外部化しない

UnsplashCARTER SAUNDERSが撮影した写真

責任の一端は自分にもあるかもしれないと考えること

マネージャーとして仕事をする上で大事だと心掛けているのが、「外部化しない」ということである。

これは「何か問題がある時に、その責任の一部は自分にもある(かもしれない)」と考えるスタンスのことを指す。

マネジメントという仕事をしていると、本当に色々なことが起きる。

その大半は「しょうもないこと」である。

ただ、そこにいるメンバーや関係者にとっては、とても大事なことだったりする。

それを自分事として真正面から捉えられなくても、「まあそのような事態を引き起こしてしまったのは自分のこの感じが良くないのかもしれないな…」と考えられること。

外部化して、「また訳わからんこと(下らないこと)言ってるわ…(オレには関係ないし…)」としないこと。

今日はそんなことを書いていく。

部外者の立場を取らないようにするための思考法

僕は「世界がこの状態であるのは、自分もそこに加担しているからである」という考え方を持って暮らしている。

もちろん、世界の現在の状態に対する不満は僕だってたくさんある。

でも、「その不満が不満のまま放置されている責任の一端は自分にもある(それを放置しているのだから)」と考えることで、自分が完全に善良な人ではないと考えることで、物事を主体的に捉えるように心掛けているのだ。

この世界に存する限り、完全なる部外者であることはあり得ない。

それが僕の世界の捉え方である。

このように考えることで、善悪二元論みたいなものから逃れることができるのだ。

ワンステップ余計に考える

世の中の話の大半は「私は正しい。悪いのはあいつらだ」というスタンスで展開されているように僕には感じられる。

たぶんその主張は間違っていないのだろうと僕も思う。

でも、「もしかしたらあいつらをそのように行動させてしまっている原因の1つに、自分の振る舞いがあるのかもしれない」ワンステップ余計に考えることはとても大事なことだと僕は思っている。

これは厄介な生き方ではある。

ただそれができるようになると、マネジメントに限らず、仕事全般(人生全般?)に役立つ考え方であると思うので、もう少し話を続けていく。

ゲーム理論的な思考

「相手の立場になって考える」という言葉がある。

僕が考えるものはこれとは少し異なる概念である。

相手の立場は相手の立場であり、それは自分でコントロールできるものではない。

Aという自分の主張と、Bという相手の主張、それぞれの立場を慮ることまでは皆よくやることだと思う。

これを展開させていくと「ゲーム理論」的なものにもなっていく。

相手の主張からその行動まで考える、それが自分の主張と行動にどのように繋がり、それがまた相手の行動にどのような影響を与えるのか。

これは僕からすればとても欧米的な考え方である。

共犯者的思考論

でも僕が考えるもの(共犯者的思考と僕は呼んでいる)はこれとは異なる。

相手の主張や行動の大元には自分が関係していると考えること。

そもそも相手というものに自分も含まれていると考えること。

それが「外部化しない」という意味である。

考えるだけなら損はしない

これはマネジメントにも応用できる。

人間が集まると、様々な主張が展開される。

そしてそれぞれの主張に対して自分が納得できるようなものがないことも多い。

自分勝手であったり、言い掛かりであったり、被害妄想であったり、「よくもまあそんな風に考えられるよな…」と呆れるような論理展開がたくさん巻き起こる。

それを「一刀両断でばっさりやる」というやり方もあることはある。

言語道断子供の戯言だと切り捨てる方法もある。

でも、それをする前に、ワンステップ考えてみて欲しい(考えるだけなら損はしない)。

それは本当に彼(彼女)らの我が儘によるものなのか、と。

ダメージを極小化する為に

マネージャーを何年もやって思うのは、「自分には見えていないものがたくさんある」ということである。

そして、物事には様々な側面がある、という当たり前の事実である。

時間軸も併せて考えると、「正しさというのは移ろいやすいものですらある」という不確かさがいつも付きまとう中で、我々マネージャーは判断を行っていかなければならない。

その時に、「私は完全に正しい」という声明と共に行った判断というのは、事後的に途轍もないリスクになることがある、ということは押さえておいて損はないと僕は思っている。

それが正しくないことが起こり得るのがマネジメントという世界(人生もきっとそうだ)なのだ。

だから、自分を切り離さず、そこに含まれた概念として捉えておいた方がいい。

その方が、実際に想定していたものと反対のことが起きた時のダメージを極小化することができる。

僕はそんな風に考えている。

自分を守る為に

「若手が受け身で困る」「会議で意見が出ない」「自分勝手で言うことを聞かない」「権利ばかり主張する」「上司は勝手な指示ばかり」

マネジメントをやっていると悩みはつきない。

それは僕も一緒である。

でも、それらを外部化せず、その原因の一端が自分にもあるかもしれない、と考えることで、もう少しマイルドに世の中を見ることができるようになると僕は思っている。

強い主張は自分すら破壊してしまいかねない。

俯瞰から見る視点を忘れずにこれからも仕事をしていこうと思う。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

今日の話は思想的な色が強いので、共感できない方も多いと思います。

でも一つのメンタルコントロールの手段として、このように考える方法もある(考えている人もいる)ということを提示したかったので、書いてみました。

他人に寄り過ぎても、寄らな過ぎてもいけないのがマネジメントという仕事だと僕は思っています。

適切な距離感で仕事をしていきましょう。