあくまでも本人の問題ではあるけれど、その機会を与えるのは上司の仕事だと思うし、それはできるだけ早い方がいい。
大事なのは志向性だ。
自分の能力やスキル(才能を含む)が足りないことを自覚して、その相対的な立ち位置をきちんと把握して、それでも成長したいと思えていれば、その新人は確実に伸びていく(もちろんその成長は相対的ではなく、絶対的なものであるが)。
覚悟を持って新人に向き合う
このニュアンスは難しいのだけれど、厳しさ、とはちょっと違うような気がしている。
営業の厳しさは別に上司から示されるまでもないことであるからだ。
そこで生き残っていく為には、それなりの方法を身に付ける必要がある。
野生、というと大げさになるけれど、サバンナで生き残る為には教えられることを待つのではなく、自分なりのやり方を身に付ける必要があるのだ。
そういう意味で、自分のチームに入ってきた新人に対しては、覚悟をもって関りを持つ必要があると言える。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
野球とかゴルフでもそうだと思うのですが、変な癖がついてしまうと、フォームを直すのは難しくなります。
それだったらまっさらな方が良い。
そのくらい初等教育は重要です。
厳しいことも言いながら、自然と本人が高みを目指したくなるような仕掛けをしてきましょう。