今ある文化をどう変えるか?

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マネージャーの色がチームの色となる

ゼロからチームを立ち上げるのでなければ、チームに既存の文化がある状態でマネジメントを引き継ぐことになる。

大抵の場合は、前任のマネージャーがいて、そのマネージャーの色が濃く出たものがチームの文化となっている。

その文化が望ましいものであれば、それを継承すればいいだけなのだけれど、往々にしてその文化には問題があることが多い。

特に前任がプレイングマネージャータイプであれば、その傾向は顕著に現れる。

その文化の変革が今回のテーマだ。

「望ましい結果が出ているか」を基準として判断を行う

文化を変えるべきか否か、の判断軸は、望ましい結果が出ているか、ということに尽きる。

それを判断するのは社長であったり、部長であったり、本社であったり、顧客であったり、するのだけれど、まずマネージャーが確認すべきはこの点だ。

大抵の場合は、現状にある程度満足はしているけれど、この点については何らかの手を打って欲しい、というようなメッセージを受け取ることになる。

当面はこの部分から変えていくことが一番穏当だ。

まずは穏当なスタートを

少なくともマネージャーになった直後というのは、何が根本的な問題なのか、というのが見えていないことが多い。

何となく問題がこの辺にありそうだな、ということは感じられるのだけれど、それがなぜなのか、というところまではわかっていないことが多い。

そのような状態の中で、ドラスティックに何かを変えようとしてしまうことはお勧めしない。

そのマネージャーに経験や名声があるのであれば別だけれど、そうでなければ無用なハレーションを起こして頓挫するのがオチだからだ。

そういう意味においては、まずその評価を行っている者が問題だと認識している点から手をつけていくことは、後ろ盾を得られるというメリットもあるのでより望ましいとも言える。

(もちろん、チームがガタガタで、早急に大きな改革をしなければならない場合もある。その際には外科的に処置することも必要だ。ただ、そのような時にはマネージャーの上司もそれを許容することが多いので、心配する必要はない)

時間稼ぎ、というと言葉は悪いけれど、この「問題点だと認識されている部分」を改善しながら、根源的な問題点を探っていくというのが、穏当なスタートの仕方だ。

そしてここが難しいところなのだけれど、その小さな問題点についても全体の根本的な問題点を解決しなければ(大きくは)改善していかないので、そこにも徐々に「攻め入っていく」ように動いていくことが重要となる。

小さな領土を少しずつ拡大していくようなイメージだ。

噂を利用する

もう少し嫌らしい話をすると、この小さな問題点に取り組んでいると、他のメンバーよりも「濃く」接点を持つメンバーが出てくる。

特に就任当初においては、新しいマネージャーに対して関心が集まっているので、この「濃い」メンバーに対して、他のメンバーはマネージャーの情報を得ようとしてくる。

そのある種の「噂」を上手に利用していく。

「ああ、あの人ね。思ったよりもいい人そうだよ。見た目はアレだけど、話も通じるし、いい感じ」というような話が出れば、しめたものだ。

この「下ごしらえ」みたいなものを浸透させるとともに、本当の問題点を探っていく。

表面的には人畜無害みたいな顔をしながら、悪魔のような視点で、その組織の粗探しをしていく。

奥底にあるクリティカルなポイントを探していく。

クリティカル・ポイントの少し手前の事象に手をつける

僕の経験では、本当のクリティカルなポイントというのは、手を出すと大やけどをすることが多いので、そのポイントを見つけたら、「少し手前の事象」について手をつけるというのが良いと思う。

現実的なことを言うと、上手くいっていない組織を根本から変えるのは不可能に近い。

そこにはヘドロのようなドロドロとした塊が溜まっているからだ。

かといって、それを完全に無視することもできない。

そういう意味において、「ちょうどいい塩梅」の地点で改革を始めていくことが肝要だ。

引き返す勇気

これには嗅覚みたいなものも重要で、色々な人から聞いた話を合わせると正解に辿り着くというような類のものではない。

その話の総体をあくまでも1つの材料としながら、本当に「臭い」ところはどこなのかを自分で考えなくてはならない。

というのは、その本当の問題点に気付ける人というのはごく少数だからだ。

ましてや、その組織に長いこといると、それが問題点であることにすら気付けないからだ。

このように徐々に味方を増やし、良い噂を流しながら、でも本当にヤバいところに切り込んでいく

ギリギリのところを攻めていく。

やり過ぎるとやられるし、やらな過ぎると停滞したままだ。

このバランス感覚、行き過ぎたと思ったら引き返してくる勇気みたいなものが文化の変革には必要だ。

焦りすぎても、ゆっくり過ぎてもいけない。

その微妙な距離感を保ちながら、運も味方につけて、何か大きな成果を上げる。

もちろん改革の成果である方が良いのは間違いないけれど、そんなにすぐに成果が上がる訳ではないので、ある程度マネージャーの力を使って実績を残す。

すると、一気に味方が増えていく。

マネージャーへの信頼が増し、改革がもっとやり易くなる。

こうなればもっと奥に向かって走っていけばいい。

本当にヤバいのはそこからではあるのだけれど)ひとまずこれでチームは軌道に乗るはずだ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

マネージャーの経験が長くなっていくと、「ああ、ここでスタックしているのね」ということが手に取るようにわかるようになります。

でも、そこにすぐ手をつけるべきなのか、もう少し様子をみるべきなのか、というのは難しいところです。

というのは、その組織がその原因に気付いていて手をつけていない(手をつけられない)のか、そもそもその原因にすら気付いていないのか、という判断には時間がかかるからです。

表現が難しいのですが、ひと堀して出てきたものが根本的な原因とは限らないので、そこで「見つけた!」と浮かれてはいけない、ということです。

もっと地下深くにヤバいものが埋まっている(所謂地雷)ケースがあります。

それを掘り返すのは本当に勇気がいりますし、労力もかかるので、敢えて手をつけない、という判断も全然アリです。

求められている成果と、コスパを勘案して、対応していきましょう。

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