時々は自分を客観視してみよう

UnsplashAmanda Dalbjörnが撮影した写真

厚顔無恥男

マネージャー同士の集まりに顔を出すと、「よくもまあそこまで言えるよな…」というような人に出会うことがある。

そのマネージャーの部下から人となりを事前に聞いていたりすると、余計にその思いは増幅することになる。

厚顔無恥、というと言葉は強いかもしれないけれど、図々しい(厚かましい)人はマネージャーにはとても多い(もしかしたら厚顔無恥でないとマネージャーにはなれないのかもしれない)。

そして、この種の人は他者にはとても厳しい。

でも、その厳しい基準を自分自身に当てはめることはない。

だから、結果的にその種の人は成長が止まり、マネージャーとしては「そこそこ」の人物に留まってしまうのだけれど、そこに気づいた時にはもう時すでに遅しという状況になってしまうのである。

自分を客観視することは難しい。

でも、時々はそれをやらないとマネージャーとしての成長はなくなってしまう。

今日はそんな話である。

SWOTとPPM

既存事業の強みと弱み。

加えて新規開拓。

SWOTPPMを持ち出すまでもなく、自分自身のキャリア(成長)においても、どの分野を伸ばし、どの分野を捨てるかというのは大事な選択となる。

でも、その為には、現在の能力の棚卸しをしなければならない。

そこで必要となるのが客観視するという行為である。

自分のマネージャーとしての強みはどこにあるのか?

逆に弱みはどの部分なのか?

そして今後のキャリアを考えた場合、伸ばすべき分野はどこなのか?

この3つを時々は思い返してみることをお勧めする。

強みオンリー

というのも、僕から見える多くのマネージャーは、自分の強みに意識がほぼ100%(以上?)向いてしまっているからである。

もちろん、強みを認識することは大事だ。

確かにそれも客観視することの一環ではある。

でも、それだけでは不完全なのだ。

自分はどこに弱みがあるのか?

今後必要な能力は何なのか?

そして強みだと思っているものは、本当に強みと言えるのか?

こういう振り返りが大事なのである。

信頼できるメンターが見つかれば最高だけれど…

職階が上がるにつれ、厳しいことを言ってくれる人はどんどん減ってくる。

みんな思ってはいるものの言い出せないことを、敢えて言ってくれる人は殆どいない。

もちろん、そういうメンターとも呼べるような人を確保する、というのも、この客観視するという行為には有効な手ではある。

でも、自分が信頼できて、そのアドバイス(厳しいもの含む)をすんなりと受け入れられるような人に出会うことは、そこそこ難易度が高いのも事実だ。

それなら、そこまで正確ではなくとも、自分自身で振り返ることで代用してみるのも良いのでは?

それが今回の話である。

強み・弱み・新規開拓

これは個人の性格にもよるのだろうけれど、1年に1回とか、半年に1回とか、それくらいの頻度でよいのだと思う。

毎日毎日やっていたら自信がなくなってしまう。

でも、何年もほったらかしにしていては取り返しがつかなくなってしまう。

そういう意味では、自分の人事評価を自分でつけるくらいのスパンで振り返ればよいのではないか。

そして、強み・弱みを振り返ったら、今後どこに注力するか(新規開拓)を策定する。

個人的には強み70%、弱み10%、新規開拓20%くらいのイメージで取り組むのが良いと思っている。

というのも、ある程度以上の年齢(キャリア)になってくると、自分の限界値みたいなものが否が応でも見えてくるからである。

苦手なものはどうやっても苦手。

もちろん、明らかに弱点と言えるようなもの(穴)は埋めなければならないけれど、それを人並みまで持っていく努力をするくらいなら、強みの部分を伸ばした方が良い。

そういう意味で、弱みに割く労力は10%くらいでいいように思うのだ。

未知の分野に顔を出す

また、新規開拓というのは、自分があまり取り組んだことがないような分野に顔を出すことを指す。

以前にも書いたことがあると思うけれど、できれば「教える」側ではなく、「教えられる」側に立つようなことをやることをお勧めする。

本業の方で難しければ、兼業なり副業なりに手を出してみることも良い方法である(もちろん仕事だけでなく、趣味の世界だって良い)。

マネージャーとして長く仕事をしていると勘違いしやすくなってしまうので、時々は初心者というか、叱られる立場というか、そのような状況に身を置くことはとても大事なことである。

今日のテーマに即して言うなら、これが更に客観視を進める上でとても役に立つ。

普段の人間関係ではない状況に身を置くことで、本当の意味での自分の強みや弱みが更にはっきりするようになるのだ。

苦がなく続けられるものが強み

最後は強みである。

強みを探すのに大事なことは、他者と比べるのではなく、「自分が苦も無く続けられること」に意識を向けることである。

「そんなに大変なことかなあ…」と思うことがあなたの強みである。

現時点ではそこまで差がなくても、苦も無く続けていれば(続けられれば)、その分野ではひとかどの人物になれる。

あとはそれを継続していけばいいだけである。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

自分を客観視することはとても難しいことです。

そして同時に苦しいことでもあります。

でも、それを時々はやらないと、大きく軌道から逸れることになってしまいます。

強み・弱み・新規開拓。

企業戦略でも練るように、自分自身も時々は振り返っていきましょう。