苦手な部下との接し方

UnsplashPriscilla Du Preezが撮影した写真

苦手な部下と普通でいる為にはどうしたらいいのか?

「部下との関係性は普通でいい」

僕はこのブログの初期からそのように言っている。

でも、言うは易く行うは難しである。

10人も部下がいれば、その内の何人かは苦手なタイプである、というのが人間というものだから。

では、この苦手な部下とどのように接したらいいのか?

結論から言うなら、(相も変わらず)普通でいいということになる。

ただ、それだとあんまりなので、普通でいる為にはどうしたらいいのかを書いていこうと思う。

それでは始めていこう。

人間関係には波がある

苦手な部下と普通の関係性を構築すること。

それは思っている以上に難しいことである。

ただ、何年ものマネージャー経験を経て僕が思うのは、人間関係(上司部下関係)というのは、その時々において「波がある」ということである。

それは苦手な部下に限ったことではない。

相性の良い部下だって、時に不仲になったり、何となく波長が合わなくなったりするものである。

そしてその波が「良い波」になった時に、その良い波を活かせるような関係性を築いておく(関係性を切らさない)ということが今日の結論となる。

具体的には、「対話を継続する」というのが僕が辿り着いた答えだ。

第一印象が覆ることはない

第一印象が全て。

人間を把握するときの経験則として、僕はこのように考えている。

もちろん例外がないとは言えない。

でも、9割9分は最初の印象が(大きく)覆ることはない、と僕は考えている。

となると、第一印象で「嫌い!」「苦手!」となった部下とは、そのような関係性がずっと続くことになる。

べき論はわかるけれど…

これは論理や意志の力でどうにかなるものではない。

「苦手な人をなくしなさい」とか「人の良い面だけを見るようにしなさい」というのは、言葉としてはその通りだなと思うけれど、狭量な僕には実践は難しい。

苦手な人は苦手だし、どうしても欠点ばかりが目に付く。

ましてや、第一印象が良くない人であれば、その傾向は顕著となる。

そんな中で、僕が編み出したのが、「対話を継続する」というものだ。

強制的に話す機会を自分に設ける

これはある種「苦行」ではある。

嫌いな人と話すのは苦痛だから。

苦手な人の考え方には1ミリも共感できないから。

でも、それを続ける。

僕の場合は、毎週の1on1がそれに該当する。

時間の長短はあれ、取り敢えずその人とマンツーマンで毎週話す機会を強制的に自分に設けること。

これが苦手な部下と接する上で重要なことだと僕は考えている。

というのも、それを継続することによって、関係性が断絶する可能性を大きく下げることができるからだ。

関係性が断絶したら終わり

上司部下という関係性がある以上、仕事において関係性が断絶してしまうのはどう考えても良いものではない。

でも同時に、苦手意識があるものだから、自然と足が遠のいてしまうのも事実である。

それを強制的に近づける方法。

それが対話を継続する意味である。

時間が短くても。言葉が少なくても。

と言っても、苦手だから特段会話が弾む訳でもない。

定型的なやり取りが繰り返されるだけだ。

そして多くの場合は短時間で終わる。

でも、それでいいのだと思う。

少なくとも、週に1回は話す機会があり、そこで(多いとは言えないまでも)何らかの言葉を交わすこと。

それが大事なのだ。

職場における人間関係の「普通」とは?

もちろん、厳密に言えば、この関係性は「普通」とは言えないのかもしれない。

週に1回だけ、それも定型的な話をするだけの関係性を、人は「普通」とは普通呼ばない。

ただ、ここでイメージして頂きたいのだけれど、だからと言ってこの関係性は「悪い」とも言えないのではないか、ということである。

別にいがみ合っている訳でもなく、言葉を交わさない(無視している)訳でもない。

必要があれば話をするし、そうでなければしない。

そのくらいの距離感。

友人や家族・恋人ならともかく、職場における人間関係なら、これくらいであったとしても「普通」の範疇に入れてもいいのでは?

僕はそんな風に考えている。

関係性が良いのもまた問題

逆に言えば、部下との関係性が「良い」とはどういうことなのか?

下らない話で笑う? 一緒に飲みに行く? プライベートも時間を共にする?

まあ否定はしない。

でも、あまりにも距離が近いのもそれはまた問題だと思うのだ。

対話を

上司と部下というのはあくまでも職場における関係性で、上司は部下を(言い方は悪いが)査定しなければならない。

その際に、余計な感情は不要なのだ。

もちろん人間だから好き嫌いはある。

どうやったって、相性の良い人間に対して甘くなってしまうのが人間というものでもある。

ただ、それがあまりにも露骨になってしまうと、チームには軋轢が生じる。

バランスが崩れ、安定的に高い成果を上げるということが難しくなる。

もちろん、全員と良好な関係性を構築できるならやったらいい。

でも、僕には無理だ。

それなら、それぞれの部下と等距離(もしくはそれに近い距離)で接する方がいい。

いつも言う話で恐縮だが、仲の良い部下とは、上司部下という関係性を離れてから距離を縮めればいいのだ(というか、上司側が仲が良いと思っているだけで、上司部下という関係性がなくなったら、部下が離れてしまうというのはよくあることだ)。

まず対話を。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

無理やりでも何らかの会話を1対1で話す。

それが苦手な部下と接する際には大切なことです。

もしかしたらもっと良い方法があるのかもしれませんが、狭量な僕にはこれが限界です。

そして継続的に対話をしていると、苦手な部下であっても良い面というのが必ず見えてきます。

それを信じ、苦行を継続していきましょう。