面子地雷原の歩き方

争いの殆どは「ナメんなよ」から生じる

会社はヤンキー社会だ。

そう言ったら言い過ぎだろうか？

いや、決してそんなことはないと僕は思っている。

というのも、大抵の争いごとというのは「ナメんなよ」が根源にあるからである。

恥をかかされた、プライドを傷つけられた、コケにされた、言葉は何でもよいのだけれど、このような気持ちを相手に抱かせたら、そこには争いが生じる。

たとえ全くそんなつもりがなくても。

今日はそんな「面子地雷原」の歩き方を書いていこうと思う。

マネージャーでなくても、社会人にとっては役に立つ話であると思う。

それでは始めていこう。

意識せずに踏んづけてしまう

会社員が大怪我をせずに仕事をしていく為には、誰かの面子を潰さないことがとても重要である。

というか、これだけできればもう合格と言ってもいいほどだ。

でも、そんなに簡単にはいかない。

というのも、面子というのは意識せずに踏んづけてしまうものだから。

こちらにそんなつもりがなくても、相手がそのように感じてしまうと発動してしまうのが面子の厄介なところである。

相手が思ったら終わり（始まり）

これは学生時代の因縁と何も変わらない。

「お前生意気なんだよ」という声明は、こちらの意図とは何の関係もなく発動し、急に敵対関係が生まれる。

具体的にどの部分が生意気であったのか、どこに気に食わないような言葉や行動があったのか、なんてことはいちいち説明してもらえず、いきなり戦闘が始まってしまう。

そんなつもりじゃなかった、なんてことは通用しない。

相手が「面子を潰された」と思ったら、もうそこで終了なのである。

これはとても理不尽と言えば理不尽である。

でも、そんなことを言っていても始まらない。

「そういうものである」と受け止めて、対策を取るしかないのだ。

とりあえず話をしておけばOK

では、具体的にはどのようにすればいいのか？

根回しをする、これに尽きる。

根回し、というと何というか社会人ぽくって嫌な響きがあるように感じるかもしれない。

僕のイメージはそこまでウェットじゃない。

カジュアルに、とりあえず話しておく、まるで聞いていないという状態を作らない、そんな感じである。

火のない所にも煙は立つ

例えば新しい企画をやりたいとする。

それも今までに誰もやっていないような企画をやりたいとする。

すると、自分ではただ新しい企画の為に一生懸命やっているだけなのに、前に失敗した企画をディスっていると感じる人が出てくる。

これは言い掛かりと言えば言い掛かりである。

でも、会社にいるとよくあることだ。

結果、こちらには一ミリもそんなつもりがないのに、「アイツはオレのことをナメている」という煙が立つ。

これでは折角の良い企画も台無しになってしまう。

だから先に話をしておく。

そしてその際には自分が如何にできないかを話しておくと効果的であると僕は思っている。

アドバイスを貰うテイで、その人達に話を聞きに行く（フリをする）。

それだけで面子地雷を踏む確率は大きく下げられるのだ。

「ふーん」を踏まえること

大事なのは「あなたのことを尊重している」ということを示すことであって、アイディアやアドバイスを聞くことではない。

極端なことを言えば、内容なんてどうでもいい。

ただ、「ナメていませんよー」ということが伝わればいいのだ。

関係者が多い場合は、「今こんなことを考えているのですが、アイディアがあったら力を貸してください」的なメールを事前に送っておくと効果的である。

使えるアイディアがあれば使えばいいし、大体の人はアイディアなんて持っていないから、「ふーん」で終わる。

でも、いきなりやるのと、「ふーん」を踏まえるのでは全然違う。

確かに面倒くさい一手間ではある。

ただそれをやらなければ余計なところで足を引っ張られてしまうので、事前に潰せるなら潰しておいた方がいい、と僕は思っている。

キャラを逆に利用する

これは自分のキャラクターを意識しておくと余計効果的だ。

僕は割と一匹狼的に会社では仕事をしていると思われているので、それを逆に利用する。

「実は新しい企画のことで悩んでいまして…、相談に乗って頂けませんか？」とストレートに言ってみる。

多くの人達は、たとえ（僕のように）どんなに嫌な奴であったとしても、「相談に乗って欲しい」と素直に頭を下げられると、親身になってくれるものである。

ましてや普段生意気なヤツが頭を下げているわけである。

相手だって悪い気はしないはずだ。

大事なのはいい仕事をすること

これが逆に普段から色々な人と良好な関係性を築いていて、様々な相談をしている子犬タイプのキャラクターであれば、きっとそこまで効果的にはならないだろうと思う。

変な感じにはならないとは思うけれど、今一つ有効打とはならないはずだ。

もちろんやり過ぎはNGだけれど、どうしてもという時にはこういった技を使うのも良いと思う。

大事なのは「いい仕事をする」ことだからである。

先に撤去しておこう

たくさんの敵を作ってきた僕が言うのもなんであるが、戦わなくて良いときは戦わない方がいい。

当たり前のことである。

でも、こちらが意識していなくても、勝手に戦闘が始まるのが面子の面倒くさい所である。

だから、それを潰しておく。

地雷は撤去しておく。

それがいい仕事をする秘訣である。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

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あとがき

目を合わせるだけで「お前ガンつけてたよな」と言われ、それがいつしか「生意気」となり、「アイツをどうにかしてやれ」とエスカレートしていく。

冗談みたいな話ですが、世の中の大抵の問題はこのような「面子」に関わっていると僕は思っています。

まともに組み合っても、論理でどうこうなる訳ではないので、できるだけそのような事態にならないようにしておくこと。

これが社会で上手に生きる（いい仕事をする）為には重要です。

媚びへつらう訳ではなく、上手に根回ししていきましょう。