球を持たない

UnsplashJosh Kahenが撮影した写真

その場で判断する習慣を

課長は暇そうであるべきだけれど、実際のところ暇ではない。

では、忙しい中でどのように暇そうに見せたらいいのか?

もちろんいつも言う通り、仕事を削減することが絶対条件ではある。

その上で、どうしてもなくならない仕事は手元に残る。

それをどう捌くか?

僕はいつも「とにかく球を持たない」ことを心掛けている。

マネージャーの場合はその球が「判断」という種類のものであることが多いと思うのだけれど、できるだけ「その場」で片づけてしまう。

手元にボールを置かない。

これがとても大事である。

もう結論が出たような気もするけれど、今日はそんなことを書いていこうと思う。

球を持っているのが気持ち悪い

マネージャーとして仕事をする中で、驚くことが多いのが、他人というのは球を持っている状態が気持ち悪くないのだな、ということである。

僕はとても気持ちが悪い。

強迫観念とまではいかないけれど、頭の片隅にやらなければならないものが残っているという状態がとにかく嫌なのである。

だからできるだけ即決する。

やらなければならないことを放置していると、他の仕事の効率も下がる

でも、多くの人達はそのままボールを保持しているように見える。

そして「忙しい、忙しい」と言っている。

そりゃそうだろうな、と僕は思う。

何かの本で読んだのだけれど、やらなければならないことが残っていると、脳の働きが落ちるようで、他の仕事においてもどんどんと処理速度が下がってしまうのである。

結果として忙しくなることになる。

だったら、残さなければいい。

それが今日の結論である。

本質を突けば、リスクは押さえられる

「いやいや、でもエビデンスもないのに即決なんて危なっかしくてできないですよ」

そういう声が聞こえてくる。

そういう気持ちもわからないではない。

でも、「勘所」というのはどんな事象においてもある。

多くの人達を見ていて思うのは、何らかの事象に向き合った時に、最大のリスクはどの程度なのかということを思いのほか計測できないのだな、ということである。

僕はまずそこに目が行く。

そしてそのリスクが許容できるなら、それまでの過程はどのようにしても構わない。

そんなくらいのスタンスで判断を行っている。

「常識」が大事

部下からの報告は確かに中途半端であることが多い。

どこに着地するか見えない中で判断を行わなければならないことはよくある。

でも、である。

ある程度「常識的」にどのようになるか、どのようになり得るかはわかるものである。

というか、もしわからないのであれば、まだまだマネージャーとしての経験が足らないように思う。

リスクの根源まで最短距離で行く

腹を括った経験、血を流した経験があれば、大体のことは「大したことない」ものであるということがわかってくる。

極論を言えば、「死ぬわけじゃあるまいし」ということにもなる。

最短距離でリスクの根源まで到達して、そこから戻ってくるイメージ。

これができれば、マネージャーの仕事はだいぶ速くなるのだ。

文章で答えなければならないもの方が時間がかかる

加えて、僕は「メールの返信が速い」とよく言われる。

それは「球を持っていないから」である。

マネジメントの仕事は多岐に亘るけれど、文字ベースで報告しなければならないことが比重として高いような気がしている。

でも、上記したように、口頭で済ませられるものは既に済ませているので、文字ベースでの報告に体力をかけることができるようになるのだ。

もちろんタイピングスピードとか、そういうスキル的なものも多少は関係しているとは思う。

でも、それよりも、できるだけ負荷をかけない状態を作っておいて、いつでも即応できるような体制をとっておくことの方が重要であるような気がしている。

スピードだけでどうにかなる

営業マンの時もそうだったけれど、相手の予測を超える速度で反応するだけで、仕事というのは格段に進みやすくなるのである。

ただそれだけ、と言ってもいい。

精度は後からでいい。

まずレスポンスをする。

客先に行く。

それが重要なのだ。

ただ返すだけで、仕事は楽になる

電話一本、メール一本するだけで、その後の仕事が格段に楽になることを、多くの人は知らないように僕には見える。

どうせいつかはやらなければならないことなのに、なぜかそれを後回しにする。

意味が分からない。

取り敢えず返事をしておけばいいのだ。

そしてその時に「粗々」の話をしておけばいい。

返答が遅ければ遅いほど、ハードルは上がる

僕は割と自分の感覚を信頼していて、未知の分野の話であったとしてもある程度のポイントを突くことができるようで、それで何とかここまで生き残ってきたという自負がある。

もっと言えば、よくわからなければ、「よくわからないですね」という話をしておけばいいのである。

でも、多くの人は(恥ずかしいのかわからないけれど)、それができない。

調べてから回答しなければ失礼とかとでも思っているのだろうか。

僕はそれを「自らハードルを上げる行為」だと思うのだけれど(時間をかければ相手も精度の高い成果物を期待するから)、そういう感覚はないようである。

脳内のCPU負荷を下げるだけ

そうやって仕事を手元に置かないことを心掛ければ、マネージャーは暇になる。

脳内のCPU負荷を下げて、シャープな判断ができるようになる。

というか、マネジメントの「本業」はそれなのだ。

それ以外の仕事はできるだけテキトーに済ませてしまう。

そうすれば、時間を捻出できるはずだ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

今日のテーマの逆サイドには、「やってる感」をアピールしなければならない、そうじゃなきゃ自分の仕事の成果が上司に伝わらない、という考え方があるような気がしています。

会社には「忙しそう」にしている人がたくさんいますが、本当に忙しい人は忙しそうにしていないのではないか、と僕は思っています。

生ものが腐敗するように、仕事は放っておくと、より大変になることが大半です。

それなら即断してしまった方がいい。

でも、即断すると仕事をしているように(忙しそうに)見えない。

だから皆ボールを保持したがる。

そんなのナンセンスです。

僕たちの仕事は判断をすることです。

それもできるだけ早く。

ボールゲームは、パスをするから楽しさや快感があるのです。

どんどんボールを捌いていきましょう。