メンバーからの信頼を回復するには?

出足から躓いた時にはどうすればいいのか?

今日は失敗からの立ち直り方法について。

僕のように、マネージャーの出足から躓いてしまった人には参考になるかもしれない。

意欲に燃えていたとしても、自分の未熟さや、人間性の乏しさや、メンバーとの相性等々によって、上手くいかないことはよくあることだ。

その中でも今回は、メンバーからの信頼がなくなってしまった場合にどうしたらいいのか、について書いていこうと思う。

本当の信頼関係と見せかけの信頼関係

「信頼は一日にして成らず」「信頼を失うのは一瞬」という言葉の通り、一度失った信頼を取り戻すのはなかなか難しいことだ。

特にスキルがない状態のマネージャー1年生では、そこから挽回するのは至難の業と言っても言い過ぎではないだろう。

もちろん社風や、そこにいるメンバーの「大人ぐあい」によって、表面上は信頼関係が維持されているように見えることはある。

でもそれに騙されちゃいけないし、甘えてはいけない。

というか、「本当の信頼関係」「見せかけの信頼関係」を見抜けないようでは今後マネージャーとしてやっていくことはできない。

空回りは事態を悪化させる

どんなに鈍い人だって、薄々自分が「ハマっていない」ということはわかるはずだ。

ギスギスとまではいかないまでも、しっくりきていない、ということは感じられるはずだ。

そんな中でやりがちなのは、信頼を取り戻すべくより一層頑張ってしまうことだ。

これは一概に間違いとは言えないけれど、経験上は上手くいかないことが多い(ように思う)。

俗に言う「空回り」になりがちだ。

ベースの信頼感がなければ、どんなに正しいことを言っていたって、素晴らしいことをやっていたって、真っすぐにメンバーには伝わらないものだ。

下手をすると、穿った見方をされてしまって、余計に事態が悪化することすらある。

では、どうしたらいいのか?

答えは、「危機を待つ」ということだ。

そこで信頼感を取り戻す。

もう少し詳しく書いていこう。

信頼ゲージ

マネージャーをやっていれば、日々色々な問題が起こると思う。

そしてその対処に失敗し続けているから、信頼感が欠如していっているのだと思う。

これは「信頼ゲージ」みたいなものがマネージャーにはあって、そのゲージは日々の言動や行動によって変化していく、というように僕は考えていて、出足に躓いた状態というのは、この信頼ゲージが殆どなくなってしまった状態を指す(ことにする)。

もちろん、日々の言動や行動をメンバーに響くものに変えていくことで、この信頼ゲージは少しずつ増やしていくことができる。

ただ、経験やスキルがない状態では、「全部を当てる」ことは不可能だ。

時に判断を間違えてしまったり、癇に障ることを言ってしまったり、的外れな行動を取ってしまったりする(少なくとも僕はそうだった)。

信頼感がない状態から逆転する方法が「危機」だ

これも体感的に理解してもらえると思うけれど、信頼は増やすよりも減らす方が簡単だ。

5回信頼感を増すような行動ができたとしても、1回うっかりしたことを言ったりすると、元に戻るどころか、マイナスになったりする。

そのような状態のままで、信頼感を取り戻すことはとても難しい。

2歩進んで、3歩下がるようなことが繰り返されると、プラスの行動ですらプラスと捉えられなくなる。

根本的なことを言ってしまうと、このような状態になってしまったら、できれば違うチームに移籍する方が手っ取り早いのだけれど、組織的な人事異動の都合云々によってはなかなかそうもいかない。

そんな時の一発逆転のチャンスが、この「危機」だ。

絶対起きて欲しくないことに立ち向かう

トランプゲームの1つである「大富豪」における「革命」コマンドのように、全ての状況を一気にひっくり返すことができる(可能性がある)。

「危機」というのには色々な種類があると思うけれど、マネージャー自身が「絶対起こって欲しくない」と思うような事態をここでは指すことにする。

普段ではできれば関わりたくない事態。

避けて通ってしまいたい事態。

それに対して勇気を振り絞って対峙していく。

それこそがメンバーからの信頼を回復させる契機となる。

危機から逃げなかったという事実だけで十分

個人的な経験から言うと、この危機における対処が成功するか失敗するかはあまり関係ないような気がする。

もちろん成功するに越したことはないのだけれど、誰かのせいにしたりしないで、誰かにやらせたりしないで、自分がその矢面に立つ、という行為だけで信頼回復には十分であると思う。

ピンチの時には人間性が出る、という言葉の通り、このような場面において「逃げない」ということを事実として残すことはとても大事なことだ。

心の底から闘志が湧き出るような人でなくとも、本当は逃げてしまいたいと思ってしまっていても、体が震えてしまっていても、「逃げなかった」という事実を示すことができれば、メンバーは必ずマネージャーを信頼してくれるようになる。

そこを潜り抜けた前と後では、マネージャーの言う言葉がメンバーに浸透していく度合いは大きく変わっていくはずだ。

いや、本当に。

騙されたと思って、危機を願って欲しい。

危機が来たら、「待ってました」と心の中で唱えて、最前線に出ていく。

それだけだ。

でくのぼうのように立っていても、それだけで十分だ。

そこから少しずつ変わっていく。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

危機は怖いです。

経験しないで済むならそれに越したことはありません。

でも、自分がチームにおいて上手くいっていないのであれば、危機というものはチャンスにもなります。

リーダーにおいて重要なことは、誰かのせいにしない、というとてもシンプルなことだと僕は思っています。

どんなことであっても、それが例え自分に何の関係がなくとも、潔く「私の責任です」と言える人にリーダーシップは宿ります。

逃げたくなる本能を何とか封じ込めて、前に出ましょう。

そしてそこに取り敢えず立っていましょう。

そこから全ては変わっていきます。

共に闘っていきましょう。