視座を高く保つ

UnsplashPriscilla Du Preezが撮影した写真

低い姿勢では周りが見えない

マネージャーになって暫くすると、姿勢が低くなってしまいがちになる。

これは目標達成に追われ、ガムシャラに仕事に取り組んでいる(取り組もうとしている)と起きる現象である。

もちろん本人は気付いていない。

でも、確実に視野が狭くなっているのだ。

これは自動車に乗っている時のスピード(車高もかもしれない)と、その車窓から見える景色(流れる景色)を想像して頂ければよくわかると思う。

速く進む為に、空気抵抗を避けようとすると、姿勢が低くなり、周りが見えなくなる。

今日はそんなことを書いていく。

自分が動くのではなく、チームを動かす

マネージャーにとって大事なことは成果だ、と僕は事あるごとにこのブログに書いている。

成果を出す為にはガムシャラに仕事に取り組むべきだ、まあその意見はわかる。

でも、マネージャーにとっての成果の出し方は、プレーヤー時代のそれとはちょっと異なる。

自分が動くのではなく、チームを動かす。

それがプレイングマネージャーとマネージャーの違いである。

個人の成果とチームの成果は異なる

プレイングマネージャーを僕が毛嫌いしているのは、この姿勢の低さと視野の狭さである。

彼(彼女)は自分では物凄く仕事をしている、成果を出している、と主張する。

個人単位ではきっとそうなのかもしれない。

でも、チームとしてはどうなのだろうか?

もっと言うと、中長期的にはどうなのだろうか?

僕にはそこがいつも疑問である。

続けることが目的になってしまうと厄介

チームが低調である時、多くの場合、上司から「マネージャーがその分を埋め合わせろよ!」という圧力がかかる(僕の会社はそうだ)。

その際、率先して自分で数字を取りに行く姿勢というのはとても大事である。

一時避難的にやらなければならない局面もあるからだ。

ただ、それが続くのはまた問題である。

というか、それを続けるのが自己目的化してしまうと、これはとても厄介な事態となる。

プレイは楽しい

プレーヤー業務は楽しい。

達成感もある。

でも、マネージャーはその快感を求めてはいけないのである。

アドレナリンが出ること、その状態に嵌ってしまうと、マネジメントをする者がチームにいなくなってしまう。

昭和時代であれば、それでも何とかなったのかもしれない。

でも、現代ではそれではもう戦えないのだ。

人が増えると、自分が薄まる

マネージャーの仕事は遠くを見ることである。

メンバーが見えていないような事象(現在も未来のこともある)をいち早く見つけ、それに適切に対処していくこと。

それはある意味では、成果に直結しないかもしれない。

自分で動いた方が成果は上がり易い、それは確かだろう。

ただ、チームの人数が増えるにつれ、マネジメントの範囲が大きくなるにつれ、そのやり方は通用しなくなる。

単純に成し遂げる必要がある成果目標が非常に高くなるからである。

そして自分という存在価値がチームの中で薄まっていくからである。

そういう意味では、チームの人数が少ない内は、視座を高く保つ意味はそんなに感じないかもしれないし、ある程度誤魔化すことは可能だと言える。

でも、そのやり方で「マネジメント」というものを習得してしまうと(そのやり方こそが「マネジメント」だと思ってしまうと)、もう取り返しがつかない。

両手・両足を縛ってみる

では視座を高く保つ為にはどうしたらいいのか?

それは「具体的なことに首を突っ込まない」ということである。

比喩的に言うなら、「両手・両足を縛った状態で業務をしてみる」ということになるかもしれない。

使えるのは、口だけ。

そんな状態で仕事をしてみると、否が応でも仕事が抽象的になっていく。

抽象化と具体化

マネジメントにおいて大事なのは、具体的事物を抽象化し、抽象化したものを具体的事物に戻すことである。

エッセンスを抽出し、濃縮し、それをまた具体的事物に還元すること。

この訓練の連続がマネジメント力の向上に繋がるのだ。

戦術と戦略を

あなたは椅子に縛られたまま仕事をする。

部下は動けるのに、あなたは動けない。

その中で、あなたがチームに還元できるものとは何なのか?

僕が戦術や戦略を大事にしているのは、こういう考え方が関係している。

俯瞰した目

もちろん、日々現場は動いていく。

様々に状況は変化していく。

その渦中に飛び込むことは大事ではある。

でも、その変化し続ける状況を俯瞰して見る人、がチームには必要なのだ。

それは渦の中にいては見えないものである。

外側から(上側から)、「この変化は大きな流れで考えると、こちらの方に進んでいるな…」と見ることができる人が必要なのである。

そして抽象的な状況だけをただ言っているのではなく、それを具体的な指示として部下に落とし、部下を動かす必要があるのだ。

ルックアップしよう

これを忙しい最中にやるのは至難の業である。

なので、どこかのタイミングで、「あれ、今、オレは視点が低くなっているかもしれないな」と客観視することが必要となるのだ。

手を動かすことをやめて、デスクから顔を上げてみる。

そこには部下がいて、それぞれが勝手に動いている。

色々な表情があり、色々な感情がある。

それを少しの間何もせず眺めておく。

その中で、次の展開を練るのだ。

簡単なことではない。

でも、それができなければ、マネージャーをやっている意味はない。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

良いサッカー選手を見分けるポイントの1つに視野の広さがあります。

これは首振りの頻度で測ることができます。

時々刻々と状況が変わる中で、適切なタイミングを捉える為には、視点を高く保つことが大事です。

虫の目・鳥の目・魚の目。

色々な視点からチームを見ていきましょう。