課長だけがキツくねえか?

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あれも課長、これも課長

多くの若手社員は課長になりたくないという。

そりゃそうだろな、と僕は思う。

明らかに現代の課長はオーバーワークであるから。

それも際限がないから。

僕自身が課長なので、上記した感想に被害妄想的な要素がないとは言い切れないけれど、取り敢えず何らかの「余った業務」「足りない業務」というのは、全て課長に回されてくるので、そう感じるのも仕方ないよねと僕は思っている。

あれも課長、これも課長。

会社によっても違うとは思うけれど、管理職というのは働き方改革の対象外であるようで、それが現代の課長をより忙しくしている。

その割にその大変さはあまり理解されない。

今日はそんな愚痴めいた話をしていく。

できない人はできないのだから仕方がない?

できる社員ほど仕事が回ってくる。

よく言われる話であるが、実際にそんな気がしている。

というか、できない人はできないのだから仕方がない、という論理から、じゃあお前がやれよ、という論理に飛躍するのが、僕にはどうしても理解できない。

できない人をできるようにする、もしくは組織として業務量が均等になるように差配するのが上級マネージャーの仕事なのではないか?

それを放棄して、安易にできる人に振るというのはどういうことか?

語気が荒くなった。

でも、本当にそのように感じるのだ。

陰で組織を支えている人達

現代は仕事ができないということを声高に言う方が有利な時代である(と僕は思っている)。

もう少し丁寧に言うと、業務領域が狭い方がそこに特化できるので、結果的に成果が出しやすい、ということになるのかもしれない。

あれもこれもと対応できる汎用的な人間は、便利使いされて、使い捨てられていく。

でも、同時にこうも思うのだ。

この種の「陰で組織を支えている人達」が組織を見限った時、どうなるのだろうか、と。

馬鹿らしいぜ…

僕の周囲では、マネージャー達が限界を迎えつつある。

日々の業務の忙しさに加え、無理解がそこにあって、それが精神的にも彼ら(彼女ら)を追い詰めているような気がしている。

普段は見て見ぬふりをしながら、何とか自分を騙しながら仕事をしているのだけれど、ふとした瞬間に、それが馬鹿らしくなってしまう。

その気持ちはとてもよくわかる。

僕もそうであるから。

最前線に課長は立たされている

以前から書いているように、旧時代の価値観と新時代の価値観の端境期というのが現代という時代で、中間管理職である課長はその最前線(境界線)に立たされている、と僕は思っている。

それぞれの価値観は理解できる。

でも、それを現実的なものに落とし込む作業は誰もできない。

それぞれが歩み寄ることはなく、ただただ主張を繰り返している。

でも、目の前には仕事があって、誰かがそれを片づけなければならない。

それを誰がやるのか?

「課長だろ?」

そういう声が聞こえてくる。

でも、果たして、本当に、そうなのだろうか?

戻って来られなくなるよ?

「プレイングマネージャーやマイクロマネージャー的な働き方はしたくないけれど、やむを得ずそうなってしまう(他にやる人がいないから)」

そういう相談を受けることがある。

その実態は僕だって理解しているつもりである。

理想だけではメシは食えないし、日々の業績向上に対するプレッシャーはそれなりに強いものがある。

自分でやってしまった方が速いし、部下を細かく管理した方が数字は上がり易い。

確かにそうだ。

でも、何年もマネージャー業務をやってきた僕は、それでも「そっちの道」には行かない方がいい、と思うのだ。

どれだけ忙しくても、落ち着いて判断ができる状況でなくとも、「狭い道」には行かない方が良い。

もう戻って来られなくなるから。

出世欲とプライドを捨てよう

僕は業務の削減をずっとこのブログ内で主張している。

できないことをやめる、というのはマネージャーにとって大事な仕事である。

でも、それをできる人は多くないというのが実情である。

では、なぜ、できないことをやめられないのか?

僕自身の場合は、出世欲だったと思う。

認められたいというプライドだったと思う。

それを捨て去ることができた時、上記した忙しさを客観的に見ることができるようになる。

1つフェーズが上がり、達観することができるようになる。

できる範囲のところでやるしかない

身を粉にして働くだけの価値がある組織であれば、そしてそこで上昇することに価値を見出せるならば、一生懸命働くべきである。

キツいなんて泣きごとを言っていないで、ただ淡々と働けばいい。

でも、僕のように、そう思えない場合には、この問題は複雑化する。

仕事は忙しい。日々追われ続ける。でも報われない。精神的にもつらい。でも逃げられない。

逃げてしまえばいいのだ。

というか、できる範囲のところでやるしかないのだ。

やらなくていいことをやめる勇気を

オーバーワークを長く続けることはできない。

いつか自分が壊れてしまう

そうなる前に、業務を棚卸して、整理する。

できないものはできないと割り切る。

すると、驚いたことに業績が上向いてくるものなのだ。

騙されたと思って、やらなくていいことをやめる勇気を持って欲しい。

僕だって大変なのは変わらない。

でも、少しはマシになるはずだ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

無理解とそのカウンターの被害妄想

僕はそのスパイラルで疲れてしまっています。

幸いなことに僕はメンバーからは一定の評価を得られているようなので(それも気のせいかもしれませんが)、何とか仕事を続けられています。

辛い仕事を続けておられる課長の皆様。

ここにも同じ苦悩を抱えている者がいます。

共に生き抜いていきましょう。