言ったことは守る
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ルールを守る。守れなかったら謝る。
今日はベーシックな話を。
それは「言ったことは守る」ということである。
例えば、マネージャーとして部下に適用する何らかのルールを定めたとする。
それを自らも守る。
例外扱いしない。
それだけである。
これはルールでなくても構わない。
何らかの指導や指示、発言の類、そういうものを自らもきちんと守ること。
そして、万が一守れなかった時には、守れなかったことを謝ること。
それが部下からの信頼に繋がる。
当たり前の話と言えば当たり前の話である。
でも、思いのほか、これができているマネージャーは少ない。
今日はそんな話である。
人間性次第
結局のところは人間性。
マネジメントのエッセンスを濃縮すると、そんな感じになると僕は思っている。
マネージャーが優れた人間性を持っていれば、大抵のことは上手く行く。
逆に人間性があまり良くないと、大概上手く行かない。
そして、悲しいかな、人間性というものは一朝一夕で向上するものでもない。
となると、マネージャーの努力は無駄なのか、という議論に繋がってくる。
極端なことを言えば、無駄ではある。
でも、できることがない訳ではない。
その1つが今日のテーマである「言ったことは守る」ということである。
大抵の人は自分を例外扱いしている
そんなの当たり前だろ?
そう思った方はぜひ胸に手を当てて聞いて欲しい。
何らかの例外事項を自分に適用したことはないか、と。
残念ながら、多かれ少なかれそれをやったことがある人が殆どであると僕は思っている。
それも重大事項だけではなく、些細なことも含めれば、ほぼ全員と言ってもいいくらいに。
休暇の取り方、出社時刻・退社時刻、会議の時間や頻度、提出書類の期限など、まあ何でもいい。
チームの中で自ら定めた「ルール」ないしは「ルールのようなもの」があると思う。
それを自分も例外なく守ること。
ルールをなあなあに運用しない
例えば、「会議の時間は30分まで」と定めたとする。
それもチーム内で話し合い、「長すぎる会議は非効率だ」という合意の元、定めたルールであるとする。
そしたら、会議は必ず30分以内にする。
どんなに決めなければならない議題が多くても、30分以内にする。
いやいや、それだとルール至上主義(原理主義)というか、柔軟な運営ができないじゃないか、そう思われる方もいると思う。
それならルール自体を変えることを検討する(再度議論した上で)。
こういう姿勢がチームに規律を生むのである。
緊張感とまでは言えなくても、これくらいならいいんじゃないか、というルーズさを抑制することができるのだ。
もちろん、会議が盛り上がり、結果として30分を超過してしまう事態が起きないとは言えない。
それならそれをきちんと認める(公にする)。
なあなあにしない。
総意ならいいけれど
「いやいや、会議が盛り上がることは良いことじゃないか?」
確かにそうなのだ。
でも、それはマネージャーが思っていることで、チームとしての総意ではないかもしれない。
だから、表に出しておく。
それでメンバーが「そういう時もあるよね」「それでいいよね」となるなら、それでもいい。
ルール自体に例外事項を設けるというか、チーム内の合意事項として認識されるのだから。
でも、そうではないなら、たとえポジティブな事態であったとしても、ルールを逸脱してしまったことについては認めるべきなのだ。
水くさい? 確かに。
何だか水くさいように聞こえるかもしれない。
そんなのその場の空気感(流れ)でやればいいじゃないか、と。
その言い分もわかる。
ただ、それをやり過ぎているから、チームが弛緩してしまうし、マネージャーの発言がメンバーの芯を食わなくなるのである。
自治と自由
僕は基本的に自治の概念を持ってマネジメントを行っている。
もちろん社則というか、会社が決めたルールはあるけれど、それ以外のことはチームのメンバーが働きやすいように自分たちで決めればいいと思っている。
ただ、それだけでは問題が生じる場合がある。
メンバー間では議論が纏まらず、大岡裁きというか、マネージャーが決めてくださいよ、となる事態が生じることがある。
その場合ルールを定める。
そしてそれを守らせる。
これは僕のようなある程度自由な雰囲気を好むマネジメント・スタイルを取る人には必要なことだ。
そうしないと、全てがルーズになってしまうから。
そして、本当にマネージャーが動いて欲しい時に、その言葉がきちんと伝わらなくなってしまうから。
ルールが硬直的だと思うなら、それを表に出すべきだ
もちろん、ルールは硬直的になってしまってはいけない、それはその通りだ。
でも、それは「ルールが硬直的になっている」「結果、非効率な事態が生じてしまっている」ということをチーム内で合意形成した上で、変えるべきなのだ。
これをなあなあにすると、チームが緩んでしまう。
何となくそんな雰囲気だから、という理由で変えてしまうと、ルールがルールの意味を為さなくなってしまう。
このちょっとしたニュアンスの違いによって、チームが一線を越えなくなるのである。
自らにも厳しさを
マネージャーも人間なので、時に魔がさすことがある。
これくらいは許されるだろ、と思ってしまうことがある。
それはNGだ。
きちんと仕事をする姿勢。
それを何よりも部下は見ているのである。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
人としてちゃんとしているかどうか。
結局のところ、マネジメントというのはそれに尽きると僕は思っています。
逆にこれがしっかりとしていれば、多少の無理を言っても部下は応えてくれます。
今日の話は、人間性の向上を図る為の、というか、人間性がまともであることを部下に示す為の、具体的な1つの手法の提示、です。
子供に言い聞かせるようなレベルのことですが、割と大事で、でもできていないことです。
自分に厳しく仕事をしていきましょう。