究極のゼネラリストってオールラウンダーのことなんじゃね?

ゼネラリストは嫌われている。が…
今日の話はタイトルの通りである。
現代ビジネス環境において、兎角ゼネラリストは毛嫌いされている。
世はまさにスペシャリスト時代であるから。
でも、何回もこのブログ内で提起しているように、本物のスペシャリストになるのは殆どの人にとって不可能に近い話で、いわゆる自称スペシャリストに留まる(留まってしまう)のであれば、それはキャリア戦略上有効ではない、と僕は考えている。
そして、それでもスペシャリスト目指したいと考えるなら、ゼネラリスト経由でスペシャリストになる方法もあるのではないか、ということも折に触れて書いてきた。
今回はその先の話である。
ゼネラリストを極めると、オールラウンダーと言えるのではないか?
それでは始めていこう。
ゼネラリスト=役立たずというイメージ
ゼネラリストには器用貧乏というイメージがこびりついているような気がしている。
どれをやっても中途半端。
ビジネスにおいては役に立たないスキルばかり。
そんな印象を持っている人は多いし、僕だって少なからずそのように思っている。
実際、社内には「ゼネラリスト的役立たずおじさん」が散見されるから。
それを見て、若手を中心に、「ああはなるまい!」と皆スペシャリストを志向する。
「何か専門的なものを身に付けたい!」と躍起になっている。
掛け算の希少性
ただ、その話を彼(彼女)らとしていていつも思うのは、「スペシャリティって何だ?」ということをきちんと考えてはいないのだな、ということである。
漠然と専門家になりたい、というイメージだけは持っているのだけれど、それがどのようなポジションなのか、何をやっている人なのか、どうやったらそこに行き着けるのか、ということはあまり考えていないようである。
また、仮に彼(彼女)らの言うスペシャリストになれたとして、その後もスペシャリストであり続けなければならない過酷さについては、想像すらしていないようでもある。
そこで僕は、本物の天才は別として、多くの僕を含めた凡人たちはゼネラリスト的アプローチで、スペシャリストを目指す方法もあるのではないか、ということを提案してきた訳である。
様々な分野で研鑽を重ね、その中でそれぞれトップになることで、掛け算の希少性が生まれてくる。
専門性≒希少性とも言えるのではないか?
そしてその究極系がオールラウンダーである、というのが今日の話である。
リベラル・アーツ的は現代において有効では?
ゼネラリストと言うと拒否反応を示す人でも、オールラウンダーと言われれば悪い気はしないのではないか?
僕はそんな風に考えている。
これはレオナルド=ダ=ヴィンチのイメージでもある。
確かに僕らは彼のことを芸術家(スペシャリスト)と認識しているけれど、現代で言うなら、それ以外にも技術者・科学者的な側面も持ち合わせていた人物である。
それも超一流であった訳だ。
またこれはリベラル・アーツ的な概念にも繋がってくる。
現代のような「答えのない時代」においては、幅広い分野に興味や関心を持っておくことはとても重要なことである。
それが「問いを立てる」上で、非常に有効であるから。
全然違う分野を組み合わせたり、掛け合わせたりすることで、思いもかけない成果が生まれることがある。
ただ、それには、バックグラウンドというか、ある程度の幅広い教養といったものが必要になる。
これが現在広がっている「スペシャリスト信仰」に対する、僕のアンチテーゼである。
中途半端なスペシャリスト=ただ1分野しか知らない人
スペシャリストは本当にスペシャルならいいのだけれど、そうでない人は、ただの1分野しか知らない人(興味関心の範囲が狭い人)に堕してしまう。
専門家と言えば聞こえはいいけれど、裏を返せばそこしかわからない人でもある訳で、時代の変化や掛け算の思考といったものに、親和性が高いとは言い難い側面がある。
そこで必要となる考え方が、「ゼネラリスト」ではなく「オールラウンダー」というものだ。
オールラウンダーならスペシャリストと勝負できる
ゼネラリストには上記したように、「何をやっても中途半端」というイメージがどうしても付きまとってしまう。
でも、これが「オールラウンダー」であれば、どの項目でも高い能力を示すことができるというイメージに変わるのではないか?
もちろんギリギリの勝負、本当に専門的な分野ではスペシャリストに軍配が上がるのかもしれないけれど、それだって他の分野との組み合わせ(掛け算)によって、上回ることができるのではないか?
僕はそんな風に思うのである。
幅広い関心を
あらゆる分野において高いレベルを示すこと。
それが現代ビジネスにおいては有効な戦略である。
もちろん、これは言うは易く行うは難しであって、そんなに簡単に多くの分野に精通することはできない。
でも、多くの若手たちのように、「それは自分の関心事ではない」「自分の目指す分野ではない」と扉を閉ざしてしまうと、このような人物になれる可能性は少なくなってしまうように感じるのだ。
最短距離を最速で行きたいという気持ちはわからないではない。
でも、それは結局のところ中途半端な自称スペシャリストを生むだけに過ぎないような気もしている。
それなら多くの(僕を含めた)凡人たちは、オールラウンダーを目指した方がいいのでは?
余計なことを言った。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
どのポジションでもプレーできる。
それも高いレベルで。
そういう選手っていいと思いませんか?
もちろん、専門家は必要です。
でも、専門家ばかりの世の中に仮になったとしたら、その人たちを結びつけるゼネラリストが必ず必要になります。
可能性を閉じることなく、色々な分野に興味を持っていきましょう。